臆病な少女
何で、わたしは今まで思い出せなかったんだろう。
もし、くまさんをずっと大切にしていたなら、こんなに辛いことを思い出さなくて良かったのに。
いろいろな考えが頭の中をぐるぐる回った。
その次の日から、私には、くまさんが見えるようになっていた。
くまさんは、ぬいぐるみのときよりも大きくなり、私の身長を余裕で越す位、大きくなっていた。
でも、私はいつもと同じように起きて、いつもと同じように学校へ行った。
だって、くまさんは、私にしか、見えていない、いつもずっとそばにいて、私を見守ってくれている。
私さえ、くまさんを大切にしていたら、辛いことは思い出すことはなかった。
キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り響く
帰ろうとした私を真由美が呼び止め、一緒に帰ろうと誘った。
もちろん私は、「ずっと一緒に帰っている子がいるから」と断って急いで帰った。
真由美はふと呟いた。
「あの子、ずっと1人で登下校してたと思ったんだけどなぁ。」
くまさんは、ずっと、私の親友。ずっと、ずっと。
永遠に。
ここまで読んで頂いてありがとうございました!
あなたの記憶に少しでも残るような作品になったら嬉しいです。




