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エピローグ -ケーキとハプニング-

その日の放課後、燿子の快気祝いを学食で行うことになり、焔も参加することになっていた。

しかし、乾杯してすぐに少し用があると席を立ち、校舎裏に向かう。

焔が来ると、そこには呼び出していた京太郎が待っていた。

「遅えぞ」

「堅いこと言うなよ。10分と23秒しか遅れてないぞ」

京太郎は渋い顔をしたが、文句は言わずに「用は何だ?」と話を進めた。

「学園内で噂を調べてほしい」

「噂?」

「そう。正確には、そういう噂があるかどうか、だ」

「なんだよ、仕事の話じゃないのか」

「それは昨日新しいのを回しただろ」

現在、京太郎は焔に以前より稼ぎのいいバイトを紹介してもらい、妹の治療費を稼いでいる。

「有力な情報が得られれば報酬は出そう」

「どんな噂だ?」

「『喋るピエロ人形』」

「はあ?なんだそりゃ、学園七不思議か?」

「ん〜、そんなところかもな。そのピエロは自分を“解答者(レスポンサー)”と名乗るそうだ」

「よくわからん」

「俺もだ」

「まあいい。当たってみる」

「頼んだ」

それだけ頼むと、焔は校舎へ戻る。

学食に戻る前に、今度は別の待ち合わせ場所へ向かった。




「それでね、そのとき燿子が……あ、焔。遅かったじゃない」

「あぁ、悪い。実はスペシャルゲストを連れてきたんだ」

「ゲスト?」

「やぁ、こんにちは」

焔の後ろから姿を現したのは、フェリシアと刀那、刹那の3人だった。

「フェフェフェフェリシア先輩⁉︎」

「燿子が退院したと聞いてね。お邪魔しても?」

「もちろんです!あぁ、フェリシア先輩が私の名前を呼んでくれた⁉︎」

ミラが気を効かせて燿子の隣を開ける。

隣に座ったフェリシアに燿子は目をくるくるさせながらハイテンションになる。

「なによ、粋なことするじゃない」

「ちょっとしたサプライズさ。椅子を増やそう」

席を増やし、9人でテーブルを囲む。

フェリシアに連絡先を教えてほしいと言われた燿子は「ひゃっほう!」とか叫びながらご機嫌な様子だ。

「刀那先輩と刹那先輩まで、本当にありがとうございます!」

「いいえ。こちらこそ喜んでくれて嬉しいわ」

「…元気そうでなにより」

今日だけと言いながらケーキをお代わりし、たっぷりとフェリシアと話した燿子は幸せそうな様子だ。

「〜〜〜♪」

「幸せそうだな」

「写メっときましょう。待ち受けにするわ」

「あとで怒られるよ…」

燿子の珍しい姿にミラたちも面白がっている。

「ふふっ」

フェリシアの隣、テーブルの端でやや手狭に座っていた焔にフェリシアが身体を寄せてくる。

「私はこういうのは嫌いじゃない」

「よかったよ。いよいよ本格的にファンクラブを潰そうとしているみたいだったから」

「親衛隊が先だな」

「あ〜、あのヲタ芸集団か」

冗談を言い合う2人の姿は恋人同士にしか見えない。

そこへ、生徒会の腕章を付けた生徒がやってきた。

「捜しましたよ会長。今月の部費の申請書が……って貴様!また会長にそんな…!」

現れた不知火縛羅は、超至近距離でいちゃいちゃする焔とフェリシアを見て一気に沸騰した。

「誰が認めると言った!さっさと会長から離れろ!」

「悪いがフェリシアのパパには挨拶済みでね」

「ぐっ!」

空気をぶち壊された焔は皮肉全開で返答し、フェリシアはぶすっと頬を膨らませ、音を立ててジュースを啜った。

突然の事にミラやハークは怪訝そうな顔で焔と縛羅を交互に見比べ、燿子はちゃっかり3つ目のケーキを刀那にあ〜んしてもらいながらもぐもぐしている。

「こんな軽薄な男のどこが……もう我慢できん!鬼城焔!」

縛羅はビシッと焔に指を突きつけて言い放つ。

「貴様に決闘を申し込む!」

「オイ、これ毎月シリーズ化するんじゃないだろうな…」

焔は嘆くように天を仰いだ。




- To Be Continued -

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