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流れに任せて、なんていうのは一番無理。

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は5/17(土)投稿予定です。


兎にも角にもタイムリミットは6年後の学園へ転入するまでだ。それまでにはどうにか対策を講じなかればならない。

「もういっその事、学園に入らなきゃいんじゃね?」

そう、一番は貴族の学校に入らなければいい。これである。


「そうじゃん、私が学園に入らなければイベントが起きる可能性はないってことになるじゃん。」

名案だと思ったアイリスだったがすぐさまそれはダメだろうと頭を抱える。

「そうなったらラスボスは誰が倒すんだよ?」

倒せる人物がお偉いさんの中に居たのなら、いくら珍しい能力があるとはいえわざわざ一般市民であるヒロインにお鉢が回って来るはずはない・・・はずだ。


「じゃぁ・・・頼れる奴がいないってこと・・・。」

嘘だろう?なんちゅう危機感のない国なんだよ平和ボケすぎだろうと自分の国を思いつく限り罵る。


「じゃぁ、やっぱり私が行かないと倒せないことになるのか?え。嫌だ・・・でも、だからと言って家族を危険な目に合わせることになるのは嫌だし・・・。」


前世の記憶を思い出したとはいえ、ここで10年生きてきた記憶もある。

父に母に5つになる弟、近所のおじちゃんやおばちゃん、それに幼馴染の友人だっているし、何よりもう少ししたら自分の弟か妹がもう1人生まれて来るのだ。

国はどうでも良いが身近な人が殺されてしまうような未来は一番嫌だ。


「・・・・・・・・・・・・・決めた。」


アイリスは暫く考え込んだ末、言葉を発すると目の前の紙に書き出す。

もちろん、ここではない前世の文字でだ。


サラサラと書き終えたそれを見つめてアイリスは見つめ満足げに笑った。


「よし、これでいこう。」


【イベントは発生させないようにする。でも黒幕ははっ倒す。】


そこに書かれた内容に満足するとアイリスは右手を掲げる。

「うっしゃー!やってやるかー!!」

「ちょっとアイリス!今何時だと思っているの!」


雄叫びを上げた途端、母の叱咤が聞こえてきた。


いけね、もう夜中近くだった。


今の時間を思い出しアイリスは急いで布団に潜り込んだのだった。




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アイリスが前世の記憶を思い出してから月日はあっという間に流れるのは早いもので、あれから2年経った。

その間アイリスはというと、打倒ラスボス、なんならソロプレイで倒すを目標にしたので、翌日から男共に混じって剣の稽古をし魔法の勉強を始めた。


何時もなら友達と花摘みをし、可愛い愛嬌な顔で両親の手伝いを熱心にしていたアイリスの変貌に村の人間はざわついたが、根本的な彼女、つまりいい子だったのでざわついたのは最初だけで別段大事にすることはなかった。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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