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第63話 アルマ王国へ
カジヤンと孤児村で別れ、私達は砂漠を渡る。
砂漠を抜けて森に入り、日が暮れるとその中で一晩過ごした。
そして次の日、森を抜けて平野を進むと、街と海が見えてきた。
「あそこからアルマ王国行きの船が出ているのね」
今まで乗った経験のない大きな客船が見える。
あれに乗って行けばアルマ王国。
私達が敵を迎え撃つ、最後の戦いの場所と言っても過言ではない。
「残る勇者の弟子は3人。向こうに着いたら早速準備に取り掛かるぞ」
「えぇ。マユとレイ・スノビーについては策が出来てるわ。だけど残る一人は何も分からない」
街へ着いてからすぐに船のチケットを購入し、出港までに買い物を済ませた。
「策が完璧に行くとは限らない。万が一イレギュラーがあったらどうする?」
「それでも戦うわ」
逃がしてくれる敵じゃない。
そもそも、あいつらは放置しておいていいやつらじゃない。
特に無関係な人を平気で巻き込むマユだけは、なんとしても倒さなければならないんだ。
「船が出る。そろそろ乗船するぞ」
私達は客船に乗り込んだ。
向かうはアルマ王国。
最後の戦いが待つ、私達のゴール地点。