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第11話 新たな自分、検証

次は、18時投稿です。

イヴですね…。

 



 母さんが死んでボッチになったユーリだ。


 1週間ほど泣いたり喚いたり自傷したりしてようやく落ち着いた。


 それから俺は足りない頭を絞って色々と考えた。


 母さんの教えてくれた『物語』を調べ、帝国―――ガスターク帝国の情報を得ようとしたのだが、問題が発生した。


 情報って、どうやって調べればいいんだ?


 前世でいうなら、ゲーム的な考えだと情報屋という情報を専門に取り扱っている人間がいることは知識としてはある。


 だが、それがどこにいるのかはさっぱりだ、俺は前世では電子機器(パソコン)における情報収集技術には自信はあったが、いざ自分から行動するとなると勝手が違うので考え付かなくなってしまったのだ。


 そこで俺は手持ちの魔法で何か出来ないかと把握することにした。


 母さんを魔核にしてそれを吸収したあと、何か聞こえた気がするんだが、意識が落ちてからは父さんを吸収した時と同じでステータスが変わっていた。


 それが、これである。




 ――――――――――――――――

 名前:ユーリ

 種族:ハーフエルフ

 称号

 受け継ぎし者

 秘術継承者

 灰銀の魔王

 性別:男

 年齢:10

 魔法適正値

 火:75

 地:75

 水:100

 風:100

 無:75

 樹:100

 闇:100

 空間:100

 ――――――――――――――――



 おいおい、なんか見慣れない魔法とか称号がちらほらあるんだが、特に驚いたのは魔法の適正値だ。


 なんだよ、この100っていう数字は、つまり俺ってば母さんからの力を受け継いでこんな事になってるっていうのか?


 もうこれ間違いなく人外(バケモノ)だろう、なんか称号に【灰銀の魔王】とかいう怖い称号ついてるし、魔王だってさ、はは…ははは…はぁ。


 んでもってもう1つの称号、【秘術継承者】はたぶん母さんに教わったあの術の事を指しているんだろう、もしかしたら、母さんも魔王の称号を持っていたのかもしれない。


 秘術の継承者こそが魔王の称号を得ることなのかと思ったが、正直、このステータスはやばすぎる。


 このステータスは基本本人しか見ることは出来ないが、無魔法には【解析】という魔法があるんだよ。


 読んで字の如く、まんま相手のステータスや情報と解析する魔法だ。


 俺も使えるが、基本的にそこまで使う事は無い、やっても薬草採取と魔獣の名前を見るくらいだ。


 使用者次第だが、たとえ格上のステータスでも読み取れるとの話だから、このことが知れると間違いなくやばいだろう。


 しかも一番低くても魔法の適正値が75なんだ、今の俺の魔力なら、ラザニアくらいの街なら簡単に消滅できるぞ、チートはいけないと思う。


 そこで俺は山の山頂に登り、どんな魔法が出来るのか確かめてみることにした。


 まずは低い方から火魔法だ。


 正直俺は山と森で暮らしていたから、火を起こすくらいしかしてこなかったから火魔法はあんまり使っていない。


 精々が火の矢とかファイヤーボールとか、火柱上げたりするくらいだったが、適正値75になると出来る幅が一気に増えた。


 結論からいこう、プラズマ出た。


 いや、なんかさ、どこまでいけるか試してみたら炎からバリッバリいうのが出てきたんだよ。


 えっと、プラズマって確かあれだよな、オーロラとか太陽とかの話で出てくる、あれだろ?


 果てはエネルギー関係で原子核融合とかですごいとしか俺は覚えていないんだが…どうしよう、帝国すぐにでも滅ぼせそうじゃねこれ?


 い、いや、まだ安心は出来ない、次は地魔法だ。


 地魔法は生活面で色々役に立ってくれた。


 何しろ竈作ったり、パン窯作ったり、鍛冶モドキな事をしてた頃は地中深くにある鉱物を探知して掘り起こしたりして簡単な刃物とか作ってたからな。


 多分このエルブレア山には目ぼしい鉱物無いんじゃないか?


