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高いよおぉぉぉぉ~~
怖いよおおおぉぉぉぉぉぉ~~
ゴブリンだよおおぉ~~ぉ~~
ああ~~ 後がぶぃんぶぃんうるさい。
今ぼくは空を飛んでるよ。なんでかな?
思い出してみるね。
今日はぼくはお天気に誘われてお散歩……見廻りに出た。村の外まで。
ぼくはもう一ゴブリン前だから、このくらい平気なんだ!ところで
、一ゴブリン前って長いよね。一ゴブ前でいいかな。いや一ゴ前? いっそ思いきっていゴま!
いや何言ってるかわかんないね。うーん。
なんかぶぃんぶぃんうるさいなあ。ゴブリンが考えてるのに、静かにしてよー。ん? んん!?
んんんん~~~~!!
うわ~~~っ なんだこれええええぇぇぇっ
浮いてる? 飛んでる!? ちょっと待って、高いんだけどぉぉぉぉぉぉぉ~~~
いに"やああああぁぁぁぁぁ~~~ぁ~~ぁぁ
で 今ココ。
う~ん、全然わかんない。なんでぼく、空飛んでるの? それにさっきからうるさいこの「ぶぃんぶぃん」って何かな?
あ、後見てみればいいんだ。なんだ簡単じゃないか。では、くるっとね。
…………はい? えっと、どちらさま?
ぼくの後には見たことないやつ。硬そうな身体に尖った口、背中に羽が付いてて、凄い速さで動いてる。あ、だから飛んでるのか。よく見れば、ぼくはこいつに掴まってた。
なるほど。
やっとわかったよ。なぁんだ、びっくりした。
慣れてきたのかもう怖くない、というか結構飛ぶのって気持ちいいし、見晴らし良くて楽しいかも。うわあぁぁ。綺麗だなあぁ~。
ところでぼく、どこに行くの?
そろそろぼくの村見えなくなるよ。
あれ? もしかして、ぼく浚われた?
た、たすけて~~~っ
ぼく、えさじゃないよ~~~~~っ
ゴブリンだよ~~~~~~っ




