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C.B.B.NEW FACE  作者: 怠慢兎
第一章・顔合わせ
2/81

4.(・_・)ェ?ドコ、ココ?

 俺の名前は"アーサー・リッパースター"、ベータ版を含めて15年と10ヶ月の今日まで"(クレイジー)(・ブルータル)(・ブレード)"で活躍する古参PCだ。


 俺達4人は気がつくと森の中に佇んでいた。

 最初は混乱していたが、お互いの事は頭の中の"本体(オリジナル)"の記憶に残っていたので、最初こそCBBではお馴染みの挨拶(「こんにちは、殺す」)を交わしつつも、とりあえずはなんとかその場は治まった。


 同時に存在する筈の無い俺達が何故ここに居るのか? その疑問はアプデか何かでバグったのでは? で全員が納得しかけていたが、ここで初めて5人目の存在に気が付いた。

 その5人目の顔は、キャラメイク時のデフォルト顔をしていたが、すぐに顔の形が変化していくのを見て俺達に続く新しいキャラをオリジナルが作成しているのだと気付いた。

 つまり俺達は今、オリジナルの意思に関係無く自律行動をしているという事。

 ここで問題になるのが、生みの親に初めて対面する際に俺達はどう接すれば良いのかがわからない事だ。

 結局俺達は自然体で接しよう、後の事は後で考えようで意見がまとまった。


§


「という訳でコイツも俺達と同じく、オリジナルの入っていない唯一のユウくんだ」

「いや〜良かった〜、パッと見て弟みたいに可愛いのに、中身が生みの親だったらって思ったら複雑でどうなるかと……」

「中身おっさんのネカマ相手に知ってて『お姉ちゃん』とか言った時は全身の色素が無くなりそうなくらい笑いそうになったわwww」

「テメーの生やす雑草が伸び切る前に角刈りごと刈り取ってやるよ。ていうかオリジナルの居ないアタシは正真正銘の女だ!」

「ゲレレレレレレレレ」

「ともあれユウも俺らの仲間って事だ」

「はぁ……」


§


「それじゃ、腹拵えも済んだ事だし、今後の方針を決めるか」

「は〜?」

「なんでお前が仕切るんだよ」

「年寄り=リーダーとは行きませんよ?」

「てめぇ失礼だろ! 新顔に一番言われたくないセリフ」

「だが実際のところそうだろう。ユウは兎も角、俺達4人はそれぞれが実力を持って戦って来た戦士だ。ここは分かり易く一番強い奴がリーダーって事にするのが無難じゃないか?」

「パフ(棄権)!」

「じゃあ怪我の手当ては任せて下さい」

「アタシはリーダーって柄じゃ無いしパス、3人でやってくれ」

「パフゥ(棄権)!」

「しゃーねぇな、カールかイェンか、どっちからでも掛かって来なさい」

「ヤラねぇつってんだろ!」

「「「シャベッタァ‼︎?」」」

(ニヤリ)スゥ……


 最初に仕掛けたのはカール、インベントリから手の平に直接召喚した武器はツルハシ。

 左手一本の大上段からの振り下ろしをアーサーは一歩近付いて柄を右肩で受け止める。

 カールは左手をそのままに引いていた右手に今度は矛を握って突く!


 ゴキッ


「ク……ソ痛ぇな、これが現実ってヤツか」

「左手潰した程度で泣き言抜かすなクソッタレ」


 アーサーは左耳を切り裂かれ、カールは左手首を内側に向かって圧し折られた。


 ガラァンッ


「? 何事ですか?」

「クソッ、イェンがふざけるから手元が狂っちまったぜ」

「うわっマジか?! 手首から骨飛び出てんじゃん。痛そ〜」

「ツルハシの選択でも悪いとは言わないが、肩で柄を止められた時点で離しとけばそうはならなかったかもな」

「チッ、離したら離したで結果は変わらねぇよ。アレは俺ももっと近付いて腕を当てるべきだった」

「なら胸か鳩尾に正拳だな」

「その前に膝食らわしてやらぁ」

「ハイ、ストップ! 終わって駄弁るんなら、手当てしますね。ン!」

「?」

「道具無いので怪我した貴方の道具を下さい」

「ったく、これじゃ俺の負けになるじゃねぇか。クソジジイがリーダーかよ」

「てめぇ俺と3つしか違わねーだろうが」

「30越えたらジジイだ、痛ァ!?」

「32歳のオジイサン、道具下さい」ピシッ

「なっ?! く、骨にデコピンすんなゴラァ! オラッ使え!」

「回復スキルとかありませんが回復アイテムを使えば熟練度が上がる気がしますね」

「あぁ、だったら良いぃぃぎゃあああ!!」ガクッ


 体力と耐久性に優れるように育成されていたカールだったが一瞬で気絶した……


「お、俺は自分でやるよ」

「アーサー、ユウちゃんはまだペーペーなんだから経験値になっておやりよ」

「そうです。僕には戦う力すら無いのですから、協力して下さいね」

「リーダーオトコギミセドコロゥ」

「イェーン! 貴様もかぁ!?」

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