己の運命をまるっと投げてみたら意外と通った。
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は7/26(土)投稿予定です。
「ちょっと!!」
あん?
面倒なことになったと頭を悩ませていると後ろから怒声が聞こえてきたのでゆっくりと振り返ると、コーデリアが睨みつけながらこちらへと迫ってきた。
「もう!!あんたのせいよ!どうしてくれるの!」
「え?」
一体何を言っているのか分かりかねていると、コーデリアはアイリスを見たまま後ろを指差す。
「ここは叔父様の教会なのよ!こんなに壊してどう責任取りつもり?!」
そう言われて改めて周りを見れば破壊された壁に長椅子、ステンドグラスまで壊れて空が顔を出していた。
歴史あった建物が廃墟と化した現状に流石のアイリスもヤバいなと思う。
自分の意思と関係なく起こった事だが自分が起こした事だ、弁償を請求されても文句は言えないだろう。
「あちゃー・・・。」
「何て軽い物言い草っ?!」
「いや、そうは言っても私も予期せずだったと言いますか・・・。」
アイリスが弁解すればするほど般若のような顔になっていくコーデリアから下がり距離を取ろうとしたが、それ以上にグイグイ迫ってくる。
「貴女!謝罪する気がないんでしょ!?」
「イヤイヤそうじゃないですけど「それに私のドレスをこんなに汚して・・・絶対許しませんわ!中々予約が取れないデザイナーのドレスなのよ!」」
いや、お前がそんなに怒るのドゥルー神父の教会の崩壊というよりそっちが本音だろうとアイリスは怒り狂うコーデリアに思っていると自分達の側へ来る人物に目をやる。
「あ、公爵様。」
「お父様!」
スタスタ歩いてこちらへ来る彼もまた服が汚れたり髪が乱れているが怪我なく無事なようだ。
誇りを払いながらやって来た公爵は、ふむ・・・とアイリスの方を見た。
「気を失っている間にどうやら厄介なことになったようだね。」
彼もまたアイリスのただならない様子を即座に感じ取ったようだ。険しい顔をしてみていたが直ぐにおっとりとした顔に戻る。
「申し訳ありません、公爵様。」
「いや、君だってこうなるとは思っていなかっただろう?謝らなくて良い。」
彼の言葉に真逆の考えを持っていたコーデリアは納得していないと顔では言っているが押し黙る。
「それに、私がそばで見ていたんだ関係ないでは通らないだろう、すまないが私と一緒に王都に来てくれないか?」
公爵様にそう言われた断れないか・・・。
アイリスは彼の言葉に頷いた。
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