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第51話 地竜退治、その前に

申し訳ありません、体調不良を起こし、本来ならばあと3000文字ほど書けた筈だったんですが、無理でした。

念の為に、明日の投稿をお休みします。

作者の勝手な理由で読者の方々に御迷惑お掛けしてしまい、真に申し訳ありません。

短いですが、どうぞ。

ブックマーク130件越え、ありがとうございます。

 



 地竜とは、空を飛べない竜種の事を指す。


 危険度でいえばユーリやアキラの倒した焔竜の方が危険度が高い、かの空を駆ける竜種は空を自在に飛ぶ事で縦横無尽に攻撃を一方的に繰り出せるアドバンテージを持っているからだ。


 対する地竜は焔竜と違い大地を縦横無尽に駆けるほどの速度を駆けられる訳でもない。


 鈍重で鈍足な災害指定種、しかも滅多な事では人里に下りなければ攻撃的な訳でもない。


 だからといって、地竜の危険度が低いという訳ではない。


 災害指定種とされているのは、過去何度か地竜の縄張りに侵入した冒険者をそれこそ地の果てまで追い続け国を衰退させた実績を叩き出したのは、竜種の中でも地竜くらいのものである。


 かつての勇士や冒険者がどうやってこの地竜を倒したのかといえば、犠牲覚悟で継続して地竜に攻撃し続け、1週間かけて倒した実績が過去1件あったのみである。


 地竜の特徴は鈍重で鈍足なのではなく、その異常な程の防御力だ。


 たとえ都市を一瞬で蒸発させるような強力無比な魔法でもこの地竜に掛かれば小石を投げられたようなものであり、焔竜の『対魔法防御』を遥かに超える代物といえよう。


 そんな一度起こせば破滅を招きかねない竜種をワザワザ呼び起こした魔王(ユーリ)はといえば、暢気に地竜が自らの担当している領域までだらりと休憩していたのである。


 サンドウィッチを片手に鈍足な地竜を眺めながらもう一方の片手で果実ジュースを飲んでいる姿は場違いな遠足にしか見えず、ついさっき地竜を呼び起こしたふざけた(・・・・)を聞いた勇者(アキラ)は肉体的、精神的に疲れたのか座り込んでいた。


「確か錬金術だと地竜の心臓を使って竜と同じくらいの寿命を手に入れられる霊薬が作れるってあったけど……当時の錬金術師って地竜を簡単に殺せる戦闘能力でもあったのかな?

 制限した俺でも心臓壊さないとちょっと殺せる気がしないんだけど」


 不安に駆られる言葉を呟くユーリにアキラが『どうしてこうなった』とぼやいていた。


 天の竜と地の竜が揃った方が良いと笑ったユーリに何度も加減を覚えろといってきたアキラもこればかりはどうしようもなく頭を悩まされた。


「地竜の事はアマリア教国にいた時に本で読んだ事がある、あの竜は1週間かけて都市をいくつも犠牲にしながら勝った正真正銘の災害だ。

 いくら高位冒険者がいようと、この中から犠牲者が出る恐れがあるんだぞ?」


「へぇ、そうなんだ?

 俺はそんなに強いとは思わなかったんだけどな……やっぱ寝込みを襲ったからかな?」


 これから起きるだろう事態を説明してもユーリはよく分かっていないのか、首を傾げるだけである。


「…んー、まぁ、アッキーが必死なのは分かったよ。

 この地竜クンについては俺が全力で戦うとするよ。

 幸い魔獣もかなり減ってるし、他の魔法をこっそり使ってもバレない程度には前線にいるからね。

 ヒューマンいるしドワーフ、エルフ、獣人もいる。

 ちょっとばかし不思議に思われるかもしれないけど、まぁどうにかなるんじゃない?」


 よく分かっておらずに全力で戦うと言われても不安しかないアキラだったが、その言質を取れたというだけでも十分な成果といえた。


 あとは自らも協力して地竜と当たれば、何とか無駄な犠牲を多く出さずに済むと思うと、頭痛も少し引いていた。


「…さて、それじゃあのんびりしてる場合じゃないね。

 サクーっとあの地竜を狩っちゃおうか。

 アッキー、バレないように魔法使ってよ、どうせ混戦になるんだ、最低限気をつけておけばいい」


「了解だ、そうさせてもらうとしようか。

 あとユーリ、お前ハロルド氏とエルライド王子に怒られる覚悟しておけよ?

 間違いなくあの2人怒ってるだろうからな」


 何度も怒らなければユーリには理解出来ないだろうから、きっとアキラの予想したとおりの状況になるだろう。


 アキラは地竜と戦う恐怖よりもむしろ2人に怒られる恐怖が勝ったのか、『どうしてそうなるの』と気の抜けた声を出すので精一杯だった。


「本人に聞くんだな、俺が言っても分からないんだ。

 もっと効き目のある人物に言ってもらった方が良い薬になるだろう。

 精々怒られるんだな」


 恒例の説教タイムが決定したとの事実を知って一気にテンションが下がったのか、


「……うぅ、調子乗りすぎた」


 とようやく事態の重さに気付くのだった。





読んで頂き、ありがとうございました。

感想など、お待ちしています。

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