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今日は水の日。空から水が降って来る。
ぼくは良く晴れた風の気持ちいい日が好きだけど、水の日はもっと好き。だって、つるんころんに会えるから。
つるんころんは水の日にだけやって来る。どこからかなぁ? いつもは絶対見かけない。
でも水の日は必ずって言ってもいいくらい会えるんだ。
つるんころんはいつも戦わない。
ぼくは戦ったことあるよ。でもね、戦いにならなかったよ。あいつ、逃げてばかりなんだ。
それもね、すんごいんだよ!
ぼくが攻撃したら、しゅっって別の所にいるの!!
こう、殴りかかるとね、さっきまでいた場所にいなくなった!?と思ったら、そのすぐ側にいるんだよ!! もうびっくり!!
うえぇぇぇぇっっ!? いつの間に!? て!!
凄ぉく素早いの! どんなに攻撃しても逃げられちゃう。
そしてね、つるんころんは絶対攻撃して来ない。いつもぼくの近くに来て、ぼくの真似っこしたり、ぼくの後をついて来る。
だからぼくはつるんころんとは一緒に遊ぶんだ。
今日も、ほら、やっぱり来たよ。
今日は何をしようか。
あ~~あぁぁ。
水、終わっちゃった。
水が降って来なくなると、つるんころんはいつの間にか居なくなる。本当に素早い。
今日もさよならも言わず、どこかに消えちゃった。ぼくは今日もまた独りになった。
でもね。
水の日にはもうひとつ、ぼくの楽しみがあるんだ。
えーっと、どこかな。たぶんこの辺……。
あったあった。ふふふふふ。
ほら、きれいな花がいっぱい!
これもいつも、水の日にだけ見つかるんだ。どうしてかなぁ? 水が降る前には絶対なかったはずなんだけど。
まぁそんなのどうでもいいよね。あるものはあるんだもの。
ぼくこの花だあぁい好き。とっても甘いんだ。
今日も甘ぁぁい。
でも気をつけなきゃだめなの。
花を上手に摘んで食べると、なぜだか凄く眠くなっちゃう。一緒に草を食べるとそうでもないんだ。草は苦いけど、仕方ないよね。
前にぼくが花を食べながらうとうとしてたら、地面の下からにゅーーって触手が出て来て、ぼく、もう少しで捕まるところだったんだ。あれは本当に危なかったぁ。
たまたま飛んで来た小石がぼくの肩に当たって、痛くて起きたんだよ。助かったぁ。
小石って飛ぶんだね!? その辺の石が急に飛んで来ると危ないね。気をつけよう。




