19話
まきは 急いで着替えを済まし、正門へ向かった。
そこにはもちろん セガレがいたが…
「あっ!! 遅いよ~ まきちゃん~」
お前が時間を言わなかったからだ!!…と叫びたかったのだが、そのな場合ではなかった
「おひさ~ まきちゃん」
とんでもなく爽やかに私の名前を呼んだ生き物は間違いなく…
あの“ウーパールーパー”……
「何でお前がセガレと……!!」
ウパーが話そうとした瞬間 セガレが間を抜けて話し出した
「この子 凄く可愛いからさ~ てへ?」
…………。
私とウパーの間に沈黙が生まれたことにコイツは 気づかないのか
「まきを探してたら 捕まっちゃっただけ!! 」
ふーん? セガレはなんにも感じなかったわけだ?
「そ? ならいいんだけどさ」
「番人……やってもらうよ?毎日午前4時から深夜3時まで!! 空白の1時間はここの魔力でしのぐから、ちゃんと睡眠を取ること!! いいね?」
……オイオイ、睡眠時間が毎日1時間!!?
ふざけんな オイ!!!!
「…と言うことで。 ご飯とかは僕がここの人の誰かに頼むから。 じゃあね~」
飛ぶように去って行くセガレの後ろ姿をみていると……
嫌。
番人……か
これで2時間は経つだろうが……何もない
この建物は街のハズレに建ててあるからかな、誰も近づかない。
でもそれはまた違うか。 人を襲ってしまった元番人の後だから どうせ私のこともとんでもない奴だと思っているのか
「……ちゃ……ちゃん……まきちゃん? 聞いてる?」
まきの顔を思い切り覗き込んで大声を出したのはウパーだった
「何…… うるさいなぁ……」
2時間何もナシにイラついた私は 無愛想に返事をした
「君の守護神である僕が知らないのもなんなんだけどさ……なんで裏から追い出されたの?」
……いつかは言うと思ってたよ
「だってほら、君は頂点になったわけじゃん? 誰も反抗なんてできるはずがないのに……」
……それが出来ちゃうんだな~
だってほら…… 頂点って言うのは かなりの能力者。 私以上の奴なんて腐る程いるんだよ
なんでこうなっちゃったんだろうね、 裏から追い出された。 裏という存在全体に
かばう奴なんか……いなかったんだから
これを全部話すっていったら…… 誰だって飽き飽きしますって