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第一章:追放された「帳簿係」
「君のような、剣も魔法も使えない『帳簿係』は我がパーティには不要だ」
勇者レオンの冷酷な言葉が、王都のギルドに響いた。
僕、アキラは地面に視線を落とした。前世では公認会計士として馬車馬のように働いていたが、過労死してこの世界に転生した。授かった固有スキルは**【複式簿記】**。このファンタジー世界では「ただの計算術」と蔑まれるハズレスキルだ。
「レオン、彼がいなくなったら魔法薬の在庫管理や、遠征費の精算はどうするんだ?」
聖女のエレンが心配そうに口を挟むが、勇者は鼻で笑った。
「そんなもの、適当にやればいい。俺たちは選ばれし者なんだ。金など後からついてくる」
こうして僕は、パーティを追い出された。手元に残ったのは、愛用の羊皮紙と羽根ペン。そして、誰にも見えない「世界の理」を計算する力だけだった。




