縛りプレイ先、ここに決めた!
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は8/17(日)投稿予定です。
やばい・・・腹減って極限過ぎる・・・、鳴る音聞かせる前には解放してくれー。
「さて、そうなると君を何処に身を置かせるか・・・。」
「それでしたら王よ、私に提案が。」
王が考えていると横に控えている人達のうち真っ白い服と帽子、十字の杖を持った朗らかな年配の男性が手を挙げ王を見つめていた。
あれ、確かドゥルー司祭の服に似てんな・・・それより上等そうだし、もしかして教皇か?
「教皇、どうした?」
王の返事にやっぱり教皇かとアイリスが思っていると教皇がこちらを見つめた。
「でしたら、彼女の身柄は我々の元に置くのはどうでしょう?」
「ふむ、教会にか?」
「はい、彼女は善悪で言えば善です、ですが力のせいで周りには理解されにくい事も多々、あるかと・・・我々の元でなら彼女を保護でき、力のあり方について教えられるかと。」
「なるほど、確かに一理ある。」
え、教会に行かないといけなくるのか?
それはそれで嫌だなとアイリスは即座に思った。教会に行けば絶対奉仕だの規律を守るような日常に縛られるからである。
信者でもないのにそれは遠慮したいと思っていると、また発言の声が上がる。
今度はその隣にいる黒い服を着て上げた左手には遠目でもわかる上質な魔法石の指輪を何個も着けているのが見えた。若い紅い髪女性はにっこりと優雅に笑っていた。
「今度は魔塔主もか、とても珍しいな。君が発言するなんて。」
「それだけこの子には秘めた才能がありそうだからねぇ、いい人材は欲しいんですよ。それに隣の彼がそう言うならアタシのとこでも引き取る条件はクリアできていると思うけど?」
「確かに、歴史を追えば君たち魔塔達は膨大な魔力によって見た目で迫害されていた拠り所としてが最初の設立者が魔塔を造ったのが理由。今でこそそれは無い世の中になったが教えるべき事も対処も確かにできる。」
「それに猫の手も借りたいほど忙しいんでね、率先力としてこの子を育てたいって思惑もある。」
つまりは社畜への道かとアイリスは心の中で思う。
前世でも馬車馬如く働いていたのにここでもそのように?
しかも前よりももっと早く社畜へなれと・・・?
それはそれで嫌だなぁと、いつの間にか候補であげている2人が睨み合っているのを見ていると、自分の間近で手を上げる男性がいた。公爵様である。
「私も一つよろしいでしょうか?」
「君もかい?」
面白いものを見るように王は公爵に目をやると、彼はにっこりと微笑んだ。
「はい、二方の提案は確かにこの少女にとって良き保護先になるでしょう。ですが、彼女には3年後貴族の学校に通ってもらう事にもなっている。その時彼女は貴族のマナーや教養をしっておかなければならない。力の事を考えればこの子は普通の平民としては過ごせないからと私や弟も判断しここへ連れてきている。貴族が絡む社会で生きる術、その部分を二方の先で教えるのは少し難しいと私は判断します。ですからこの子の保護先は私の場所が適任でしょう。」
そう言うや否や、候補2人から反対抗議も出ていたが王は公爵の申し出に大きく頷いた。
「では、最終的に聞いておこう。君は何処で過ごしたい?」
王の質問にアイリスは少し考える素振りを見せた後、公爵の申し出に頷いたのだった。
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