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神に気に入られた竜!!  作者: 水無月 皐月
第二章 メイド
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ベレーデとアイアンの子供






 「入ってもいいかい?」


 と、ノックと共に聞えてきた。

 二人にお世話になって、もう一カ月が過ぎた。

 仕事もなかなか見つからない。


 「どうぞ。」


 リシェーネがそう言うと、ドアが開きベレーデが入ってきた。


 「どうかした?」


 ベレーデとアイアンに、敬語は使うなと言われたため、敬語は使っていない。


 「三日後にね、息子が帰ってくるの。」


 リシェーネは首を傾げた。

ベレーデとアイアンの息子はリュシオン付きの騎士だ。休暇の時期でもないのに戻ってくるのは変だ。


 「この時期に?」


 「リュシオン殿下が、箱庭に行くついでに前に来た時に厚くもてなしてもらったお礼の為だよ。」


 リシェーネは益々首を傾げた。


 「前にも来たの?」


 「ああ。戦場から帰ってきたからね。あれは奇跡だよ。」


 「そうなんですか。早く息子さんに会えるといいですね。」


 「でもあの子には手を焼いてるよ。リシェーネも気をつけなさいよ。」


 リシェーネはまた首を傾げた。


 「何に?」


 リシェーネがベレーデに聞いてもベレーデは苦笑いをするだけで教えてはくれなかった。







 リシェーネは、庭を眺めていた。

 綺麗に並べられた花々はとても美しく、箱庭を思い出させた。

 フーと、ため息を吐くとドアがノックされた。

 ベレーデかなと思いながら、返事をする。

 ドアが開く音がしてドアの方を向くと、そこには知らない男の人が立っていた。


 「どちら様?」


 「君がリシェーネか。」


 そして、リシェーネの顔や体をしげしげと見つめると、


 「胸は薄いが、綺麗じゃないか。」


 と言った。

 胸が薄いとは失礼じゃないか。それに、胸が薄いのはワンピースを着るために晒を巻いているだけだと言おうとした時、彼が突然自己紹介をした。


 「初めまして、リシェーネ。俺はリュシオン殿下専属の騎士、カイン・カーン。」


 そう言うと、リシェーネの手を取り指先に口づけを落とした。

 それと同時に、ベレーデが部屋に入ってきた。


 「これカイル、その手を離しなさい。」


 ベレーデはそう言うなり、カインの首根っこをつかんだ。


 「すまないね、リシェーネ。不甲斐ない息子だがよろしく頼むよ。」


 「は、はい…。」


 リシェーネが返事をすると、ベレーデがカインを部屋から連れ出した。リシェーネもそれについて行く。

 リシェーネの部屋や、ベレーデとアイアンの寝室などあるニ階から降り一階のリビングに着くと、カインは正座をさせられ説教をされた。そして誓った。


 「あ、明日、リュシオン殿下を連れてきますから。」


 と。

 リシェーネの胸が高鳴った。明日、リュシオンに会えるのだ。





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