第13話:ラブレターと自己紹介
第13話です。だんだんと書くのが難しくなってきました…。自己紹介って本当に悩みますね。平然と話すことが出来る人が羨ましいと思う作者です。…後はラブレターの方はどう処理しよう…悩むことがいっぱいの作者です。
私たちは、桜の花びらが風で舞っている桜並木を歩いている。桜は何回見ても綺麗でいいよね。春を象徴するものだよね。
…唯一気になるのは風でスカートが捲れないかだ。ミニスカートだから気を付けないと…隣には皐一がいるからね。ズボンは楽でいいな〜。スカートは大変だね、女の子になってそれがよく分かったよ。
「今日は少し風が強いかな?」
光里は私に話しかけてきた。
「そうだね。うぅ…髪が…」
風がまた少し強くなったからスカートと髪を抑えていたけど髪が乱れてきてしまった。この長い髪を綺麗にセットするに頑張ったのに。やっぱりストレート以外の髪型も出来たほうが良いのかな?というと…また母さんと雪華に聞かないといけないのか…。髪については手入れについてしか教えてもらわなかったからまだストレート以外の髪型はしたことがない。光里に聞くのは…不自然かな…?
「ねぇ、光里?」
「なぁに?桜花ちゃん?」
「今度…髪の毛の縛り方を教えてくれないかな…?」
「えっ?桜花ちゃん髪の毛縛れないの?髪すごく長いのに?」
うぅ~、やっぱり不自然か…。そうだよね…髪の長い女の子が髪の縛り方知らないのはおかしいよね。どうしよう…もう聞いちゃったよ…どう誤魔化そう…。
私が考えていると皐一が…
「こいつ今まで母ちゃんにやってもらってたみたいでさ、自分じゃ縛れないみたいなんだ。」
お、おい!!それじゃあフォローになってないだろ!!なんだよ高校生にもなって髪を母さんに縛ってもらうって。いくらなんでもそれはおかしい…
「そうなんだ。桜花ちゃんはお母さんに甘えん坊さんなんだね♪」
えっ!?信じた!?
って母さんに甘えん坊!?ないないないないないないないないないない絶対ないよ。そんなことしたら母さん暴走しちゃうよ!!……そういえば母さんどうしてあんなにキャラになっちゃったんだろう?私が女の子になる前まではあんなキャラじゃなかったのに…。
「ち、違うよ!!えっとね、今までショートヘアーだったんだけど…」
「ショートヘアーだった時も髪の毛縛ったことないの?」
「うっ…う、うん…ない…。」
見事に撃沈しました…。光里は容赦なく言ってくるね…見た目ほんわか癒し系なのに…。
「ダメだよ?女の子が髪の毛縛れないなんて。いいよ♪私でよければ教えてあげるよ♪」
「本当に!?ありがとぉ〜、光里〜♪」
「どういたしまして♪」
良かった。これで髪型に悩まなくていい。光里なら安心して教えてもらえる。
「あっ、そういえば今日は自己紹介やるって昨日言ってたな。」
皐一が私たちに言う。そうだった…自己紹介があったよ…すっかり忘れてた…。
「そういえばそうだね。わたしは考えてきたけど桜花ちゃんは?」
「そうだった…忘れてた…。考えてないよ…どうしよぉ〜!!」
「桜花ちゃんは可愛いから大丈夫だよ♪」
そういう問題!?外見だけでなんとかなるとかありえないよね!?
「そうだ、皐一は自己紹介考えたの?」
「ん?あぁ。」
「裏切り者!!」
「はぁっ!?考えてないお前が悪いだろ!!」
「二人とも〜、喧嘩はダメだってさっき言ったでしょ?」
……もしかして私だけ考えてないとかないよね…
自己紹介を考えながら歩いていたらいつの間に学校に到着していた。学校に到着した私たちは下駄箱で上靴に履き替えようとしていた。私の下駄箱の場所は私の身長より頭一個分高い。…この位置にした人に悪意を感じるね。あっ、出席番号順だからこの位置になったんだ。…じゃあこのクラス分けにした人に悪意を…。
「何やってるんだ?早く履き替えろよ。」
「…わかってるよ。ただ私の下駄箱の位置が高いな〜って思ってただけだよ。」
「お前ちっちゃいもんな。」
「ちっちゃい言うな!!」
皐一のやつ…私が気にしてることを言いやがって…女の子にそういうこという男はデリカシーがないって言うのかな?
「ん…よい…しょ。」
私は下駄箱の扉を開けた。上履きを取ろうとした上履きの上に何かがあった。
「あれ?上履きの何かある?」
「ん?おっ?これラブレターじゃねぇのか?」
「ら、ラブレター!?」
私は上履きの上にあるものを取った。…それは手紙のようなものだった。ま、まだラブレターとは決まってないから手紙のようなもので良いでしょ!!というか何でそんなものが私の下駄箱の中に!?
