表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
C.B.B.NEW FACE  作者: 怠慢兎
第一章・顔合わせ
57/83

57. ( -д-)y-・~他の連中は何してるやら

 アーサーは鬼鋸(キノコ)を慎重に鞘に納め、それから武鋸(タケノコ)を地面から引き抜いて同じように仕舞った。


「悪かったな。とっておきのその剣、折っちまって」

「いや……」


 ガッツは『折れていない』と言いかけたが念の為にツール(非公式)で確認すると、確かに数値上では折れるギリギリの数値を示していた。


「………コレは俺の戒めの為に取って置くっスよ。驕らないように、アンタを越えられるように、強くなる為に」


 ガッツは暫く折れた愛剣を見つめ、そして愛剣を光の粒子に換えて吸収した。


「ふーん。まぁ、修理したくなったら声をかけてくれや。鍛冶仕事は一通り修得してるからよ」

「えぇ……」

「あー……ダメにした時は、俺の剣一本やるよ」

「えぇぇ……?」

「ああ゛? 一本じゃ満足しねぇのか? 二本……三本も欲しいのか? 賤しんぼめ」

「いや、一本で十分スよ」


 少し茶化してみたが表情は晴れない。アーサーは先達として励ましてみる事にした。


「……負けたのが悔しいか?」

「そりゃそうスよ」

「俺に負けて悔しいと思えるなら、大丈夫だろう」

「あ? なんスか、どういう意味で?」

「どうもこうも悔しさをバネに強くなれるって事さ。"外様"が蔑称と思われるのは仕方がねえけど、お前らの自称"外様"と俺達が認めた"外様大名"は、似て非なるものだ」

「なん、大名?」

「"相互アクセス(遠征)"が可能なだけの弱者達と、一握りとは言え"CBBに脅威を覚えさせる強者を育成可能な環境を持った優良ゲーム"の違い、とでも言うか。"ソードオフ"は()の仲間内でも"外様大名(アウトサイダー)"として認識されている。強くなれるさ」

「………慰めのつもりかよ。結局、上から目線の説教じゃないスか。そんなの、聞いたことない」

「オフレコだもん。あ、考えたのは俺じゃねーぞ。文句があったら松千夜(マッチョ)に言ってくれ」


 松千夜とはCBB総合ランキングの現トップに君臨するプレイヤーの名前である。一流のゲーマーで他のゲームの配信や大会等での活躍により、その知名度は世界的に認知されていた。

 そしてその名前を聞いたガッツは、鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしていた。


「………かっ"格ゲー大名"スか……たかがCBBよか、よっぽど大物じゃないスか」

「たかがは余計だ」

「……でも………まあ、どこに居るのかも分からない大物に文句言える筈も無いし、うん……アンタの言葉はその…、アドバイスとして受け入れるよ」


 どうやら激励は届いたようで、苦笑いながらも表情は幾分マシになった。


「おう、そうか」シュボッ

「え? 今から吸うんスか?」

「一服だけさせてくれ。向こうにゃ、うるせーのが居るんだよ」ホワホワ

「へぇ……じゃお先に失礼」ブンブン

「……アイツも嫌煙家かよ」


 ガッツが煙を払いながら去った後、アーサーは神域と呼ばれる森の奥へ目を向けた。見える範囲だけでも巨大な樹木が何十本も立ち並んでいて、本当の奥地は物理的には見えていない。

 しかし、アーサーの超人的な感覚は、その最奥にいるであろう何かの気配を感じ取っていた。


「〜ッ……ハァー……………空気美味え」

「『美味え』じゃなくて早く戻れってお達しスよ」ブンブン

「まだ居たのか?」

「一応と思って審判(グレイシャード)にこの事伝えたら、あからさま不機嫌に連れて来いって」

「よりによってうるせー奴に伝えやがったな」

「え〜……」



 グラウンドに戻ると観客席の解体作業が既に始まっていた。観客も軍人が多いからか、規律正しくさっさと撤収している。

 ダラダラ(たむ)ろしている連中は、外部から呼んだ傭兵団の連中であった。


「興行的な側面が強いとは言え、たかが歓迎会で重軽傷者が半数以上。大事を取ってこのまま解散だが、後日、参加者にはアイズマン卿から褒賞が贈られるだろう」

「敢闘賞ってヤツッスね。俺が半年前に貰ったのは金一封だったっけな」

「ところでアーサー、どうやら貴様は五体満足な様子だし、後でアイズマン卿の執務室に来い。以上だが、質問が無ければ解散とする」

「一体何の用だ」

「覚えが無い訳でもないだろう。そうだ、後で人を遣ろう。忘れられては困るからな」

「……了ー解」

「ふぅ、じゃあな」


 溜め息一つ吐いてから立ち去るグレイシャードを見送ると、残された二人は互いに向き合い、別れの挨拶を交わす。


「じゃあまた近い内に」グッ

「またな」ガッ


 アーサーとガッツは拳をぶつけ合い別れた。

( @∀@)っ/ 今回も解説とかしようかな!

 次回が気になる場合は飛ばしちゃうのをオススメするよ!


 その2. CBBプレイヤー(松千夜)による他ゲーへの格付け


( @∀@)<この格付けを考案したのは"格ゲー大名"の異名を持ち、CBBの現役トップのプレイヤー、その名も"松千夜"という男だよ! その異名通り格闘ゲームを中心とした対戦型アクションゲームに精通する彼が、CBBに対する他ゲーの脅威度を独自に付けた目安だよ。


( @∀@)<以下は危険度の低い順に示した一覧だよ。


保養地(リゾート)/争いの無い別ジャンルのゲーム。主にほのぼの育成ゲームやクイズゲーム等


観光地(レジャー)/気を抜くと危ない別ジャンルのゲーム。主にレースゲームやリアルタイムストラテジーゲーム等


========危機意識の有↓無↑========

外様(アウト)/対戦型アクションゲームであるが大した脅威にならないタイトル。世間ではコレが蔑称として広まってしまった。


========= 要 注 意 =========

外様大名(アウトサイダー)/ごく一握りだけであれどCBBを脅かす勢力(タイトル)。ジャンルとしてはCBBと同じが多い。


譜代大名(インサイダー)/主に実銃の登場するFPSが該当する。CBBの中堅下位ではそんなに太刀打ち出来ない。


========†生 存 戦 争†========

守護大名(ソードブレイカー)/派手で高威力の魔法やスキルが多数実装されていて、CBBと違い遠距離攻撃手段に制限が無い。ハイファンタジー系の他に明らかに調整をミスしたバグゲーも該当する。CBBの上位勢にとっての好敵手。


戦国大名(ハートブレイカー)/文明がCBBよりも遥か彼方に位置するゲーム。巨大ロボや巨大怪獣、宇宙世紀の戦争ものの他にカスタムマシンAIバトル等が該当する。


======== ☆ ネ タ ☆ ========

黒船(パレード)/戦う以前の問題。キャラゲーの推しキャラに刃を向けるなんてとんでもない! 主にコラボする企業によるが、対戦型育成ゲームの可愛いキャラにとんでもないことが出来た際には、両社共に株価がとんでもない目に遭った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