表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/41

36


ぼくは力一杯戦った。視界が滲む。涙が止まらなかった。


敵はボス。戦い馴れた相手。何度も戦ったし、何度も勝ってきた。だからぼくはそう簡単には負けないよ。一対一ならね。


今、敵はたくさん。ぼくは独り。わかってるよ、勝てるわけないって。戦うなんてばかだって。

でもね。

ここはゴブリンの村。ぼくの村なんだ。

ぼくが負けなら、諦めたら、この村がなくなっちゃう。ゴブリンの村じゃなくなっちゃうんだ。


怖いよ。

勝てる気が全然しない。きっとぼくは負けちゃう。

負けちゃったら、どうなる?

ボスならきっとぼくを食べる。こんなにいるなら、ぼくは骨まで残らず食べられちゃうかな。

怖い。怖いよ。

ぼくは恐怖に震えた。涙が止まらない。

それでも、ぼくは戦い続けた。


出て行ってよ。ここはぼくの村。ぼくの住処なんだ。出て行ってよ。取らないで。

取らないで。 ここだけなんだ。ぼくのたったひとつの場所。



ここにだけ、ぼくの、顔も知らない親の匂いが、あるんだ。



大切な場所なんだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