 戦闘では母さんとの模擬戦闘で風の鎧を破られた時に地面から高密度の鉄で盾を作ったりと、それはもう大活躍。


 風魔法の次に戦闘では使っていたくらいだ、どこまで出来るのか楽しみだ。


 さすがに火魔法ほどにはならないとか思っていたが…甘かった。


 地震起こしました、連鎖的に山津波起きました、山が半分崩れました。


 …天変地異起こせるレベルじゃねえかよ、しかも魔力的にあと3回は使えそうだし、さすがに緊急時以外では使わないことにした、被害が大きすぎる。


 森の連中から恐ろしいほどの大ブーイングの嵐で頭が痛い、ごめん森の皆、よく考えずに全力でやっちまってごめんなさい、あとで植え直すんで、勘弁してください。


 その日は崩れた山を戻して、埋まった木々を植え直したりして一日は終わって、次の日また再開した。


 次は無魔法、普段は解析と身体強化しか使ってこなかった魔法だが、これは母さんが無魔法の事を知らないので完全に我流となっている。


 さっきの火魔法と地魔法は分かりやすかったから我流で済んだけど、無魔法はいまいちよくわからない。


 ヒューマンの種族特性ってなんだよと思い全身に魔力を巡らして何が出来るのか試してみたら、不思議な事が起きた。


 爪が伸びたのである、いや、爪は伸びる物なんだが、その伸びようが有り得ない位に伸びている。


 なんというか、刃物みたいに鋭い凶器になっていた、魔獣の爪並みに鋭くて硬い。


 …もしかしたらと思い、俺は今度は髪の毛に集中して魔力を送ってみると、予想通り、髪が伸びた。


 さらに想像を飛躍させて俺は次に魔力を()に向けてみた。


 イメージとしては、前世の俺のような丸びを帯びた、福耳もついているような普通の耳だ。


 身体強化の更に延長、肉体を『変質』させることも可能なんじゃないかと思いやってみると…出来た。


 俺は慌てて山を下り森の中にある湖へといくと湖面に映っている自分を見た。


 そこには、ヒューマンとしての俺の姿が映っていたのである。


 便宜上、俺はその魔法を『変化』と名づけた、さすがに変質だと化け物の様で気分が悪いからだ。


 だがさすがにこの魔法にも限度はあるらしく、身長を父さんみたいに伸ばすことは出来ないし、体重を増やすことも出来ない、何より顔を変える事は出来なかった。


 あくまでハーフエルフとしての特徴をヒューマン、またはエルフにするまでの魔法だが、俺はこれで


 ハーフとして蔑まれない選択肢を得られたのだ。


 ヒューマンの格好をして犯罪行為に走っても、エルフに変化すればその場から逃げ果せる事が可能になったな…まぁ、進んで犯罪行為には走らないが、逃亡手段は確保できたな。


 無魔法についてはまだ謎が多いので、何か出来ないのかと考えてみると、試しにステータスを開いてみた。


 解析の魔法をせずに自分のステータスは確認出来る、だが、このステータスに解析をしたらどうなるのだろうかと思ったのだ。


 結果、こういう事になった。





 ――――――――――――――――

 名前:ユーリ(葵・三峰)

 種族:ハーフエルフ(人間)

 称号

 受け継ぎし者…愛された者に贈られる称号、対象の魔法適正値を魔核の元となった存在の適正値を引き継がせる


 秘術継承者…古の秘術を継承した者に贈られる称号、対象の魔法適正値をランダムに最大(大)まで上昇させる


 灰銀の魔王…魔王の資格を得た者に贈られる称号、特異魔法【闇魔法】を獲得し、闇魔法の魔法適正値を(極)まで上昇させる


 性別:男

 年齢:10(35)

 魔法適正値

 火:75(A)

 地:75(A)

 水:100(S)

 風:100(S)

 無:75(A)

 樹:100(S)

 闇:100(S)

 空間:100(S)

 ――――――――――――――――




 ……うん、もっと魔法に興味持たないとやばいな、8年も見落としていたのはさすがに無関心過ぎて困るぞ。


 なるほど、前世の名前とか年齢、それに適正値のランク、あとは称号の詳細情報か…なるほど、解析ってこういうこと使えるんだな。


 …あれ、ならこのステータスを魔法で見れるっていう事は、魔法でどうにか出来るんじゃないか?


