始まってほしくなかった始まり
今日から頑張って投稿しますので、皆様生暖かく見守っていただけたら嬉しいです。
次回は5/3(土)投稿予定です。
→追記 予定していました次回投稿予定を大変申し訳ありませんが5/5(月)予定となります。ご了承下さい。
母から聞いたことがある。実はこの世界を創った女神様の力でここではないどこかの世界とつながる事があるらしい。
らしいというのは、何代か前のこの国の王女様が別の世界で生きてきた記憶を持って生まれたからという史実があるからだ。
その王女様のおかげでファッション界という世界は大きな進歩を遂げたのいうのは有名な話しだし、何より貴族の男女間における価値観とか恋愛の自由とか、そういうが少しだけ緩和されたのも事実だ。
まぁそれでも政略結婚というのはまだあるらしいけどね。
まぁ信じる信じない人それぞれだけど、私は信じている。
何故って?そりゃぁ・・・
「私が別世界の記憶を持っているってわかっているからだっつーの!」
そう言って叫んだ後、叫んだその子は思わず大きな声が出たことにハッとし周辺の森を見渡し、誰もいない事を確認しホッと息を吐いた。
そして苦々しく目の前に映る10歳くらいの少女を睨みつける。
ピンクの髪に翡翠の瞳に何より額にある五芒星のマーク・・・間違いない。
「なんで乙女ゲームのヒロインのアイリスになってるわけぇ・・・。」
苦々しく漏らした言葉と共に地面に伏せるその少女、アイリスはありえないと何度も呟く。
おかしいでしょ?
私さっきまでMMO RPGしてて寝落ちしてただけなのに?何で?頭痛がするなと思ったら妹のやってた乙女ゲームのヒロインに転生してるわけ?!
え?もしかして私あのまま死んだって事?・・・うそでしょ?ないわー本当ないわー。
頭痛いのってその影響・・・いや、頭が痛い理由はわかっている、私が母親に頼まれて今日の晩御飯に使うキノコを採取している途中で滑って転んで頭を打ったせいだ。
「・・・頭打ったせいなのか、前の私の記憶と混合してるせいか気持ちわるっ。」
悪態をつきながらアイリスはゴロンッと仰向けになる。
森の木の間から見える空は憎たらしい程の晴天。
「・・・私の名前はアリサ。趣味はゲーム、30歳の会社員で彼氏なし。・・・結婚とか考えてなかったけど人生ドロップアウトするの早すぎない?」
学生の頃は勉強頑張って、行きたい会社に入ってある程度会社で功績上げてきて重要なポスト任されるようになってこれからが楽しくなるはずだったのに・・・。
「しかも何で興味ない乙女ゲームの世界なんだよ。妹の方が嬉しがる案件だろ!」
いや、そうなったらあの子が向こうでは死んだことになるから・・・それは嫌だけど。
甥も姪も旦那もいるあの子がいなくなるよりは私で良かったのかもしれない。
まぁ・・・それはそうと。
「やってたゲーム・・・おじゃんになるのかよー・・・嫌だなぁ。せっかく世界ランキング上位まで入ってたのに・・・。」
あるのか分からないがせめて転生するなら自分のやってたゲームの世界に転生したかった。
っていうかあの、乙女ゲームの世界な訳?・・・あぁ頭痛。
アイリスは今後の事を考えるだけで憂鬱になり大きなため息をした。
いつも読んでいただきありがとうございます。