第18話:ゴールデンウィーク1日目~遊園地~その壱
第18話です。
活動報告にも書いた通り今回は服装に悩みました。どういうファッションやコーディネートがいいのかさっぱりわかりません。PCで検索してこれかなぁと思ったもので書いています。他の小説を書いている作者さん達は何を参考にして書いているのかが気になります。
「お財布よし…ハンカチよし…ケータイよし…」
今、私は忘れ物がないか入念にチェックをしている。そう…今日はゴールデンウィーク一日目であり、遊園地に行くのだ!!皐一と!!光里と!!…母さんと…一緒に行くのだ!!というわけで遊園地までへは母さんの車で行くことになった。ちなみに皐一と光里は駅前で待ってもらっている。
「うん、忘れ物はないね。」
今は忘れ物がないかを確認している。特に多く持っていくわけじゃないけど、一応確認しておかないとね。
確認をした私は、次に身だしなみのチェックをするために鏡を見た。
「服装も髪型も…よし!!」
今の私の服装は、黒色のキャミソールに白色のブラウスに濃いめのベージュ色のベストの重ね着、ブラウンカラーのベルトにデニムのショートパンツでハート柄のソックスだ。靴は黒色のブーティを履いていくつもりである。ちなみに私服のコーディネートはほとんど母さんと雪華に任せている。私にはファッションというものがよくわからないよ。髪型はポニーテールで黒いリボンで縛ってある。
「桜花?準備できた?」
「うん、できたよ。」
「まぁ♪やっぱり桜花は何着ても似合うわね♪」
「母さんに褒められても嬉しくないな~…」
「もう桜花ったら♪ツンデレね~♪」
「…今のがツンデレだと思えるのなら母さんはもの凄くポジティブ思考だね。」
「ありがとう、桜花♪」
「褒めてないよ!!」
ダメだこの人…早くなんとかしないと…。でも、もう手遅れなのかもしれないね…。母さん…私が男だった頃はそんなキャラじゃなかったのに…。
「ねぇ?桜花。」
「何、母さん?」
「楽しい?」
「えっ?」
どうしてんだろう?母さん、急に真面目な顔で話し始めた。何か言いたいことでもあるのかな?
「今楽しい?」
「う~ん…母さんの対応が大変で疲れてるかな~。」
「ごめんなさいね。桜花が可愛いからつい♪」
やっぱりいつもの母さんだ。…でもさっきよりは落ち着いている感じがする…。
「そろそろ行きましょう。お友達を待たせちゃいけないわ。」
「あっ、う…うん。」
私は母さんに言われるがまま靴を履き車に乗った。だいぶヒール付きの靴には慣れてきてしまった。えっ?なんで「しまった」なのかって?だって慣れてきたな~って思うたびに、あぁ~私前までは男だったのにな~って思っちゃうんだよ。結構複雑な気分なんだよね…。
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母さんの車に乗った私は皐一と光里を迎えに行っているところだ。私の家から駅前までは車で十五分くらいはかかると思う。
「ねぇ桜花」
「何?母さん」
「楽しい?」
「えっ?何が?」
「女の子になってから楽しい?」
「どうしたの?急に?」
「あなたは私と同じことが起きたから…辛いことはないのかな…そう思ってね。」
「あっ…。」
そうだった…。
母さんも私と同じ元は男だったのにある日突然女に変わってしまったんだった。そして母さんの場合は私よりも周りの状況が酷くてとても辛い思いをしたのだった。頼りになるのは私の父さんと、今私が通っている高校の校長先生くらいしかいなかったと聞いた。
母さんはそんな私を心配してくれているのだ。
「まさか…桜花…いえ春人も私と同じようになるなんて思わなかったわ…。だから私は心配で心配でしょうがないの…。辛いことはない?」
「……。」
いつもはあんなにふざけている変態母さんだけど…ちゃんと私のこと心配してくれてたんだ…。私が女の子に変わってからずっとあんな変態ぶりだったから…。今までそう思ってた私が恥ずかしい…。母さんはやっぱりすごく優しい人だ。
「…最初は辛いと思ってたけど…今は皐一と光里がいるから楽しいよ♪それに私には…私のことを凄く大切に思ってくれてる家族がいるから…辛くなんかないよ♪母さん♪」
「…そう♪良かったわ♪」
「ありがとう、母さん♪私の事を心配してくれて♪」
「いえいえ♪桜花は私の大切な娘ですから♪」
最初は母さんと一緒に行くのは乗り気じゃなかったけど…今は母さんと一緒に行ってもいいかな思っている。と、特別なんだからね!!
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皐一と光里が待っている駅前に到着し二人を乗せた後、車は遊園地へと向かった。私たちが行く遊園地はとても広く、入場者もすごくたくさん来るほどの有名な遊園地だ。今はゴールデンウィークだから混むだろうな~。何時間待ちとかになるのは嫌だけどしょうがないかな。
「ありがとうございます、桜花のお母さん。俺たちを乗せてってもらって。」
「ありがとうございま~す♪」
「気にしなくていいのよ♪桜花の大切な友達なんだから♪それに皐一くんは桜花の彼氏さんでしょう?♪遠慮しなくていいのよ♪桜花の未来の旦那様になるんだから♪」
「か、母さん!!?な、な、な、な、何を言ってるのっ!!!!」
「あら?違うの?」
「違うよ!!!」
「桜花ちゃん♪結婚式にはわたしも呼んでね♪」
「ふぇっ!?光里まで!?」
だ、ダメだこの二人。勝手に私と皐一が結婚することを決まっていることにしている。まだ私と皐一はそういう関係ですらないんだから!!付き合っているフリだから!!
