交換条件
感想いただければ嬉しいです。
今回も短いです。すみません。
それではどうぞ。
「貴方を元の姿に戻してあげるわ。その代わり、髪の色は白。それ以外はそのまま。髪の色を戻すには、リュシオンに貴方の事が好きだと言わせること。それでいい?」
(分かった。)
「後、ダルドの事は忘れてもらうわ。」
(?何故だ?)
ヴェルーナが首をかしげながら言った。
バイオリーニは、くすくすと笑いながら、
「私にとって都合が悪いのよ。」
と言った。
ヴェルーナは、ますます首を傾げた。
(都合が悪い?)
「そう、都合が悪いの。でもあなたには関係ないわ。」
バイオリーニが微笑みながら言った。
この場に男がいたなら、その男は顔を真っ赤にするだろうと思うほど美しい笑みだった。
「さ、あなたと私が会うのはこれで最後。これからの人生、頑張って生きるのよ。そうそう、貴方は目覚めたらダントン国の村に居るはずよ。それからは貴方がなんとかしてね。それと、これをあげるわ。」
そう言ってバイオリーニが渡してきてくれたものは、青い美しい宝石のついた、白金色の指輪だった。
指輪には、一対の竜とその足元に、たくさんの動物が描かれていた。
「それは、ジロン国に伝わる秘宝よ。前に私のところに来たとき忘れていったものよ。それは、決して見せるんじゃないよ。髪の色が戻るまでね。」
すると、バイオリーニが先ほどの笑みとは比べ物にならないほどの美しい笑みを浮かべて言った。
「そうじゃないと面白くないもの。それじゃ、さようなら。」
バイオリーニが手を振った。
その後、目を開けてられないほどの光にヴェルーナは包まれた。