22
おはよう。
ぼく、生きてました。
あれ? どうして?
ぼくは起きようとして、失敗した。力が入らないんだ。身体中痛い。ぼくはぼくの身体を見てみたよ。
あれ!? なんだろう、これ? 何か白い布が身体中ぐるぐる巻かれてる。ぼく、こんな布持ってたっけ?
くんくん。不思議な臭いがする。なんだろう。
でも嫌じゃないから、いいか。
……口の中苦い。うぇっ。変な物食べたかなぁ?
なんだかおかしい。なんか変。
でもぼくよくわかんない。…………まぁいいか。
ところで、ここどこかなぁ?
ぼくのおうちみたいに見えるけど、絶対ぼくのおうちじゃない。だって、壊れてない。
村にある建物は全部どこかが壊れてる。というより、どこかが残ってるの方が正しい。それは壁の一部分とかで、こんなふうに天井まできれいに残ってる物なんてひとつもない。
だから違うはずなんだ。
でも、じゃあどこ?
―――――考えてもわかんない。もういいや。
どうせぼくは今動けないんだし。考えたって、わかんないものはわかんないよね。
それよりお腹空いた。何かないかな。
ん!? なんだろ、これ、甘い匂い。美味しそう。ぱくっ。
ぼくは枕元にあった何かの実に齧り付いた。
甘いっおいしいっ。ぱくぱくぱく。
お腹が満たされると眠くなるのは生きものの性だよね。もう目が開かないよ。おやすみ~。




