第01話 異世界へ転生しました?
短いです、次は12/21、0時投稿です。
起きた時、見慣れぬ天井が見えた。
どこかホコリ臭い部屋で目を覚ました俺は、辺りを見回した。
石…あれはレンガか、レンガ調で作られて柱の木が若干腐っている気がする、なんか撓ってないか?
……ていうか、なんかおかしくないか?
そうだ、俺は病院から帰ろうとしていた時、何かが身体に当たった…んだと思う。
その後俺はどうなったんだ?
病院の敷地付近だったんだ、すぐに手術されたはずだ。
はずなのに…なんで俺の身体は動かない?
まさか全身を強打した所為で全身麻痺か!?
でも…やっぱりおかしい、あの病院は全部白コンクリートの病院だった、こんなホコリ臭いレンガ造りの病院じゃなかったぞ。
そういえば、どこか物が大きく見える気が―――、
「まぁっ、もう起きていたのねっ!!」
女の声が聞こえる、看護士か?
これは何か一言言ってやらんと。
「おおっ、起きたか、俺達の子がっ!!」
今度は主治医か、なんか若くて変なこと言ってるぞ、『俺達の子』って…誰のことだ?
別の患者か―――って、ええっ!?
「ははっ、見ろカルラっ!!
俺達の愛の結晶だ、可愛いなおいっ!!
鼻の辺りは俺そっくりじゃねえか?」
「ちょっとライル、あなた赤ん坊の持ち方がなっていないわっ!!
そんな持ち方をして…私達の子供の首が絞まってるじゃない!!」
主治医…無精ヒゲを生やしたイケメンが俺を持ち上げた。
ちょっと待て、俺は確か身長171センチで体重は痩せてるが50キロ弱になんだぞ、それを片手で持ち上げるってどういうことだ!?
しかもこの主治医、襟元掴んで首が絞まってやがる!!
看護師のお姉さんは主治医のおっさんから俺をひったくる…ひったくられたぞおい。
もうだめだ、もう何が何やら…しかもなんか目線がおかしい。
見た感じ、主治医のおっさんの身長は180センチ強で看護師のお姉さんは160センチ前後だ。
だとすると、俺は自分より背の低くて華奢なお姉さんにひったくられたのか?
「あら、この子我慢強いわね。
てっきり泣くと思ったのだけど。
我慢強い所はライルに似たのね、男の子はそうでなくっちゃね。
ちなみに、顔の作りは私にそっくりね、将来すごい美形になるわね」
「将来は一緒に冒険者になって家族で依頼を受けたりしてみたいな。
俺達の子だ、あっという間に有名になるぞ」
「けどライル、この子はきっと辛い思いをいっぱいするわ。
あなたはヒューマン、私はエルフなんだもの。
ハーフはどの種族からも蔑視されているわ。
もう街には知られてしまっている、ここにはいられないわ」
冒険者…ヒューマンに、エルフだと、どういうことだ?
まるでファンタジーだ、不明瞭すぎる、説明を要求しようと口を開けて声を明けようとした。
「あーぃ」
…………は?
「だぁーあぃーあぶぅーっ!!」
ど、ど、どういう……どういう?
「ああ、ごめんなさいねユーリ。
お母さん達怖い顔しちゃって、ほら、もう大丈夫よ、ねー?
…ほらライル、ユーリの誤解を解きなさい」
「うおあっ!!
悪いったなユーリ、父ちゃん達の顔が怖かったんだよな?
もう大丈夫だぞー、怖い顔はどっかいったからなー?」
ユーリだと、俺の名前は葵だ、女っぽい名前に思えなくないが、れっきとした男子だ。
ユーリなんて名前、俺は知らない。
それにお母さんに父ちゃんだって?
看護師と主治医じゃないのか?
って、良く見たら看護師のお姉さんは銀髪で耳がとがっていて、主治医のおっちゃんは金髪の西洋風な顔だ、なのに日本語話しているとか違和感しかねえ。
……ちょっと待て、この状況、心当たりがあるぞ。
時代錯誤な建築物、おかしな視点、そして語りかけてくる俺とは違う名前。
…おいおい、まさかこれって、
「ふぃーじー」
て、転生…しかも、異世界転生しましたか、俺は!?
読んで頂き、ありがとうございました。