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転生女のヒロイン生活〜私にヒロインなんて向いているわけがないっての!〜  作者: ちゃらまる


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20/73

相手が大人しくしていると何でつけあがるんだろう人間って

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は9/11(土)投稿予定です。


ーーーバシッ!


「アイリスさん、何度言えばわかるんです?」

「すぃま・・・そん。」

本日何度目か分からない手の鞭打ちのせいで赤く腫れている手を見ながらアイリスは内心舌打ちをする。

目の前にはマナー講師であるマティアが無表情のまま鞭を持って仁王立ちをしていた。


これの何処が教育だよ、頭に何か沸いてるんじゃ無いのか?


実はアイリスがこのように理不尽な行いをされたのは初めてではない、ほぼ毎日、まるで苛立ちをぶつけるように鞭を打ち始めるのだ。勿論、出来ていないと難癖をつけて、である。


今日もさっきから貴族マナーについて実際やりながら教わっているがダメの一点張りで容赦なく右手を鞭打ちにされている。


因みにこのような鞭打ちを使っての教育は被人道的といわれ本来なら行わないのだと後に知ることになるのだが、貴族社会に入りたてのアイリスが知るはずも無い。

なんなら前世の小説でこんなの教育によろしくないって分かりきっているのに貴族社会のあるある教育だという先入観があったせいでこの教育法が定着しているんだとすんなり信じていたのである。


にしてもこれは流石にやり過ぎだろうとアイリスは悪態をつく。

私は痛みなんて感じないから良いけど、普通こんなのしたら子供は気絶するし下手したら重症化するだろう、こいつ本当に教師の器か?


そう思っていると、また予告もなく手の甲に鞭で打たれる。パシンと乾いた音が響いた。


「そのような言葉遣いはなりませんと申したはずです。」

「モウシワケアリマセン。」

「そうよ、平民はすぐに頭を下げないと駄目よ?やればできるじゃない。」


え?なんか勘違いしてんな、口では言ったけど心からの謝罪ゼロだし。本当、謝りたくない相手に謝る方が苦痛すぎて嫌なんだよな。

感情がこもっていないまま謝罪をしながら舌打ちをしたくて俯いていると、私が怯えていると勘違いしたのか上機嫌になり椅子に座る。

ヒステリック系の人間って急に感情変えるけど、本当に典型的だな。


そんな事を思っているといつの間にかそばに寄ってきたマティアが耳元で話しかける。

「いい?私は近い将来ここの公爵夫人になるんだから平民である貴女は身の振り方をきちんと考えないと駄目よ?」

え?今とんでもない事を口走ったなこいつ。


思わず顔を上げるとマティアはにこりと笑う。

「本当よ?実は奥様ご病気がよろしくないの。だから毎晩旦那様を私が慰めているの。」


まさかの妄想を言い始めたよ。


こいつやべぇやつだと顔を引き攣らせているとマティアがジィっとこちらを睨みつける。

「貴女、旦那様に買われたとかじゃないわよね?」


貴女が想像してる危ないパパ活なんてしたいと微塵も思った事はないが?

何も言わずに首を横に振り「ただの後見人です。」と答えると、「そう」とだけ言って離れる。


「まぁそうでしょうね、貴女可愛いけど女の色気なんてないしね。あぁ、この話ししても誰も信じてもらえないわよ?平民なんて信用できるわけないんだし。」


そう言うとマティアは教材を持って出ていこうとする。

「このあと、お嬢様のレッスンがありますから今日はこれで終了です。」

ぐいっと右手を引っ張られて何かをかけられる。

みるみるうちに手の甲の赤みや腫れが引いていった。


「回復薬をかけてあげるんだから感謝しなさいよ。」

そう言って部屋から出ていく彼女を見届けて、アイリスはじっと手の甲を見つめる。

隠蔽か・・・散々やっておいて、だいぶ頭が回るな。


そっと懐に手を入れたあと、アイリスはニヤリと笑う。

「まぁ、確かに私の言葉では信ぴょう性が低いよねぇ。」

短絡的にならず我慢してよかったとアイリスはふーっと息を吐いた。



いつも読んでいただきありがとうございます。

いつも読んでいただきありがとうございます。

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