結婚式
遅くなってすみません。
今回は短いです。
リシェーネは落ち着きなく部屋を行ったり来たりしていた。
リシェーネが着ているのは、シフォンを惜しみなく使った純白のドレスだ。
ベールはマットを使っている。
「リシェーネ様、用意が出来ました。」
ノックの後にメリッサの声が聞えてきた。
「今行くわ。」
リシェーネはそう言うと、部屋から出た。
礼をしてから歩き出したメリッサに付いて行き、一つのドアの前で止まる。
ドアを開けると、バルコニーのある部屋が広がった。
バルコニーまでの道には、紅いカーペットが敷いてある。
リシェーネの心臓は高鳴り、落ち着かなくなった。
リュシオンがリシェーネの傍に来て、手を差し出す。
リシェーネがリュシオンの顔を見上げると、リュシオンは微笑んだ。
リシェーネは微笑み返すとその手に自分の手を乗せた。
そして、ゆっくりとバルコニーに向かってカーペットを歩く。
バルコ二ーに近づくにつれ、外から聞こえてくる声が大きくなった。
それにつれ、リシェーネの心臓も高鳴る。
バルコニーに付くと、城の前に集まった人々の歓声がより一層大きくなった。
部屋から神父が出てきて、結婚式が始まった。
歓声はおさまり、皆一言も聞き逃すまいと耳を傾けている。
リシェーネは緊張のあまり、神父の声が全く聞えなかった。
神父が何か言い終わると、みんな一斉にリシェーネを見た。
「え?」
「誓うかどうか聞いているんだ。」
と、戸惑うリシェーネにリュシオンが耳打ちをしてくれた。
「誓います。」
リュシオンも同じように問われ、
「誓います。」
と答えた。
「では、誓いのキスを。」
神父は微笑みながら言った。
リシェーネはリュシオンの方を向かせられ、唇を重ねた。
それと同時に、歓声が上がった。
それは先ほどよりも大きく、「おめでとう」という声まで聞こえてきた。
リシェーネとリュシオンは微笑みあって、愛を誓った。