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それは突然の出来事だった ~後編~

前回同様短いです。

ちょっと休憩程度に読んでください。

では、はんなり、まったりどうぞ~

 おれが叫ぶとあっちにもおれの声が聞こえるようになっているのか、ピタリと声が止んだ。

 しばらくの沈黙と気まずい空気。

 誰も何も言おうとしない。

 きりが無いと思ったんだろうか、黄色いねずみが咳払いをしてから『あー、マイクテス、マイクテス』とマイクをぽんぽん叩く。

 そしてもう一回『ピーンポーンパーンポーン』とさっきとまるで同じように流す。

「……」

『……』

『……』

『……』

 おれはつばをごくりと飲み込む。

 黄色いねずみが息を吸い込む。

『なんだかんだと言われたら!!』

『結局またそっからなんかい!!』

 大阪弁がすばやくツッコム。

『ええかっ!? お前正直めんどくさいねん! なんでもっかい同じネタをやろうとすんねやッ、おかげで話が全ッ然さっきから前に進んでないねん! 無駄なおもんないギャグもどきしてる暇があるんやったらさっさと話進めろやっ!!』

 大阪弁がまともなことを言う。

『へーい、以後気をつけまーす』

 黄色いねずみのまったく反省したとは思えないような返事。

『えーと、聞こえるかタロウ』

 黄色いねずみがおれの名前を呼ぶ。

 なんでおれの名前を……?

 言っておくが、おれはこいつら3人の声にまったくもって聞き覚えが無い。

 てっきりおれが知らない奴らなんだと思ってたんだけど……。

『一応、勘違いされないうちに言っておくがおれたちとお前は今日知り合ったばっかりだからな』

「まぎらわしい!!」

『さて、ここからが本題なわけだが……』

 黄色いねずみの口が止まる。

 なんだ?

『これからお前に2つの道を与える。お前の好きな方を選べ』

「はぁ?」

 何言ってるんだ? この人。

『一つ目ー、今日ここで今すぐ死ぬ』

「えぇ!!」

『二つ目ー、オレたちと同行する』

「はぁ!?」

 おれは黄色いねずみの言葉に混乱する。

 死ぬ? 同行?

 話の展開についていけない。

 と言うか正直どっちもヤダ。

「それ以外ってアリですか?」

 おれが尋ねると黄色いねずみは『うーん』とスピーカーの向こうでうなった。

『あえて言うならNOだ』

 黄色いねずみが言う。

「第一、本当におれのこと殺す気なんすか?」

『殺す気はない』

 おおー!

 それならまだ希望はある!

 しかもよく考えたら、「殺す」なんて日常てきにそんなバンバン飛び交う言葉じゃない。

 はったりだって可能性の方がずいぶんと高いじゃないか。

『けど』

 黄色いねずみが言った。

『お前がオレたちに同行しないときはやむおえないと判断して、殺す』

 そう言われた瞬間おれの心臓はドキンと跳ね上がった。

 さっきまであんなにふざけていたのに、今の黄色いねずみの声は決して冗談とは思えなものだった。

 まるで別人みたいだ。

 本当にヤバイかもしれない。

 おれは改めてそう思った。

「で、でもおれを殺したあとはどうするつもりなんすか、し、死体とか」

『死体や証拠を完璧に消す方法なんて世の中いくらでもある。お前みたいに普通に生きている人間じゃ、思いつかないような方法がな』

 ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。

 こいつ、本気(マジ)だ。

 おれはロープの上からさらに太くて丈夫なロープにぐるぐる巻きされてるような気分になる。

「じゃあ、なんでそんな普通に生きてるおれなんかに同行させようとしてるんすか?」

『条件に当てはまっていたからだ』

 条件?

「じ、じゃあもし、おれがあんたらに同行するって言ったら……?」

『お前にはオレたちのサークルに入って、毎日ここに来てもらう。簡単に言えばそんな感じだ』

 サークル?

「サークルって、何の?」

『それは入ってからのお楽しみ』

 黄色いねずみが楽しそうに言う。

 するとさっきから黙っていた大阪弁が言った。

『おいおい、それはヒント無さすぎやわ、簡単すぎるゲームは嫌やけど難しすぎるゲームもあかんで』

『え? そうか? オレは難しい方がいいけどなぁ』

『お前みたいな上級者はな、タロウは初心者や。――タロウ、ええか、別にそない怖がることも無いねん。サークル言うても冬休みの間の2週間だけや。たった2週間と一生の命。答えは簡単やろ?』

 そういわれても困る。

 結局内容は分からないままだ。

「そのサークルって犯罪的な感じですか?」

 おれがそう質問すると大阪弁少し困ったように言った。

『わからへん』

 へ、ワカラヘン?

「なんで? 仲間なんでしょ?」

『わいらにも何をやるんか教えてくれへんのや、うちのリーダーは』

『上級者用だからな、ヒントはいらねぇだろ?』

 黄色いねずみが言う。

 大阪弁もおもしろそうに『まぁな』と答える。

 どうやら黄色いねずみがリーダーらしい。

 ……。

『さぁ、ヒントはおしまいだ。タロウお前の足元に二つのボタンがある』

 黄色いねずみが言うと足元の床のタイルが一枚飛びでて長方形の箱みたいな感じになる。

 そして箱は「パカッ」とふたが開き、黄色いねずみが言うとおり中には緑と赤のボタンがある。

『オレらのサークルに入るなら緑、嫌なら赤を押せ』

 つまり犯罪者になるなら緑、死ぬなら赤を押せということだろうか。

 おれは考える。

 選択は二つに一つ。

 デッドオアアライブ。

 どうすればいいんだ……?

 正直、おれはまだ死にたくない。

 やりたいことがたくさんある。

 なら、2週間ぐらい、とも思うがされど2週間だ。

 内容は不明。

 危険性は未知数。

 ……。

 おれはボタンを、押した。



 ボタンを押すと、床が……いや、部屋全体がキュイイインと下へ動き始めた。

 どうやらこの部屋全体が大きなエレベーターになっているらしい。

 おれはいすにもたれ大きく息をはく。

 あとのことは知らない。

 もうどうにでもなってしまえ、と言う感じだ。

 音が止む。

 どうやら目的の階に着いたらしい。

 真正面にあるドアが開き薄暗かった部屋に光が入る。

 そこには3人の人影。

 その中の真ん中の男が言った。

「ようこそ、2CFへ」

 おれは人生初、まじめに覚悟を決めた。 

今回は長くしようと思ってたんですけど、けどっ! なんかタロウたちが全然予想と違う方向へ話を持っていくのでついていってたらまた短くなってしまいました(_ _)

次回から、次回から長く書くと思いますのでよろしくお願いしますっっ

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