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第43話 レイアストの猛攻

マユという少女が杖を振る。そして凍った海から生えてくるように、氷の龍が無数に出現した。


「さぁ、踊りなさい!」


龍は身体を鞭のように揺らして、タックルを仕掛けてくる。それを避けようと跳ねた先では、別の龍が待ち構えているのだ。


私はシェルモードの等剣で次々と迫る龍を破壊していった。

魔力を消耗させるしかない。この考えは他も同じようで、カジヤンも龍との応戦を開始。

そしてレイアストは龍を避けながらマユとの勝負に挑んでいた。


「そんな物差しで戦うなんてふざけてるの?」

「ふざけてるかどうか、喰らってみれば分かるさ!」



レイアストが両手に持つ定規の正式名称は、()()()()()()()()()()()()()()()。0から200まで数字が記入されており、高い数字の部分ほど攻撃の威力が増すのである。


レイアストは片方の物刺しでマユの杖を破壊。さらにもう片方を首目掛けて横薙ぎに振るうが、避けられてしまった。


「ちょっと!骨の杖を折ったぐらいでいい気にならないでよね!」


しかしレイアストには、手に持っている物を正面へ発射するというスキルがある。

手の位置を物刺しの中心部に持ち直して能力を発動。マユはその能力を知らずに反応が遅れ、さらに物刺しの性質に気付かないまま数字が高い方へ跳ねた。

そしておよそ180cmの辺りが、マユの腕に命中した。


「うああああ!?」


手から物体を発射するこのスキル。最大威力はレイアストが全身をフルに使ってその物体を投擲した場合と同等である。


敵が折れ曲がった腕を押さえている間、レイアストは新しく物刺しを召喚して追撃に向かった。


「ヒ──」

「回復はさせない!」


呪文も唱える隙も与えず、レイアストの連撃が繰り出される。マユは呪文を唱える口だけは残しておこうと頭部のガードに専念するが、攻撃は全身に打ち込まれた。


「ケア──」

「黙れ!」


そして呪文を遮るように怒鳴り付け、最後には2本の物刺しで腕もろとも頭に挟撃を入れた。


「ハァ…ハァ…気絶したかな。今の内に首を──」

「レイアスト!危ない!」


氷の龍がレイアストを狙う。私の叫び声を聴くと、彼女は振り向きもせずに龍の突進を回避した。



しかし龍の狙いレイアストではなかった。


「待て!」


倒れていたマユを巨大な口で飲み込むと、そのまま上昇。そして龍の身体に割れ目が走りバラバラに砕け散った。



「うわぁ…派手なドレス着飾っちゃって」


氷をイメージしたような蒼いドレスを着たマユが浮遊していた。そして私達を襲っていた龍達は1ヶ所に集まって融合。長身の龍から4本の太い脚と大きな翼を持った竜が誕生した。


「おっきくなりましたよ!?」

「別にいいじゃないの!敵が纏まってくれて叩きやすくなったわ!」


…とは言ってみたものの、デカイドラゴンだ。今までこんな図体の魔物を相手にしたことがない。

いや、魔法で造られているから魔物じゃないのか。


「これが私の本当の姿、ドラゴンライドソーサレス。そしてこの子の名前はフローズンフォートレス。あなた達はここで氷漬けになって死ぬのよ」


か、身体が冷えてきた…あのドラゴンのせいで周囲の気温が下がってるんだ。


「早く倒さないとこっちがヤバい。二人とも、少し攻撃のペースを早めていこう!」

「分かった!」

「了解です!」



しかし物怖じはしない。私は纏意を発動し、剣を構えて威嚇してみせた。

相手がどれだけ大きくたって、今の私なら倒せる。そう信じて。

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