神の名前は・・・
PCを修理に出していたので、遅くなりました。
リュシオンの傷の回復は、早かった。
きっと、箱庭の薬草を使ったからだろう。
背中の傷は、一番早く治った。
リュシオンは、少しなら歩けるほどに回復した。
そんな時、
「ヴェルーナの神は、誰なんだ?」
と、突然聞いてきた。
ヴェルーナは考えた。
神から、何も聞いていないからだ。
わかることは、丸いことと、青い瞳。銀色なことだけど。
(知らん。わかることは、丸いことと、青い瞳。銀色なことだ。あぁ、あと俺様だ。)
「うーん。銀色に青・・・・・。」
リュシオンは、黙り込んでしまった。
三十分後。
「あ!その神はきっと・・・。」
リュシオンが口を開いたのと同時に、
「フンッ。俺様の名前が知りたいのか。」
リュシオンとヴェルーナは、同時に上を向いた。
そこには、銀色の玉が浮いていた。
「俺の名は、ダルド。俺は、人間供の間でも有名だろ。」
「・・・。はい。その通りです。」
リュシオンは、膝を付けて礼をした。
「お前、名は?」
「リュシオン・ル・アヴェルト=ダントンです。ダルド様。お目にかかれて光栄です。」
「ダントン・・・。ダントン国の王族か。お前は、じき王になるだろう。」
「ありがたきお言葉。」
ダルドが、ヴェルーナの方を向いた。
「ヴェルーナ。お前、幼竜の記憶はあるか?」
(いいや、ない。親の顔も覚えていない。)
「そうか。そろそろ、行かなくては。」
(どうかしたか?)
「別に、大した用はない。邪魔したな。」
そう言うと、あっという間にダルドは姿を消した。
少ししてからリュシオンが、
「ヴェルーナは、幼竜の頃の記憶がないのか?」
(ああ。)
神が、聞いたことがこのあとあんなことになろうとは・・・。