 そう思って、俺は自分のステータスに魔力を流し込んでステータスを改竄出来るか試してみた。


 すると、さっきまで化け物クラスだったステータスに変化が起きた。




 ――――――――――――――――

 名前:ユーリ

 種族:ハーフエルフ

 性別:男

 年齢:10

 魔法適正値

 火:5

 地:5

 水:5

 風:5

 無:5

 樹:5

 ――――――――――――――――




 おや懐かしい、適正値5のゴミクズだった頃になってるじゃありませんか。


 ステータスの改竄、いや偽装か、これはすごい発見だ。


 本当に適正値が5になった訳じゃなく、解析せずに普通に自分のステータスを見てみるとやはり化け物ステータスが映っていた。


 つまり、解析の魔法を誤魔化す事が可能だと証明されたのだ。


 すごいな、世紀の大発見じゃないかこれ、俺ってば頭良いなぁ……虚しくなるからやめよう。


 うん、化け物ステータスの対策はこれでどうにかなったし、魔力次第でどうにかなるだろう、次だ。


 ついに適正値100の魔法、水魔法だ。


 どこまで出来るのか正直想像できない、常識外れなのは火魔法のプラズマから始まったが、この魔法はどこまでやらかしてしまえるのだろうか。


 水魔法魔法は基本回復専用だ、風魔法や地魔法みたいにいくらでも応用が利くのはわかっていたが、俺には嫌な思い出があった。


 人間の体は何で出来ているか?


 そう、水である。


 簡単にいうと、血液を操る事も可能なんじゃないかと思った俺は、適正値がまだ50だった頃、自分の指先を切って魔力を巡らせた。


 血の流れを完全に操作して血を操れば、戦闘時怪我を負った部分から相手に不意打ちをする事や、毒を探し出して排出する事も可能なんじゃないかと思ったのだ。


 結果は成功…に見えて、とんだ大惨事となった。


 魔力で操った血液が指先から俺の意志で動いてまるで生き物のように動き回るほどに、俺の魔法は成功していたんだ。


 いたんだが…俺はそこで調子に乗ってしまった。


 いや、どこか俺の中にあった『中二心』というのが叫び声を上げて、暴れたのだ。


 正確にいうと、『血液がどこまで出来るのか』を実験してしまったのだ、それもこの洞窟(いえ)で。


 ウォーターカッターの仕組みを応用して血液を刃物にし、高圧縮すれば鈍器となり、また盾となった。


 しかも形状は液体なので、千変万化、まさに中二を体現したかのような武器だ。


 が、俺の快進撃、もとい、自爆劇はそこで強制終了となった。


 人間の体からどれだけの量の血液が抜ければ死んでしまうか、知っているか?


 答えは体重の3分の1とされている。


 俺は自分の血液がどれだけ減っているのか気付かず、身体から血液を流していたのだ。


 それが3分の1間近になった時、俺の意識は暗くなりその場に倒れた。


 次に起きた時、目の前には真っ青になった母さんが涙の後を残して俺のそばにいたのである。


 それからはすごかった、この世界に来てはじめて母さんに怒られた。


 帰ってきたら洞窟(いえ)は壁から天井まで血がたれ落ちている地獄絵図となっていたみたいで、すぐそばには俺が倒れている、まぁ、はたから見たら襲われたんじゃないかって普通思うわな。


 けど俺には外傷が無い、不審に思った母さんは俺を素っ裸にして怪我をしていないか調べてみると、指先が深く切った痕があったので、俺が何か魔法を発動中に何か失敗してあのような惨状を起こしたのだろうと推測したのである、まさに名推理だ。


