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手紙

そんなある日、学校から帰ってきたわたしは、ある違和感を感じた。


いつもは、出迎えてくれるお母さんが出迎えてくれなかった。


いつもは、きれいに整えられている靴が、いつからぐちゃぐちゃになっていた。


いつも、ホコリ1つなかったはずの棚の上にホコリが溜まっていた。


いつから、「いつも」は崩れていたのだろう。


嫌な胸騒ぎがした。


いつも、家族の笑い声が響いていたリビングには、誰の姿もなく、かわりに1枚の手紙が置いてあった。


それは、幼い子供が書いたような文字だった。


「今まで、ありがとう。


 君にはもうぼくは必要ないみたいだから、ぼく達はもう出ていくことにするね。


もともとぼくは、君の本当の両親が1年間契約したものだったから。


契約内容は、「1年間ぼくをずっと大切にすること。」  君の両親は、飽き性(あきしょう)の君にとレンタルしてぼくを家に招いてくれた。


1年間どんな子がぼくと仲良くしてくれるのかなってとても楽しみにしていたんだけど、君は、すぐにぼくに飽きてしまったね。


予想できなかった事態もあったけど、君の両親が色を付けてくれたお金は既に振り込まれていたから、サービスとして、こちらから二人ほど派遣したよ!


君が飽きさえしなかったら、ずっとここにいてもよかったんだけど。


  バイバイ    くまさん達より 」



え?


そのとき、わたしの思考は、停止した。


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