80.|||Ф'Д'Ф|||げゃーーー!!!!クッサ!!!!? ぷーん>●
「有って良かったボ◯ギノ◯ル。『よく効きます』は伊達じゃねーや」ズリリ パチンッ
新品のパンツに履き替えたアーサーは新しい戦闘服に身を包み、爪も外して剣を履いた。十歩離れた場所には血塗れの人の頭大のブツが鎮座している。
「敵のカラクリの予想は付いたし、服と武器を替えて、スッキリ空っぽに出し切って新記録まで更新。後はさっさと仕事を終わらせて帰るか。ここはキショ過ぎる」シュボッ
煙草に火を着けると霧の濃さがよく分かる。もはや火元すらぼんやりと輝いて見える。
そんな火を見つめていると、丸みのある生首が見えた気がした。
「………んん? 幽霊か? でも霊感センサー的にはそんな気配は………ま、いっかー」グググ
身体を伸ばしてストレッチする。だらんと脱力をすれば、身体の奥底から沸々と意欲が湧いてくる。
「絶好調ぅ♪ さーて」ジャラジャラ
アーサーが鞄から取り出したのは鋼糸で繋がった2個の石ころ。極細ながら数百Mの長さの糸を石一つごと左手で掴むと、同じく左手の平と左肘の間を8の字になる様に巻き付けていく。
「三酷使設定5・"皮・耳・骨、地獄耳"。聴覚対象"虫の羽音"、お〜聴こえる聞こえる、バッタみてーなS・Gの羽音に混じって……明らかに気色悪いこの音だろーな」
数億匹分の蚊や蝿のもののような、生理的嫌悪感を助長させる羽音が辺り一帯を支配している。その音の発生源を目視は出来ないものの、強化された皮膚が正確な方角と大きさを感知していた。
「まずは………このくらいか?!」ビュンッ!
ヒュルヒュルヒュル………パチッ、ビィーーーーーン!
ドスン!
投げた石が霧の向こうへ消えて鋼糸が伸びる、タイミングを見計らったアーサーが糸に剣先で触れると電流が走り、それを思い切り引っ張ると弦楽器のような重い音色が響いた。鋼糸が弛まないよう素早く石ころに繋がった糸と剣が結び付けられ地面に深々と突き立てられる。
石は落下せず、糸は緊張状態を保つ。そこへ一度足を乗せると一気に駆け出して行く。
ビビビビビビョンビョンビョン!!!
「"改造レイピア 電気型"ゥ!!」ブォン!
ドッッッパァーーーン!!!!!!!!!!!!
3つの輪っかを残して霧を吹き飛ばしたアーサー渾身の投擲は、白日の元に晒された怪物を正確に貫いていた。
「うっわ気色悪ッ!? クトゥルフ神話に出て来そうー」ゾワ…
その姿は皺の隙間から無数の翅が連なって生えた脳味噌とその下部には逆さまのボルトが刺さったような、凡そ生物なのか疑わしい怪物が浮かんでいた。怪物の脳味噌には剣が突き刺さってバリバリと放電している所為で、ビクビクと痙攣しながら辛うじて浮いた状態だ。
「………え終わり? …………イヤイヤそんな訳……?」チラッ
空中に固定された石と糸の上でアーサーが周囲に眼を遣ると、飛んでいたS・Gがフラフラと力無く落下し、地面に届く頃には自壊して身体が霧散してしまっている。しかし霧散した虫は死んだ訳ではないらしく、地面に吸い込まれるや地響きが起こり始める。
その様子を見たアーサーは新しい糸巻き石を投げては足場にしている鋼糸と繋げて、怪物を囲う大雑把な五角形の足場を形成した。
「"盤古の礎石"に通電性の高い希少金属の鋼線を括った足場だ。通電していれば空間に完全に固定されて破壊不可能、鋼線も架空金属で切れはしない」
誰に向ける訳でもない独り言を呟きながら作業を進める。
糸の足場に革紐を結び、ターザンのような振り子運動で怪物の下を何度も潜り、怪物を中心とした放射状の籠を作り上げる。
その間も地響きは断続的で、段々と大きくなりつつある。
「俺の推測が正しければ"核"も"塊"なんじゃねーか? しかも機械型や液体型と違って細胞体も全部生きている、つまり核をグチャグチャに破壊しても集まって補って蘇ってってなるんじゃねーの?」ズラァ……
次に鞄から取り出したのは泡白く光を放つ片手斧。その斧はすぐに怪物に投げつけると、接触した瞬間に雲一つ無い晴天から巨大な雷が降り注いだ。
バアーーーーz____ゴロゴロゴロゴロ………
「"招雷閃斧"、こうやって投げて使わなきゃ死ねる。威力はご覧の通り。よしよし、籠は上手くいってんなー」
落雷に遭った怪物は黒煙を上げながら革紐の籠の中に横たわる。すると地響きがより一層大きくなり、地面が隆起し始める。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「……そうか、いくらぶっ殺しても沸いてくるからどこにどんだけ隠れてんのかと不思議に思っていたが、あの地面全部が連中の擬態だったんだなー」
迫り上がる大地の微生物が偽装の擬態を解いて凝縮し、巨大ヤゴとは比べ物にならない程の灰色の超巨大な蚯蚓としてのたうち回り始める。そして微生物が蚯蚓として身体を大きくするに連れて、地面だったものが目減りして本来の姿を取り戻していく。
「おっ! アレが迷宮の入り口か? 地面に埋もれてた訳か、いや敵が肉壁として塞いでたのか。何にせよ見つからねー訳だ」シュッ!
