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C.B.B.NEW FACE  作者: 怠慢兎
第一章・顔合わせ
59/83

59.(゜∀゜)b悪魔みたいに思われてるか

 "(シー) (ビー) (ビー)"、そしてこれが団旗になるぞ」


 発表と同時に紙を広げて印刷したマークを見せ付ける。

 背中合わせの2つの'B'の谷間(・・)からそれぞれ線がグルッと伸びて繋がり、左に90°回転した'C'の器が出来上がるデザインだ。

 ゲーム市場におけるCBBシリーズのロゴは基本的に、このマークからゲーム内容に則したデザインに仕上げて使用している。


 馴染みの無い単語とマークに首を傾げる団員一同。当然、(イセカイ)語を知らないのだからアルファベットなんて知る訳が無いのだが、そこにアーサーは違和感を覚えていた。


 アーサー達の目にこの国の文字は、日本語や英語で自動翻訳されて見えている。一方でコールロア村では、アーサーが書いた英語綴りの署名は問題無く受理されていた。

 CBBのロゴは黒色のアルファベットを組み合わせただけのシンプルなデザインなので、団員の反応を見るにただの記号としか映っていないのは明白だった。


(コールロア村は確か先代王の指示で隣国と奴隷交易を通した、間接的な交流をしている国境の村だったな。グレイシャードと初めに出会した時もあっちからの流れ者と思われてた気がするし、隣国では英語の筆記体が使われているのか?)


 ゲーム内言語を解読して修得する程度にやり込む性分であるが、アーサー自身まだこの国の文字に習熟し切れていないし、隣国の文字なんて見た事もない。後日グレイシャードの妹当たりに隣国の書物を手配して貰おうと思った。

 しかし今はミーティング中なので、頭の中でメモに記してアーカイブに追いやり頭を切り替えるアーサーだった。


「"しー・びー・びー"だぞ。俺達の祖国の公用語で、単語や名詞の頭文字を取ってデザインしたロゴだ。だから祖国では複数の意味に取られるが、俺達の場合は『戦闘狂(クレイジー)残酷(ブルータル)(ブレード)』と言う意味が込められている」

「「「おおお!」」」

「「「へ〜…」」」


 反応は概ね良好と思いたい。血気盛んな傭兵団らしい、荒々しい意味が込められていると判ったならば、男性陣を中心に賛同の声が上がる。女性陣も傭兵として妥当な名前に一応の納得はした様子だ。


「この名前を掲げる事で今後、散り散りになった祖国の者達が接触して来るかもしれん。その時は……歓迎(ボッコボコに)してくれや♡ きっと退屈はしねーさ」

「え゛? 仲間にするとかしないのですか?」

「このCBB(名前)に近づくような連中にまともな奴が居ると思うか? どーせ俺達みたいに暴れたくて力を持て余してるような(バカ)しか居ねえーよ。レオンなら結構良い勝負すると思うぜ?」