「皐一ぃ~何とか言ってよぉ~…。」
こういう時は皐一の頼るしかない。というか今は皐一しか頼る人がいない。頼む皐一!!
「えっと、その、まだ俺結婚するとか言ってませんし、まず良いとも言っていませんよ?」
「いいえ!!もう決まったわ!!私が決めたわ!!異論は認めないわよ!!」
「母さん!!もういい加減にしないと怒るよ!!」
「にゃはは~♪今日は賑やかだね~♪」
……遊園地に到着する前にこんなに馬鹿騒ぎして体力を消耗していいのだろうか?
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「到着したわよ~♪」
「やったぁ~♪」
「「……はぁ…。」」
私と皐一は同時に溜め息をついた。
え~と…遊園地に到着したけど…馬鹿騒ぎしたせいで疲れました!!
もぅ…母さんが変なことや恥ずかしいこと言うから対応するのが大変だったんだよ!!
ちょっと前に『今は母さんと一緒に行ってもいいかな思っている。』って言ったけど…撤回したい…。
光里は何故か元気一杯だし…。
「二人とも、何溜め息ついてるの?」
「…車の中で騒いだせいでちょっと疲れちゃっただけだよ。」
「俺も桜花と一緒の理由だ。」
「そうなんだ。わたしは楽しかったよ。」
「光里は凄いね。母さんのあのテンションについていけるなんて。」
「そうかな?」
私にはあのテンションについていくのは絶対無理だ。というか、あのテンションにさせてる原因は私なわけで…さらに言うとあのテンションの母さんはとにかく私にベッタリだから…まずあのテンションについていきたくもないよ。だから私は光里のその柔軟性ある対応ができるのが羨ましいよ。……光里の場合は素で対応してるのかも…。
「ほら、三人とも今日は思いっきり楽しむわよ♪」
「おぉ~♪」
「「お、おぉ~。」」
…とは言ったものの、予想した通りたくさん人がいるな~。入場券売り場には長い列ができている。こういう長い列に並んで待つのは苦手だよ…。
「どのくらい待つかな~?」
「う~ん、どうだろうな?」
「入場券を買うだけだからそんなに時間は掛からないと思うわよ?」
「私はとにかく待つのはイヤ…。」
とくに暑い夏の中で待つのはイヤだ…余計疲れちゃうよ…冬は寒くて外にすらいたくない…。…あれ?私かなりダメ人間?ううん!!他にも私と同じ思いの人がきっといるはずだよね!!うん!!私ダメ人間じゃない!!
「何ガッツポーズしてるんだ?桜花?」
「私ダメ人間じゃない!」
「…とうとう壊れたか…桜花…かわいそうに…」
皐一が私の頭を撫でてくる。壊れたとか失礼なことを言うな!!って言いたかったけど、皐一の撫でている手気持ち良かったから怒る気がなくなった。
ふにゅ~…気持ちいい…。
最近皐一は撫でるのが上手になってきているような…。はっ!?まさか私を飼い馴らすつもり!?………皐一はそういうことしないだろうから大丈夫か。
「にゅ~…♪」
「桜花今の声すごく可愛い~♪」
「桜花の髪ってすごくさらさらでツヤツヤだよな。」
「ふにゃ~…ふぇ?何か言った?」
「お前の髪ってすごくさらさらでツヤツヤだよなって言ったんだよ。」
「そうだよね~、わたしもそう思うよ。羨ましいな~。」
「あぁ~、これお手入れするのすごく大変なんだよ?長いからさらに大変なんだから。」
「確かに大変そうだね~。」
「じゃあ切ればいいじゃないか。」
「それだけはダメよ!!皐一くん!!もったいないわ!!」
母さんがいきなり私と皐一の話に入ってくる。聞いてたんだね…母さん…。
「うおっ!?びっくりした…何故ですか?手入れが大変なら切った方が…」
「こんな綺麗な髪を切るだなんて…もったいないわ!!」
「…とまぁ、母さんに切るなと言われているのですよ。」
「た、大変なんだな。」
「あ、あはは…。」
「まぁ少しは慣れたよ。」
でもいまだに髪の毛の手入れには慣れないんだよね…確かに私から見てもこの髪の毛は綺麗だと思うよ。でもこれを維持するのがすごく大変なんだから…。
「ほら、入場券を買ったわよ。」
いつの間に!?私たちが話している間に列が前に進んで行って買えたそうだ。
これでやっと遊園地に入ることができる。
誤字脱字、方言で分からない文、その他おかしな点、アドバイスなどもありましたら、ぜひ感想に御書きください。最後まで読んで下さりありがとうございました。次話もよろしくお願いします。