カーン! バアーーーーz____ゴロゴロゴロゴロ………
今度は投げナイフを斧にぶつけて雷を誘発させる。それにより灰蚯蚓が目標を見つけることになる。
「縮こまった包茎の先っちょみたいな顔しやがって、まー脳味噌が機能不全だし有象無象にゃ最低の造形が限界か。さぁーて仕上げだ。砂の雨より高密度だけど全ぶった斬りだ」ガキッ
アーサーは口にマウスピースを噛んでから新しいフルフェイスの兜を被り、鞄から二振りの"改造レイピア"を出して両手に握る。
全ての微生物が集合し終わり、一体の蚯蚓が完成した瞬間にアーサーの背後の怪物へ目掛けて巨体を伸長させる。巨大過ぎてゆっくりに見えて実際は凄まじいスピード、それに対してアーサーは小細工無しに正面から迎え撃つ為に飛び掛かる。
「……"体術奥義・惨極士"、クッ……二刀流・"紫電・雨合破"ア!!!!!!!!!!!!!!」
バ゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛バ゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛゛゛バ゛゛゛゛゛リ゛゛゛゛゛゛゛!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
体術奥義と併せたスキルの剣閃で、みるみる内に灰蚯蚓の身体が削り散らされて、まるで眩い稲光に吸い込まれるようにその巨体が短くなって逝く。剣の一振り毎に稲妻が走り、空気を押し退ける衝撃波と共に刃圏の外側のすべてを本物の灰に変えた。
「ウラアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バァッチーーーーーィッッ!!!!!!
最後の一振りは地面を仕切っている巨大な枯木の根に一筋の傷を付けた。その手応えに顔を上げたアーサーは雄叫びを挙げた。
「ッッッシャアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!」ブルブルブル
アーサーの身体からは焦げ臭い煙が立ち上り、全身火傷である事は間違いない。ふらりと振り返ると辺り一面を舞い落ちる灰の中に、銀色の塊が上から落ちて来た所だった。
銀色の塊はまるでS・Gと同じようにみるみる形を変えていくと、その姿はアーサー・リッパースターと瓜二つの姿に変身した。無論、両手に持っているのは体色と同じ色のレイピアだ。
その様子を見たアーサーはクソデカ溜め息を吐いて鞄から煙草を一本取り出し、口に咥えようとしてポロリと落とした。
「…………長めの"惨極士"は負担がデケーなクソっ」
剣を支えにゆっくりと地面に屈んで煙草を拾うと、そのまま煙草を咥えてから座り込んでまた落ちないように顔を上に向けた。
「疲れた。もう限界なんで任せますよ騎士団長殿」
「うむ、しかと見届け、任された。試験結果は後ほど私から伝える。休め」
重くうるさい全身甲冑である筈のカーマイン騎士団長は、土煙はおろか足音や気配すらも悟らせずにアーサーの前に立っていた。
カーマインの言葉でゴロリと寝転がったアーサーの鼻に、遠い記憶を刺激させる懐かしい香りを感じ取って安らぎを覚えた。重くなりつつある瞼を閉じる前に微睡んだ眼で彼女を見ると、その両手に兜とマスクをそれぞれ持っていて後頭部にはキュッと結んだサラサラの真っ赤な長髪が揺れている。
そこまで確認した所で、アーサーは眠気に勝てなくなって意識を手放したのだった。
\(@v@)/<さぁーて今回も〜………?
(@Д@;)<クサッ?!何コレ?どっから臭ってるの?!!
(;@A@)<駄目だ、ヤバ過ぎる。講座どころじゃない!
( ̄O ̄;)<悪いけど避難するね。流石に気分が悪くなってきた。オェ




