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神に気に入られた竜!!  作者: 水無月 皐月
第二章 メイド
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リュシオンと対面(1)

 どうも皐月です。

  今回は、リシェーネとリュシオンが対面します。



 ではどうぞ。






 

 「本当かい?」


 「や、約束します。」


 カインは、今まで床を見つめていたアイアンと同じ緑色の瞳をベレーデに向けた。


 「破るんじゃないよ。」


 ベレーデはそう言うと、床に正座している息子の髪をなでる。カインの髪は、ベレーデに似た栗色だ。


 「ほら立ちな。」


 カインをベレーデは立たせた。

 そしてリシェーネに言った。


 「いいかい、リシェーネ。こいつに必要以上に近づくんじゃないよ。」


 「母さん、それは無いじゃないか。」


 「お黙り。」


 ベレーデの一喝でカインは大人しくなった。


 「いいかい、リシェーネ。」


 「はい!」


 と、リシェーネは元気良く頷いた。

 椅子に座り、静かに紅茶を飲んでいたアイアンがクスクスと笑った。








 

 朝食を食べ終わり、部屋で読書をしているとまたドアがノックされた。

 このノックの仕方はカインだ。

 リシェーネが返事をする間もなく、カインが入ってきた。


 「リシェーネちゃーん。」

 

 と、言いながら。

 そして抱きついてきた。


 「き、気持ち悪い!」


 リシェーネはそう言いながらカインを突き飛ばした。

 そして胸を隠す。


 「ドサクサに紛れて触らないでください。」


 「いいじゃないか。」


 ニヤニヤしながらカインが言う。

 

 「こっ、こっちに来ないで!」


 リシェーネは部屋から飛び出した。

 階段を駆け下り、アイアンとベレーデが居るリビングに駆け込んだ。


 「ベレーデ、助けて!」


 リシェーネは、椅子に座っているベレーデに抱きついた。


 「こら!カイン、リュシオン殿下の前だぞ、大人しくしていなさい。」


 カインは大人しくなった。

 が、リシェーネはそんなことより、リュシオンが居ることに驚いた。

 ベレーデの向かいの椅子に、リュシオンが優雅に座っている。

 リシェーネは、ベレーデから慌ててはなれた。


 「リュシオン殿下、すまないね。この子は、リシェー」


 「ヴェルーナ?」


 そう言うと、リュシオンが抱きついてきた。

 

 「え?」


 慌てて離れようとしたが、力は強まる一方だ。

  

 「リュシオン殿下。私はリシェーネです。ヴェルーナとやらではありません。」


 リシェーネから離れると、リュシオンは言った。


 「どこからどう見ても、ヴェルーナだ。」


 その言葉に、リシェーネも目を見開いた。






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