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Episode 4 白雪姫
ある城に白雪姫という雪のように白く美しい者がおり、城の妃は魔法の鏡を使い自分が世界一美しくなれるよう白雪姫を幾度に暗殺しようとするがことごとく失敗。白雪姫はとある国の王子と結婚し、妃が亡くなるところから物語は始まります。
妃「あぁ…白雪姫や……私はあなたに…………。」
灼熱で真っ赤に焼かれた鉄靴を王子の国の大臣に履かされ踊り狂いついに絶命してしまうのであった。
王子「あぁ白雪姫よ。これで僕と素敵な毎日を暮らせるね。」
白雪姫「えぇ。義母様の分まで幸せに暮らしましょう!」
白雪姫と王子様がお城で盛大なパーティーを開いている頃、妃や白雪姫がいたお城にて不穏な気配が漂っていた。
鏡「あぁあ…お妃様死んじゃったよ。せっかく良い玩具手に入ったと思ったのにな。また別の奴にとり憑かないとな。…お?この城から微かに憎悪が感じられるぞ。引き寄せるか…。」
なんと魔法の鏡には欲望や憎悪等負の感情のある者を惹きつける力があった。
魔法の鏡の力に引き寄せられたのはこの城の護りを任される騎士長であった。
騎士長「私は何故、今は亡きであろうお妃様の部屋に?」
自分でも何故この部屋に来ているのか分からないが身体が何かを感じて足を運んでいた。
鏡「やあ騎士長様。この部屋にご用かな?」
騎士長は鏡が喋ることに目を大きく開き驚愕する。
騎士長「…な!?鏡が喋るだと?」
鏡「ボクはキミより長生きでお妃様にも長くお仕えしてきたよ?魔法の鏡が喋るのは可笑しいことかい?」
騎士長「く…気味が悪い。すまないが退席させてもらう!」
クスクスと笑う鏡に恐怖を感じた騎士長は部屋を後にしようとする。
鏡「ボクは何でも知ってるよ?前々のお妃様の大切な白雪姫を守れなかった事、前のお妃様もこうして亡くなられた。城の者を護るはずの騎士長様が誰一人として護れないなんて屈辱的だよね。」
騎士長「黙れ!鏡の貴様に如きに何が分かる!」
騎士長は物凄い剣幕な表情で鏡に詰め寄る。
ニヤっと鏡は笑うと騎士長に語りかける。
鏡「いやボクには分かるよ。キミはとても優秀だ…。優秀なハズのキミが護れないわけ無いんだ。キミならとても屈強で王国最強の力があるんだから。」
鏡は更に続ける。
鏡「キミの力があれば白雪姫はこの城に戻るさ。それに美しい新しいお妃様を王様の為に迎えればキミは英雄だよ。」
騎士長「この私が…英雄?」
始めは鏡の話など全く気にせず聞く気も無かったはずなのに、もう鏡の話すことしかまるで頭に入らない。
鏡「そうだよ?ボクとキミが力を合わせれば今まで以上にこの城は素晴らしくなるよ。フフフ…僕は魔法の鏡さ。聞いてごらん?君の願いを、欲望を…。」
そして騎士長は鏡の魔力に取り憑かれてしまったのである。
騎士長「鏡よ鏡……。世界中で一番強く逞しいのは誰だ?」
鏡「それは勿論騎士長様…アナタです。」
騎士長「鏡よ鏡……世界中で一番偉大な国は何処だ?」
鏡「勿論この国にございます。ですが白雪姫様のいらっしゃる王子の国がもっと素晴らしい。何せ白雪姫様がいらっしゃるのだからあなた様があの国から護らないと。」
騎士長「…そうだ。私は王様やお妃様の大切な白雪姫様をあの王子がいる国から取り戻さなくては!」
鏡「あの王子はこの国に仇なす暴国です。白雪姫様を迎えて我が国を潰そうとしているに違いありません。」
騎士長「そんなことはこの私がさせん!!全軍を率いて我が国を討たんとする暴国など滅ぼしてくれる!そして白雪姫様をお救いするのだ!!」
騎士長が勢いよく部屋を飛び出して行くのを見た魔法の鏡はニヤリと笑う。
鏡「これでまた欲望に溺れる者が見れて楽しい毎日になりそうだ。」
騎士長は王様に進言して国の全軍を率い、隣国にある王子の国目指して進軍し始めたのであった。
つづく?