ダルドの神話
最近、新しい小説を書きたくてウズウズしてます・・・。
その昔、山の奥深くにある村があったそうだ。
その村に、とある青年が訪れた。
その青年は、銀の髪にとても深い瞳の青年だった。
村の人々は、戸惑った。
今まで一度も青年の様に村に来た人は一人もいないからだ。
それに、ここの村には宿がない。
あったとしても、すぐ潰れるだろう。
村人が困っている中、村長が出てきて青年に言った。
「申し訳ないが、この村には宿がない。それに、泊められる程の余裕がない。すまないが、帰ってくれ。」
そして、青年は言った。
「ならば、ここの農作物の育ち、質などをよくしましょう。」
村人は、疑った。
そんなことできる人が存在するわけない。
そんな中、村長が言った。
「本当に出来るのか?」
青年は答えた。
「はい。私は出来ます。出来なければ、殺して下さい。」
「いいだろう。一週間やる。その間にできなければ、お前を殺すからな。」
「有難うございます。」
そう言うと、青年は畑へ向かった。
村人が、ぞろぞろとついて行く。
畑に着くと青年が、言った。
「いいですか。見ていてください。それと、私がやったことは誰にも言わないでください。」
そう言うと村人は、一斉に頷いた。
青年が、手を挙げる。
そして言った。
「植物よ、我の命を聞き受けろ。」
青年が言うと、植物が見る見るうちに、伸びていった。
村人は、声を失った。
数秒すると、植物に実がなった。
そこで、成長が止まった。
「この植物は永遠に枯れない。永遠に実をつき続ける。」
青年は、そう言うとどこかに去って行った。
村人たちは、籠を持ってきて我先にと実を採っている。
と、ある少女が気が付いた。
青年が居ないことを。
少女は、アンネ。
アンネは、森の中に入った。
しばらく歩くと、湖が現れた。
湖の傍に青年が座っていた。
アンネが近ずこうとする。
しかし、体が動かない。
少し遠いいが、アンネは叫ぶ。
「あの、作物を育ててくれてありがとうございました。」
青年が、アンネの方を向く。
アンネは、礼をすると湖を去った。
翌日、青年の銅像が建てられたそうだ。
村人は、その青年は『ゾーエ・セオス』と名ずけた。
意味は、生命の神。