「ふむ……ではその時が来るのを楽しみにしています」

「いやぁみんなが皆、アーサーみたいなのじゃないですからね? 増員を見越した入団試験をいつかまた、しましょうって事ですよね?」

「その為にも戦闘員にはこれから強くなってもらう為に鍛える必要がある。当面の目標はリーサル植本だと思ってくれ」

「ええ!? ヤバくない!?」


 目標がリーサル植本と知り驚くラーナ。他の面々も何を想像したのか顔を顰める者も居れば、そうだろうなという表情の者まで様々だ。


「大丈夫。強さでランク分けしてそれぞれに合わせた特訓を考えてやる。明日はその為のテストをやるから、そのつもりで居ろよ? 俺からは以上だ、質問あるか?」

「あ、じゃあいいスか?」

「おうマヌゥ、何だ?」

「ランク分けされたら具体的に何をするんスか?」

「ランクは上からS•A•B•Cの4段階に分ける。それで内容は暫定だが、

 Sは俺と同じメニュー、内容は秘密だがキツいとだけ言っておく。

 Aは実弾回避コース、こっちで特別訓練場を用意する。

 Bは基礎訓練コース、この砦の他の部隊を参考にするつもりで考え中。

 Cが体力練成コース、勝手にそこらを走ってもらう。因みにユウとグィリルは自動的にCコースだ」

「ええ?! 私も?!」


 自分は無関係だろうから気配を消して座っていたグィリルが悲鳴を上げる。


「ちょっ、俺っちも行商人だよ?!」


 そしてグィリルと同じく行商人の端くれであるアレンは、名前を呼ばれなかった事で自動的にテストに参加させられると知って同じく悲鳴を上げた。


「Cコースは年間ノルマを設けるが自由参加だ。暇を見つけて好きな時に運動すれば良い。だからってサボったら引き摺ってでも達成させるからな? 傭兵は身体が資本だが、戦う力が無くとも逃げる力はあって損は無い筈だ」

「そういう事ならば、仕方ありませんね。行商も脚が大事ですし」

「アレンは若いんだから挑戦してみろ、頑張れば将来的にAに届くかもしれないし、嫌ならCでも構わん。好きにしろ」

「むぅ……」


 子供っぽく頬を膨らませて憮然とするが、好きにしろと言われればそれ以上は何も言えないアレン。その様子を微笑ましく思いながら僧侶のセイスが励ました。


「そうむくれずとも、拙僧と共に頑張りましょうぞ!」

「……おっちゃんは無理しない方がイイと思うけど?」

「ああそうだ! 大事な事を忘れていた。"CBB"は実力至上主義! よって、ランクによって給料にも差を付ける。金が欲しけりゃ実力を示せ、だな」

「ちょっと!? それは大事過ぎるでしょ!」

「うおおお! だったら手を抜く訳にはいかねえなあ!」


 ランクの説明と内容に冷や汗を感じたり不安気な顔をしていたメンバー達だったが、金の話に結び付けると途端に元気を取り戻した。


「団長サン、まさかランクに人数制限なんてあるわけナいですわよネ?」

「無いけど相応に厳しく審査するぞ」

「あの、自動的にシーの私に昇給のチャンスはあるのでしょうか?」

「グィリルはたった一人の会計係だから別途、給金を支払うさ。ユウは立場上俺達の上官だが、専属の医師でもある。大抵の怪我は治せるし、手腕の方はグレイシャードのお墨付きもある。だがそれ以前にユウが医師であるからこそ、このベイバード砦に招かれたんだ。優先されるべきはそちらの医療従事であるからして、Cランクだ」

「つまり戦力以外の人材はシーになるのですね」

「そういうことだ。まあ仕事の気晴らしに走るのも悪くないぞ?」

「分かりました」

「アレ? 俺っちも商人……」

「頃合いですな」


 質問がひと段落するのを見計らっていたサゾがアーサーを手招きする。


「はいはーい、SとかCとかも(にゃに)かの頭文字にゃのかニャ?」

「悪い、もう行かないとならん。用事があるからユウの紹介も後回しにしちまった。じゃあユウ、カール、ビアンカ、後は任せたぞ」

「はい」

「ああ」

「任されたぜー」


 頷いたアーサーがサゾと共に部屋を後にすると、何故か室内はより一層明るく騒がしくなった。


「ふむ、立派な団長として中々に畏怖されている様ですな」

「フッ・・・・・・・・・」(´・ω・`)ショボン

(@曲@)<じゃ、また解説するよ。今回は"オリジナル"の世界についてだよ


 その3.オリジナルの世界に於ける時代設定


(@∀@)<何となく分かってる人も居るだろうけど、完全没入(フルダイブ)型VRゲームが発売されているような世界だから、文明的にはかなり進んだ世界と思ってね。本体(オリジナル)がログアウトする前に触れたけど、『一家に一台ZB(ゼタバイト)』が当たり前の時代なんだ。


(@_@)<この世界、世界大戦を3回も経験しているから、軍事・科学への潤沢な投資で量子科学やら核融合技術、BH(ブラックホール)発電やらまぁ色々発展しているのよ。


(@∀@)<アーサーやユウの本体(オリジナル)の世代は、第三次世界大戦から3世代目の子供達(30代)になるよ。因みにこの世代はゲスト世代と呼ばれて、高度に発達した電子機器に対して肉体的に適応・進化した新人類、とされているよ。


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