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C.B.B.NEW FACE  作者: 怠慢兎
第一章・顔合わせ
70/83

70.( ̄- ̄)1本と言わず1カートン欲しい

 "武鋸(タケノコ)"はそれまで使用していた"剛剣レイピア"に比べると、刃長は少し長く、(しのぎ)高く、そして重い。


 "剛剣レイピア"を用いたスキル"雨合破(アマガッパ)"の連撃の密度には届かないものの、その代わりに衝撃波を生む"蛮合破(バンガッパ)"の威力は格段に上昇。

 新たな合羽(カッパ)代わりとして土砂降りをやり過ごす。


ドドヴァ!ドドヴァ!ドドヴァ!ドドヴァ!ドドヴァ!

ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ

 ゴヴッ! ゴヴッ! ゴヴッ! ゴヴッ! ゴヴッ!


 片腕で連発する"蛮合破"でもう片方の手の自由を得たアーサーはこの日、最速の手腕で(インベントリ)から煙草とライターを出して喫煙を始める。

 一吸いでフィルター目一杯まで灰にして、紫煙は余す所なく直接肺にぶち込んだ。


「〜〜〜〜〜くはぁー!! キタキタ来たー!!!

 (*°∀°*)おいひィー!↑!↑!↑!↑!↑!↑」


 バチバチにガンギまったアーサーのテンションはMAXだ!


 待望の喫煙に感極まるアーサーであるが肝心の空模様は悪天候のまま、むしろ悪化してすらいる。

 そして天を破り散らかすような独特の音による、2度目の落雷が起こる前兆が耳に入る。


「ウラーアアア!!! "身代わり避雷針"!!!」ブォン!!


 スキルでも何でもなく、ただ力任せに全力で頭上に投げ飛ばしたレイピアに落雷が直撃する。回転が加えられていた事でアーサーの周囲に稲妻が飛び散った。


 飛んで行った剣は落雷を受け溶断されながらも止まる事はなく、それどころか土砂降りの勢いをある程度は殺してすらいた。

 そうして生み出された僅かな機会をアーサーは無駄にはしない。


「忍術はイェンの専売特許じゃねえ。土遁"泥高砂"」


 アーサーが片脚を上げると一緒に足に纏わりつくように泥粘土が盛り上がっていく。そんな泥を足掛かりにし、地面を背に天空を正眼に捉え"武鋸"を構える。


「舞台は整った……"星辰一閃(せいしんいっせん)彼方(かなた)へ届け"


 一刀流奥義 " リ ッ パ ー ス ター "!!!!!!」




 §


 アーサー・リッパースターの振り下ろした全霊の一撃は、ベイバード辺境伯アイズマン卿が浮かべた天球を見事両断して見せた。


 しかし、その斬撃の余波は止まる事を知らず、文字通りの意味で天と地を切り裂いた。


 弧を描く刀剣の軌道上、最大威力を発揮する上弦は天球より遥か上空で漂っていた雲すら両断し、後の減衰するだけの下弦ですら神域の樹々を百数十本も薙ぎ倒した。と、記録されている。


 この伝説的な一振りが齎した影響は測り知れなく、当時、神域を包囲していた各砦の主だった者達には勿論のこと、耳聡い情報屋を擁する貴族や王国中枢、果ては隣国と接する一部地域にまで噂が轟いたとされる。


 この一件を切っ掛けに、傭兵団"(クレイジー)(・ブルータル)(・ブレード)"が表舞台で注目され始めるのだが、


 今はまだ、ただのイチ傭兵団に過ぎないYo~.

        〔○∀○〕ノシ

次回、第一章エピローグ

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