これが恋ですか?
今回は短いです。
「良かった。」
そうリュシオンが呟く。
ヴェルーナは、彼の安心した顔を見て何故かドキリとした。
(何だこれ?)
「?ヴェルーナ?どうかしたか?」
(な、何でもない。)
と誤魔化す。
そして、リュシオンを見る。
怪我はほぼ完治しており、後は、傷が消えるのを待つだけだ。
この調子なら、国に帰れるであろう。
(その調子なら、国に帰ることができるな。)
とヴェルーナが言うと、リュシオンは悲しそうな顔をした。
その顔を見て、ヴェルーナは心が痛んだ。
(そんな顔をするな。また来ればいい。)
そんなヴェルーナに、リュシオンが言い返す。
「ここに来るには、国王の許可が必要だ。そんな、簡単じゃない。」
と。
ヴェルーナは考えた。
どうすれば、リュシオンを説得する事が出来るのだろうかと。
しばらくして思いついた。
自分が定期的に、リュシオンに会いに行けばいいじゃないかと。
(リュシオン。私が定期的に会いに行くから、国に帰れ。)
「定期的?どれくらいだ?」
(二週間に一回ぐらいでどうだ。)
「いや、一週間に一回だ。」
(それでいいならそれでいいが…。)
すると、リュシオンはうれしそうな顔をした。
そして、ヴェルーナの心臓がまた、ドキリと波打つ。
(病気か?)
と呟くと、
「何?病気だと!何処が悪いんだ。」
と、心配された。
(嫌、何でもない。それより、本当に帰るな?)
「当り前だ。約束したからな。」
と、言いリュシオンは微笑んだ。
(では用意をしよう。)
こうして、リュシオンとヴェルーナは用意を始めた。
(ところでこれは、恋というやつか?)
と、一人考えるヴェルーナであった。