 事情を説明すると更に雷が落ち、泣き崩れる母さんを見て、俺は水魔法を攻撃に使う事を控えるようになったのだ。


 それ以来、水魔法の攻撃魔法は使っていない、するのは回復と魔獣の血抜きだけだ。


 だが、これからはそうはいっていられない、特に水分というのは足りなくなると脳に異常をきたすケースが多い、熱中症が良い例だな。


 自分の血液を操る事は絶対にしない、これは絶対だ。


 となると、水分という大枠ではなく、水を操作するという事に限定しないといけない。


 それならば、大気中の目に見えない水分を操れないかと試してみた。


 頑張り過ぎた、雨降り出しちゃったよ。


 しかも一度降り始めたら魔力使わなくても延々と振り続けている、止む気配が無い。


 やばい、土砂崩れ起きたらどうしよう。


 再び森と山の連中から大ブーイングがきた、水が多すぎるのでいい加減止めろといわれた。


 だが俺には止める手立てが無い、仕方なく俺は地面に染み込んでいる水分を抜いた(・・・)


 しかし、またやり過ぎてしまった。


 今度は水分を抜き過ぎて土がまるで干上がっている様なレベルにまでなっていたのだ。


 本気でやれば、俺は砂漠に雨を降らす事も、また緑ある大地を砂漠にする事も出来るんじゃないだろうか?


 いい加減にしろとの大ブーイングが起きたので、その日は実験を止める事にした。


 次の日、降らした雨も止んで空には雲1つ無い良い天気となった、良い実験日和だ。


 そういえば俺思い出したが、樹魔法を無意識に使って森や山の連中と会話出来ていた。


 さすが適正値100だな、けどこの森と山の連中は年寄りが多くて、話が長い。


 挨拶だけして他の魔法の実験に移る事にした。


 次は風魔法、俺が最も使っている魔法だ。


 この魔法なら自信がある、前みたいにプラズマ出したり地震起こしたり大雨起こしたり干上がらせたりはしない………はずだ!!


 そしてどこまで出来るのかやってみたところ…雷が落ちてきた。


 比喩じゃなく、本当に、真っ青な天気の中周囲に轟音が響いた。


「や、やたった…やらかしたよまた」


『わざとか?

 ユーリ、お前さんワザとやっているのか?』


『カルラにある事無い事言ったのを怒っているのか?』


『あら、そんな事をしていたの?

 わたしはカルラに修行をサボって寝ていた事をちゃんと報告していたけど、貴方達そんな事していたの?』


 山の連中が騒がしい、悪かったよ、ワザとじゃないからホント黙っててくれよ。


 あとアバルの木は問い詰める、母さんになんて事チクってやがる!?


「次はちゃんとやるって、規模をこの場所に限定すれば、もっとうまくいくはずなんだよ」


『『『がんばれ~』』』


 山の連中の応援を背に、もっと小規模な雷が出来ないか試してみた。


 いや、だって何億ボルトもの電圧をその身に受けたくないし、なんというかこう、回転させて……あ、


「ま、またプラズマかよっ!?」


 やってしまった、火魔法で出たプラズマが、ここでも出てきやがったよ。


 原因は何となくだが解かる、つまり雷の熱量(ジュール)がプラズマを発生するレベルまで発現したという事だ。


 …あれだな、前世の宇宙映画を観た時に悪役が使っていた技に、雷を放つっていうのがあったが、今ならいける気がする。


「………えい」


 雷…いや、プラズマがアバルの木に目掛けて襲いかかった…というか、意趣返しに襲った。


『ひぃいいいいいっ!!』


 当然だが直撃はさせていない、悲鳴が上がっているならそれで満足だ。


 けど、さすがに魔力消費がバカにならない、一気に使い過ぎた。


 まぁ、どこまでやれるか実験中にやっている事だから、魔力の効率なんて考えても無かったしな。


 ちなみに、雷については水魔法の魔法と組み合わせると更に効率よくなった、水分さんお疲れ様です。


「さて、ここからはもうなんと言っていいやら。

 闇魔法、それに空間魔法ねぇ……」


 闇魔法なんていかにも悪役が使っていそうな魔法だ、魔王の資格のある者に与えるっていう事は、母さんもこの魔法を使っていた事があったっていうことか?


 …母さんが使っている所が想像出来ないんだが、まあ好んで使いたくなるような魔法とは思えないしな、死蔵していたんだろう。


 そして実験しようと思ったんだが、おバカな俺は疑問にぶち当たった。


 闇とは何ぞや?


