両親と再開
「母上!!」
リシェーネはそう叫び、ベッドから出てウィリアに抱きついた。
「ああ、リシェーネ。今までどこに居たの。心配したのよ。」
と、ウィリアが言いながらリシェーネにきつく抱きついた。
「どういうことだ?」
リュシオンが疑問を口にした。
その疑問にカインと医師の二人が頷いた。
その疑問に、リシェーネがウィリアから離れて言った。
「申し遅れました。私はジロン国第一王女、リシェーネ・ベル・バルミ・アブ・ジロンと申します。」
リュシオン、カイン、医師の三人は目を見開いた。
「だが、髪の色が…。」
「それはバイオリーニに掛けられた呪いのせいです。」
「でもよかったわ。これでシュベルツに……あっ!」
ウィリアはそう言うと、部屋から飛び出した。
「母上?」
リシェーネは、首を傾げた後ウィリアの後を追った。
「リシェーネ!」
その後を、リュシオンが追う。
「殿下!」
さらにその後を、カインが追う。
「はぁ~~~~~~~~~」
後に残った医師は、大きなため息を吐いた。
「何の用だ?」
シュベルツが、アルフォンに問う。
「その、」
アルフォンが、答えようとした時ウィリアがすごい勢いで部屋に入ってきた。
「アルフォン!リシェーネが帰ってきたわ。」
「ほ、本当かい!?」
アルフォンの顔が、嬉しそうに輝いた。
「帰ってきた?」
その言葉にシュベルツは首を傾げた。
「父上!!」
叫び声と共に、リシェーネがアルフォンに抱きついた。
「リシェーネ。」
シュベルツはリシェーネの顔を見て、首を傾げた。
「リュシオンのメイドではないか?」
シュベルツは更に首を傾げた。