邪神王国に政略結婚で行かされた虐げられ王女の話
「クラリス、君を愛することは完全に出来なくなった。祖国に帰り給え」
王宮で文武百官が見守る中、王太子殿下に言われた。
私は義姉の身代わりに政略結婚でこの国に来た。
花嫁違いと問い合わせ中に、祖国が兵を挙げて攻め込んできた。
政略の意味がないのである。
しかし、私の心はこの国と共にある・
「あの、もし、宜しければ私を貴方様の後宮の末席にくわえて下さいませ」
私は王太子の目を見つめて言った。
「貴方の手助けをさせて下さいませ」
「う・・む。本当に良いのか?」
そう、この国には大きな問題がある。この国の宗教は邪教だ。
私は女神教徒
「この国と運命を共にしたいですわ」
「うむ・・・分かった」
この国は邪神王国と言う。
☆☆☆一年前
「クラリス、邪神王国に嫁入りに行くが良い」
年に一回か二回会うか会わないかの陛下に嫁入りを命じられた。
「政略結婚である!」
隣国は自ら邪神王国と名乗る。
一番上のマリワーズお義姉様に嫁入りの話が来たのは私ですら知っている。
お義姉様はとても嫌がった。
何故なら邪神王国だわ。自らを邪神王国と名乗っている。
邪教であるが女神教の一派だ。
私はわずかばかりの荷物をまとめ。馬車で二十五日ほどかけて隣国に赴いた。
王城は如何にも先が尖っている塔がある。
不思議なことに城下街が栄えていたのは窓からでも分かった。我が王国よりも栄えている。
「よく来られた。マリワーズ様」
「あの、私、クラリスでございます。6番目の王女です」
「何と・・・」
迎えに来たのはこの国の王太子フェルナンド様だ。
「なるほど、これは問い合わせなくてはならない」
「ですよね」
「しばらく客人として逗留するが良い」
「はい、有難うございます」
ここは邪教徒の国だ・・・・
「あの邪神様を崇拝しなければならないのですか?」
「それは自由だ」
「はい?」
「私は女神教徒だよ」
意味が分からなかった。
しかし、この王国はいたって緩やかな国だった。
使用人をつけられ。監視があるとは言え。私は自由に王都内を出歩いた。
この城下街に女神教徒だらけだ。助け合いの精神があるように思える。
ある日、市場で邪神教徒を見つけた。この国では邪神教徒は、邪神の使徒と言われる。
女神教徒で言えば聖職者だ。
「いらっしゃい。いらっしゃい」
「あ、邪神様の使徒様だ!」
「え、本当だ。ありがたや」
市場に邪神様の使徒が現れた。
ローブを羽織ったやせた男だ。
女神教の司教は絹の服だわ。
質素すぎる。
男は市場の真ん中で説教を始めた。
「皆の者、この世は悪である!悪ゆえに・・・」
「ヒィ・・イベントよ」
「あれが、起きるのか?」
「そんな馬鹿な」
何かドロドロとした儀式が起きるらしい。
「そこの婦人、前へ」
「ヒィ、申訳ございません」
1人の老婦人が連れて来られた。コジキのようだわ。
まさか、生贄?
「皆の者!生活に困った婦人がいるではないかぁ!」
「「「ヒィ」」」
「申訳ございません!」
老婦人にお金や食べ物を与えている。・・・
住むところを案内する人もいるわ。
もしかして、良い事をしているのかしら。
使徒様に直接聞いたわ。
「邪神の使徒は質素を旨として助け合いを是とする」
「まあ、それが邪神なのかしら」
「そうだ。この世は悪だ。だから身を糺して暮らして行かなければずぅとこの世という監獄に捕らわれる・・・来世は天界にいけない。恐ろしい事だ」
この世界は悪と定義している。
「この世が正義ならば何故戦争や差別、貧困があるのだ。つまり、邪神がおさめている監獄に他ならない。邪神教徒は試練を与えて下さる邪神様にあらがいながら尊敬しているのだ」
「そうですか・・・でも、女神教の一派では・・」
「うむ。女神自体が邪神なのである!」
不敬罪かしら。
しかし、使徒と呼ばれる方々は質素で施しで暮らしている。
「人は悪である。悪故に糺さなければならない!」
出家した者を邪神教徒と言う。それは一切人に強制はしない。
「何故、使徒様は出家を奨めないのですか?」
「それは運命である!既に決まっているから出家しなくても構わない!」
何だろう。実は人気が高い。
使徒は清貧生活だ。
それに比べて女神教の司教はでっぷり太って良い服を着ているわ。
女性と子をなしている司教もいるのも公然の秘密だわ。
私はすっかり邪教に興味を持った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私の祖国と邪神王国の戦争が始まった。
私は王国の地図を記憶を頼りに作成をした。
私は後宮の主人、と言っても妻は1人だ。
戦争が始まって2年、遂に我が祖国は負けた・・・・
「クラリス、祖国に行こう」
「ええ」
既に占領をされていた。
マリワーズと陛下、義母、王族たちは私を見ているわ。
義姉は求婚をするわ。
「フェルナンド様、私と婚姻をしましょう」
「否、それはもうどうでも良い事だ。クラリスと結婚をした」
「では、私は邪教徒になりますわ!」
「そうじゃ。そうじゃ」
「ええ、私も!」
「そうか・・・これも運命か・・・」
その日、盛大に儀式が行われ。邪神の使徒様により出家を行われた。
「ヒイ、何、このローブ・・」
「これはコジキの服ではないかしら・・」
「これより、使徒のコミュニティに行きます。出家は尊いことです。来世では天上界に行けます。皆で応援をします。・・・ウゥ、ウグ」
「「「使徒様!」」」
使徒様が倒れたわ。なんて素晴らしい。
「ウ、ウ、栄養が足りないようだ。これで自然死だ。来世にいける・・・」
「使徒様、お見事であります」
「使徒様・・」
感動の涙で目が曇る。邪神教徒にとって死は祝福の口づけ。
邪神の試練を乗り越え。真の神に会いにいけるのね。
「狂っている」
「やっぱり、やめる・・」
「いいえ。お父様、次期邪神の使徒様をやって下さいませ。素晴らしいわ」
王族達は全員、スラムにつれて行かれたわ。まずは修行があるそうだ。
お父様たちが清貧になるのを願うだけだ。
魂は私よりも遙かに高見にいける。
私は子をなさなければならないから、今世では邪神教徒にはなれないわ。
羨ましくて仕方ない。
一部、キリスト教カタリ派を入れています。
最後までお読み頂き有難うございました。