 ゲーム的な考えになると、ダークネスなんチャラとかダークボールとか…あ、そうそう、死ね(デス)とかあるよな。


 …そうだ、こんな時こそ解析だ!!


 俺は自分のステータスにある闇魔法を解析してみた。



 ――――――――――――――――――――



 闇魔法:闇に関連する魔法を可能とする。



 ――――――――――――――――――――




 はい、残念な情報来ましたー。


 なんだこのやる気の無い情報は!?


 闇に関連って…関連ってなにさ、オイ!!


 それが解からないから困ってるのに、大雑把過ぎるだろうこの解析結果は!!


 そのあと魔力を更に込めて解析をしてみたが、この結果が変わる事は無かった。


 となると、自力で考えるしかないのだが…ゲームじゃないとなると闇魔法ねえ。


 闇に関連した魔法か…そういえば…、


「影とかって、闇に関連してるか?

 あと、闇なら精神にも負荷をかけられそうだし…せ、洗脳とかいけるかも?」


 おお、いかにも魔王らしい魔法だ、洗脳だってさ、ド外道まっしぐらじゃん。


 けど影か、自分の影を媒介にするっていうのとなると、イメージしやすいかも。


 詠唱もしながらちょっとかっこいいのをしてみようか。


「我が身に宿りし暗黒よ、全てを覆い妨げる鎧となれ!!」


 ………うんとりあえず、魔法名は『影の鎧』にしようそうしよう。


 発動してみると、どうやら黒い霧を噴き出した、全身鎧の化け物になった気分だ、しかも小さい。


 …うわぁ、いかにも悪役っぽいわ、小さいのを除いて、いかにもダークサイドの人間ですって主張してるぞ。


 けど、風の鎧もやれば防御性能がかなり上がるかも?


 影の鎧の防御性能も今度森の魔獣で試してみよう、ゴブリン祭りだな。


 あとは洗脳かぁ…まぁそれは最終手段として、精神となると記憶をいじったり覗いたりするのは有効かな。


 む、情報収集に使えそうな魔法が出てきたぞ、訓練あるのみだな、これもゴブリンで大規模実験だ。


 最後に…空間魔法だ。


 これは分かりやすいだろ、ある意味ちゃんと理解すればやらかす可能性が最も低い魔法だからな。


「とりあえず…転移!!」


 目印をつけた場所に詠唱省略して空間転移してみた。


 誤差は少しあるが、成功である。


 少しぐらつくが転移した影響だろう、慣れればきっと戦闘でも相手の懐や背後を突いて一瞬で殺せるようになるかもしれない。


 他にも周囲の空間を完全に把握する事も可能となったし、これは風魔法の探索より遥かに有用だ。


 あとは攻撃と防御だが…空間圧縮というのが可能となった。


 定めた空間を圧縮し続けて、ぺしゃんこにする魔法だ、出来上がった岩は重さは変わらないのに小石になるまで圧縮されていた。


 あとは防御なんだが、なんか、すごい事が出来た。


 空間を固定して、どれだけの攻撃に耐えられるのかやってみた。


 結果、火魔法と風魔法のプラズマに耐えた…耐えちゃったよ。


 …もう風と影の鎧いらない気がしてきた…いやいや、油断はいけない、防御のバリエーションも増やしたほうが良いに決まってる。


 あと、出来るか不安だったが、成功したものがあった。


「い、異次元バック…出来ちゃったよ」


 空間魔法をバックにかけてみると、どれだけ入るかは分からないが大量の物資をいれる事の出来るバックが出来上がった。


 ゲームにあったから、一度欲しいと思ってたんだよな、しかもこのバックには時間という概念がないから物が腐る事は無い、生モノとか入れ放題だ。


「実験はひとまず終了かな?

 あとは1ヶ月ほどじっくり訓練して何か良い魔法を考え付ければ、それも訓練したら…」


 ラザニアの街に、行ってみようかな。


 情報収集かぁ…1ヵ月後に闇魔法を使いこなさないと。


 期待はそれほどしていないけど、まぁボチボチやっていくかな。




読んで頂き、ありがとうございました。

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