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24話
「……そこからは覚えてないな~」
「……ふーん」
相変わらずのにこやかな顔。 先程より足は遅くなったが
「またしてもこの廊下は長いねぇ……? 5分くらい歩いてるよ?」
初めて意見が一致したカモな。
「あ、あったあった。ここの扉だよ」
……黄色? 今度は黄色かよ。
だけど他のと違って形が丸い。 よくバランスとって作ったもんだな
「誰がいても驚かないでよ?」
棗の顔を覗き込んで言った。
「何をいきなり。 別に驚かねぇって」
だってコイツが言ってんだから。 対したこと……ねぇだろ
「なら……いいんだけど」
なんとも言えない切なそうな表情を見せた秋山。
読心術を使おうとしたが、なぜかまたコイツも読み取れない。
キィィィィ……
ゆっくりと扉が開く。 とても周りとは比べられないオンボロさ。不気味な音とともに感じさせられる。
「……!!?」
棗はあまりの戸惑いのあまり 声が出せなかった。
隣には秋山がいるのに……
目の前にも秋山がいる。
Part2
END.