第12話:光里
第12話です。今日は私事でいろいろあったので今回は短めです。申し訳ありません。
「桜花ー、起きなさーい!!」
「もう起きてるよぉ~。」
母さんに返事をしながら私は学校に行く準備をしている。
う~ん、今日も良い天気だ。
制服に着替え終わるとノックの音した。
「は~い、入っていいよ。」
私の部屋のドアが開く。久しぶりの父さん登場だ。ちゃんとノックしてくれる人は父さんだけだ。後は勝手に入ってくる。
「春人…じゃなかった桜花。おはよう。」
「おはよう、父さん。もういい加減呼び方慣れてよ。私はもう春人じゃないんだよ。」
いまだに父さんは私のことを春人と呼んでしまうらしい。
まぁ…父さんはこの家族で唯一のまともな人だから許しちゃうんだけど。えっ?まるで母さんと雪華が変態みたいな言い方だって?…変態じゃん。あの二人は。
「すまんな、気を付けるよ。桜花の方はどうだ?もう慣れたのか?」
「う〜ん…実はまだかな。」
「そうなのか?女言葉ですごく自然に話していたから慣れたかと思ったぞ?」
いや…まぁ…うん…それは…ねぇ…?とある二名にみっちり教えられましたからね。あれは凄かったよ…。普通に教えればいいのにあんなことやそんなことまで…あぁ、思い出しただけで鳥肌が…。
「あは、あはははは…」
「ど、どうしたんだ?桜花?」
「何でもないよ…、父さん…。ただ大変だったな〜って思っていただけだから…。」
「そ、そうか。まぁ頑張れよ。桜花は俺の大切な娘だ。頼りたいときは俺に頼ってもいいからな。」
父さんはそう言いながら私の頭を撫でる。
凄く優しい…父さんのこういうところが私は大好きだ。別にファザコンじゃないんだからね。
「…うん♪」
「今日も高校頑張れよ。」
「ありがと、父さん♪……ねぇ?父さん?」
「ん?どうした?」
「…家族内の会話がスムーズに進むっていいね。母さんと雪華だとどうも話が進まなくて。」
「ははっ。秋子も雪華もな、桜花のことが可愛くてしょうがないんだよ。」
「そういうものかな~?」
父さんは笑顔でそう言いながら私の部屋を出ていった。……父さんがああいうこと言っても様になるな〜。他の人だったらなんか気色悪い。だからファザコンじゃないって。
「お姉ちゃんどうしたの?」
「…雪華…ノックして入ってよ。」
私は朝食を済ませるとすぐに学校に向かった。昨日、皐一と光里に昨日別れたT字路で指定した時間に待つようにメール(光里のメアドは昨日下校中に交換)した。学校には余裕をもって行きたいから早めに行くことにした。
集合場所に到着したがまだ誰もいなかった。ちょっと早かったかな?
「桜花ちゃんおはよ~♪」
「あっ、光里~♪おはよ~♪」
良かった。ちょうど良かったみたいだ。
「桜花ちゃん待ったかな?」
「大丈夫だよ。今来たところだから。…このやり取りって恋人同士がやるやつだよね?」
「にゃはは♪じゃあ、わたしと桜花ちゃんは恋人だね~♪」
そう言いながら光里は私に抱きついてくる。
「えぇっ!?」
こ、恋人!?私と光里は女の子同士だからそれは無理だよね?日本は同性婚はできないから恋人にはなれないはずだよね!?
「あれ?桜花ちゃん?桜花ちゃ~ん?」
「あわわわわわ…」
私はいろいろと混乱していた!!
「おはよ~…って桜花のやつどうしたんだ?」
皐一が来たようだ。
「あっ、皐一くんおはよ~♪私にもわからないよ。」
「おい、桜花?どうした?」
皐一が私の体を揺する。あぁ~、頭がクラクラする~。
「ふぇ…?あっ、皐一。いつの間に来てたの?」
「お前な…。何があったんだ?」
「あっ…えっと…あはは。」
「笑って誤魔化すんじゃない。」
「はい…」
私は皐一が来る前に起こった出来事を話した。
「…で、桜花があんな状態になったわけか。」
「うん。」
「お前…アホだな。」
「なっ!?アホ言うな!!」
本当に皐一は失礼だ。可愛い光里にあんなこと言われたら誰だって混乱するはずだ。
「桜花ちゃん、皐一くん。喧嘩しちゃダメだよ?」
光里は私たちに笑顔でそう言った。
「「うっ…」」
あんな笑顔でそう言われたら何も言い返せないよ…光里が発端でこの出来事が起きたということを…。光里はなんだか不思議な女の子だと私はそう思った。
「二人とも、早く学校行こう♪」
星野光里…恐ろしい娘…。
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