「ほぇ〜、桜花ちゃんモテモテだね〜♪」
「二日目からいきなりラブレターとは…すげぇな桜花。」
「ま、まだラブレターって分かってないでしょ!!」
「いや…どうみてもこれはラブレターだろ…」
う、嘘でしょ。私、ラブレターなんて初めてなんだけど。ど、ど、どうしよう。
「とりあえず行こうぜ。ここに立ったままでいると邪魔になるだろ。」
「桜花ちゃん行こう♪」
光里に手を握られ、強引に引っ張られる感じで私たちは四階まで上がり教室に入った。
「ふぅ…到着ぅ〜。」
「はぁ…はぁ…光里〜いきなり引っ張らないでよ〜。」
「ごめんね〜。」
「…何で語尾を伸ばして話すんだ?」
「「どうしてだろうね?」」
私たちはとりあえず席に着いた。光里の席は私の席から離れているから話せるのは休み時間かな。
そ、そういえば、ラブレター…どうしよう…。…とりあえず読んでみよう。
私はラブレターを読んでみた。
……ふむふむ…ほぅほぅ……ふ〜む…。
………………えっと…一応全部読み終わったけど…なんというか…うん…キモい。これは私じゃなくてもそう思うね。でもどうしようかな…。このラブレターを送ってきた相手に返事とかした方が良いのかな?う〜ん…でもそういうの面倒だからな〜…。
「おい、桜花。ラブレター読んだか?」
皐一が私に小声で話しかけてきた。ラブレターを貰ったことを他の人に知られたくないことを気遣ったのだろう。こういう時は気が利くやつだ。
「うん、読んだけど…返事どうしよう?」
「はぁ?返事するつもりなのか?」
「だって返事しなかったら相手に悪いかなって。」
「でも相手は調子に乗ってさらに送ってくるかもしれないぞ。」
「うぅっ、それは嫌だ…。どうしよう…。」
「直接言って断ってきたらどうだ?」
ちょ、直接!?こんなキモい文書く相手に直接会うの!?
「そ、それはなんだか怖い…」
「じゃあどうすればいいんだよ。他に案あるか?」
他に案…ね…うーん…どうしよう…。
「……直接会うなら…皐一も一緒に来てくれないかな?」
「はぁっ!?何で俺が!?」
「その方が相手も諦めてくれるかなって思うから。」
「だけど俺たち別にそんな仲じゃないだろ。」
「親友の頼みだと思って、お願い皐一。」
私は両手を合わせて頭を下げた。一人で行ったら何かされそうで怖い…だけど、皐一と一緒ならそんな事はないと思う。
「はぁ…そこまで頼むんならいいけどさ…知らんぞ?変な噂流れても…。」
「……その時はその時だよ…ラブレターが来なくなるなら…我慢する。」
正直ラブレター貰っても全く嬉しくない…見た目が女の子でも中身はまだ男なんだ。だから男から貰っても全く嬉しくない。…だからって女の子から貰うのは…今の私の見た目からするとちょっといけない気が…。
そんなこと考えていると担任が入ってきた。
「みんな席に着け〜。朝のホームルームを始めるぞ。」
ちなみに担任は若い熱血系で男の先生だ。どうやら新任の先生らしい。こういう系の先生は楽しくて好きだ。…怒ると怖いけどね。
朝のホームルームが終わるとそのあとは自己紹介が始まった。
「じゃあ出席者の番号一番の人から順番に自己紹介をしてくれよ。」
えっ!?もう自己紹介!?もうちょっと後でいいよ!!
しかし時間は待ってはくれなかった。一番から順番に自己紹介が始まってしまった。予め考えてある人や考えてなくて慌てて話す人、笑わせる人などそれぞれ特徴的な自己紹介をしている。
もうすぐ私の番だ…うぅっ…心臓がすごくドキドキしてきた。緊張するよ。
そして自己紹介は皐一の番になった。皐一の自己紹介が終わると次は私だ。
「次は…高城。」
「はい。高城皐一です。出身中学は○◇中学です。中学の頃の部活動は卓球部に所属していました。レギュラーは中々取れませんでしたが、頑張って練習を続けて最後の年にレギュラーを取ることができて凄く嬉しかったです。高校の部活動の方はまだ考えていません。よろしくお願いします。」
皐一の自己紹介が終わると同時に拍手が上がった。
普段の皐一とは思えない感じだった。皐一が敬語使うのなんだか違和感があるんだよね。…というか至って普通の自己紹介だったな。面白いのをちょっと期待してたのに…残念。
……どうでもいいけど○◇中学とか学校の名前が記号で表してるのにそれが分かるって凄いよね…。普通分からないよ…。あれかな?放送禁止用語が出た時みたいなピー音みたいのと同じなのかな?やっぱり私たちみたいな物語の中の人間だから分かるのかな?
私はどうでもいいことを考えていると…
「次は…小鳥遊。」
「っ!?は、はい!!」
私は大きな声で返事をして勢いよく立ち上がった。それによって余計注目されることになってしまった。
みんな…あまり私を見ないで…恥ずかしくて余計緊張しちゃうよ…。
「え、えっと、小鳥遊桜花…です。出身中学は皐一さんと同じ○◇中学です…。えっと…こんな見た目で外国人に見えるかも知れませんが…私は生粋の日本人です…。なので…英語が話せるというわけではないです…。む、むしろ英語苦手です…。……えっと…その…よ、よろしくお願いしましゅ!!。っ!?」
うぅぅぅぅ!!最後の最後に噛んじゃった…何で噛むの私!!
みんなが何も言わず私をじっと見ている。や、やめてぇ!!そんなに黙った状態で私を見ないで!!恥ずかしすぎてもうダメ…。
顔がとても熱くて自分でも分かるくらい顔が真っ赤になっている。
「あ…あぅぅぅ…ご、ごめんなさい…。噛みました…。……よろしくお願いします…!!。」
私は急いで礼をして着席した。
高校生活の一番最初の重要イベント「自己紹介」は…凄く恥ずかしい結果で終わった。
うぅ…これ第一印象最悪だよね…どうしよう…皐一と光里はいいとして…他の人たちにはどう思われたんだろう…うぅぅぅぅ…穴があったら入りたいくらい恥ずかしい…。
誤字脱字、方言で分からない文、その他おかしな点、アドバイスなどもありましたら、ぜひ感想に御書きください。最後まで読んで下さりありがとうございました。次話もよろしくお願いします。




