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C.B.B.NEW FACE  作者: 怠慢兎
第一章・顔合わせ
18/83

20.∑(゜Д゜)ドスーン

            |||||||ス

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1/11 盗賊全員死刑 → 盗賊頭は死刑、残りは懲役刑 に変更しました。

"幽遁・陣中憑拠(カースセンター)"・・・周囲に5人以上の敵が存在する時に行使可能。自身をベースに増援を産む。自動操縦不可。


 魔法が実装された最初の専用職業の一つ"忍者"。

 扱う忍術体系は"火遁"や"水遁"などの有名(メジャー)なものから、CBBオリジナルのものまでいくつか実装されている。

 中でもイェンが扱う"(スピリット)遁"は習得・操作の難易度が滅茶苦茶で、対となる"(ゴースト)遁"はAIによる自動操縦が設定されているのに対し、壁や地面に生やした腕や影分身の一つ一つを自ら操縦・制御しなければならない。

 その余の使い勝手の悪さに使い手と呼べるプレイヤーはほぼ居らず、公式発表でもイェン・タフォーと同等の幽遁使いはGM(ゲームマスター)のみとされている。


§


「御手柄だったな。まさか20人もの盗賊団だとは思わなかったが、それでさえ全員捕まえてしまうとはなぁ! しかも、一人でだって?」

「イェンは一人で6人分の働きが出来るからな」

「その6人も一人で3人分以上の働きをしていたようだな。まあ何はともあれ約束の報酬には勿論、色を付けさせてもらおう」


 あれから色々片付けた後、翌朝になって村長の屋敷に呼ばれたので赴いた。

 依頼を受けたその日のうちに解決したと連絡を受けて急遽、翌日の朝食にご相伴することになったのだ。

 献立はパンと一人一羽ずつの鶏の丸焼きにサラダ、デザートには村の特産品であるイチジクのドライフルーツだ。


「いやぁ、晩酌をして寝ようかという時刻にグレイシャードが訪ねて来た時は驚いたが、信頼する部下の言う事だから信じねばな。おっと、私は疑っている訳じゃないぞ?」


 白々しいが気持ちはわからなくもないから仕方ない。

 捕まえた盗賊達の内、盗賊頭は死刑で残りは懲役刑が確定した。死刑執行までに幾つかの 過程(見せしめ)を経るらしいが聞き流した。


「とにかく解決して良かった。こんなに清々しい朝食は久し振りだよ」

「そりゃ良かった。俺達としても報酬には期待しているからな」

「そうだ! 報酬と言えば、君の蒐集品(コレクション)を披露してくれるのだろうな?」

「……ああ、そう言えばそうだったな。でもアンタのコレクションの一部をチラッと見せてもらったが、ああいうのは無いぞ?」


 仮拠点として案内された家に置いてあった骨董品の事である。ああいう如何にもな壺や絵画も(鈍器として)無いこともないが、武器(メイン)のコレクションとは言えないから出すかどうかは保留にしている。


「ああ、アレか。借金の形で手に入れたは良いが私の倉庫には入り切らないし、当の持ち主が高飛()んでしまったので処分する分をあの家に置いていただけだ」

「確かに絵画や陶器など、まるで統一感がありませんでした」

「ホホゥ! 解ってくれるか?! 私は統一性を持って集められまとまった品々(コレクション)を愛でるのが好きでね? 他所のコレクションを共に鑑賞し、共感し、褒め称え合うのが趣味なのさ。今の流行りは果樹園の整然とした木々を品評……」

「つまりなんでもありなんだな」

「む、まぁそうとも言えるな。午後に時間を作る。それまで我がコールロア村を見学すると良い。そうだ、披露する部屋が必要だな? チッカ、後で第ニ会議室へ案内して差し上げなさい」

「畏まりました」

「内容によって彩りも鮮やかに変化するだろう。出来るのなら部屋を埋めてくれるだけでも構わんよ」

「了解した(・∀・)フフフ」

「………その自信に期待しよう、ん? もう食べ終っておったか、一体いつの間に? ユウ君、君達はかなり上等な教育を受けているのだなぁ。私ばかり話していて気付かなかったが、まるで一人で食事をしているかの様に静かだったよ」


 食事作法(テーブルマナー)本体(オリジナル)の影響によって、自然と無音を心掛けた動作を全員がしていたようだった。


「褒め言葉、ありがとう御座います」

「ふむ、全員綺麗に平らげてしまっているな、量が足りなかったのなら申し訳ないな。おっともうこんな時間か?! このチッカを付けましょう、用件は彼女に申し付け下され。それではこれにて失礼」


 シャイターン村長は腕時計を確認し、そう言うと部屋を後にした。

 それを見送ってから、ふくよかな女性が前に出て一礼した。


「申し賜りました、チッカと申します」

「じゃー早速だけど、この鶏もう一羽とサラダを倍にしておかわりお願いねー」

「俺も鶏とサラダおかわり」

「俺は鶏だけでいい、5羽くれ」

/(・Åo[6倍おかわり]o←ミニホワイトボード

「か、畏まりました……」

『お前いつ文字覚えたんだ?』

『寝る前』

「あ、あとついでにデザートももう盛って来てねー」

「はい、只今お持ちします」



「俺も腕時計しよっかな〜?」


 食後、チッカさんの案内で会議室に向かう道すがらにアーサーが呟いた。


「無くても体内(UI)時計で現在時刻は把握してるんじゃないですか?」

「それとこれとは話が違〜う。これから先は戦闘狂(ウォーモンガー)との戦闘だけじゃなく、商人(ゼニゲバ)詐欺師(ヤクザ)とかを相手にする事が増えると思ってる。俺達は評判と立ち振る舞いの総合判断で相手を見極めるが、ああ言う連中は見た目と手札の枚数で判断してくる。TPOに沿った意識を持つってこった」

「手札?」

「そうだ。戦場では最低限の手段で生き残り続けるが、交渉では最大限を見せずに手持ちのカードの価値を見せびらかすのが肝だと思ってる」

「肝……」

「今の俺は護衛に見えても商人には全く見えないように、ユウがお坊ちゃんに見えても医者には見えないだろう?」

「ム」

「ユウが尊重されるのも一人だけ暴力の臭いが一切感じられなくて話し易いように、結局、相対する者が同業者(カタギ)かそれに比肩する者で無いと話にならない」

「ん〜そこ断言するんですか」

「する。そんでもって矢面に立って話をして来た俺もまた、業者として比肩する者か否か、これから試されに行くんだ」

「お世辞にもカタギの人には見えませんね、実際ヤクザより過激ですし」

「そこは威厳があると言い換えられる」

「結局カタギもヤクザも変わらないじゃないですか」

「それもそうだ! HAHAHAHAHA」


「………」

「……………」

「……………」

「………ぅゎ………」

「………………………」

「……………………………………」

「……………………こちらの部屋が第二会議室となります」

「どうもありがとうございます」


 室内は四人掛けの長机が横に4つと縦に10は配置可能な広さがあった。


「うわぁ広いですねえ? 200人くらいは余裕で入れますかね」

「まぁ期待のデカさと受け取ろう」

「何か必要な物があればお申し付け下さい」

「うーん、そうだなあ……」

「じゃあオススメの美味しいお店とか教えて」

「はい?」

「え?」

「ん〜? いやだって、待ってる間は手持ち無沙汰じゃん?」

「え?」

「え? 手伝わないよ?」

「え?」

「俺も」

「コッココッコッココ」

『試されるのはアンタだけ、頑張れ』

(´・ω・`)ショボーン


 部屋に残ったのはアーサー1人だけだった。

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