花は怒ると牙が生える
僕が思う中の天才である瀬貝に会い。
明日また同じ場所で会うことを約束した。
あちこちで時間を潰し、日が暮れたため、帰路についた。
家に帰ると妹からのお叱りが待っていた。
玄関に駆けつける彼女は僕を見て頬を膨らませた。
「ねぇ!、今日なんで騙したの!?」
「悪かったって、でもこれは僕は悪くないんだって」
いつもは大体僕が悪いことは認めるが、今回はしょうがないんだよ
「んんー!!」
誘拐犯に威圧するように言った。あとアホ毛がゆらゆらとした。
「これから、来葵は兄者を、妖怪学校あるある星人として、またこの事案があったら、信じないことに決ま
りました!」
その妖怪の被害者は僕もなんだけどな。
そう思い、周りの被害にも注意するようにすることを心に決めた。
「こうして!来葵の決まり、31条として、定められたのであった。」
「お前そんなの作っているのか?あとの30個が気になるって」
「うーん?兄者に噛みつかないこととか?」
「ぜひ守ってもらいたいな!!物理的になら絶対守れよ!?」
「検討に検討をしときます!」
こうして天才は僕を叱って、僕を正すことや、修正させることはしない。
自分自身が今後再び間違えないように修正する。
僕には真似できないことだ。いつかまた、サドルを持つ機会が訪れるだろう。
僕はその夜、瀬貝の言葉を思い返していた。
あの会話には、どこか不思議な、不可解な点が散りばめられていたからだ。
まぁいいか、明日瀬貝に聞けばいい話だ。
そして、暗い部屋から、さらに暗いまぶたの中に引き込まれていった。
やはりだ。
目を覚ました僕は、デジタル時計を確認してそう言った。
時刻を見ていた訳では無い。大事なのは日付なのだ。
そう、僕は再び1日前に戻っているのだ。つまり今日が8月29日だった…
もちろん驚いていたが、ここ数日の非現実的出来事の連発によって、思ったより体が動いた。
僕は予定より早く学校に向かった。
あいつと話をするために。
昨日の疑念が腑に落ちた。
あいつはこれがループであるという定義すら疑い、策を練った。
まだループと言えるものなのか、まだわからないと思ったのであろう。天才だ。
だから、あいつは別れる前に「また、今度!」という言葉を残したんだ。
また僕の夕飯を聞いたのは、僕の夕飯であったスパゲッティを合言葉にするためだ。
やはり、あいつに相談したことは正解だった。
不安は瀬貝に押し付けれたので期待を胸に自転車を飛ばした。
朝から気温が高く、日を照らすこの中で過ごすのは、到底ありえないのだが、必ず瀬貝に会わなければいけないという熱が暑さを軽減させた。
自転車置場から校舎に向かうとなると、必ずテニスコートを仲介するため、毎度のように久寺彩薇は僕に気が付き、目が合うと首を傾げる。
トントンとボールをバウンドさせ、宙に上げたボールをトコンッと振り抜く。
ボールは金網を跳ね返った。
そして審判がゲームセットと言う。
どうやら、試合が終わって休憩に入るらしい。
木の陰のもとにある日陰のベンチに僕と久寺は座り込むと、話を切り出す。
「えぐいサーブだったな、相手は反応できてなかったぞ?」
「そう?あーゆうのは私としては面白くないから好きじゃないわ」
強者は強者のもとで成長するということか。
「ところで五行君、なんでわざわざ私に会いに来たのかしら?」
「そうじゃないんだよ、お前と会ったのはたまたまだ」
「あら?そうなの?」
キョトンとわざとらしく、あざとらしくそう言う。
「瀬貝に会いに来たんだよ」
「ふーん、昨日は私とデートしといて今度は瀬貝君とデートかしら?」
「たとえ瀬貝と遊びに行くにしてもデートとは呼ぶなっ!」
そう昨日、つまり28日は久寺との水族館デートに行ったのだ。
僕は8月の終わりの合図として捉えていたんだけどな。
「ふふふっ♪」
彼女はいつものように楽しそうに僕をからかう。
そして、涼しい風と少しの沈黙ができたため、僕はそれとなく聞いてしまった。
「僕のさ、昨日のデートで悪かったところってあったか?」
彼女は厳しい目で冷たい視線を送る。
「そうね、わざわざ楽しかった思い出から、あなたの嫌のところを探させることかしら」
「うぐっ…」
少し怒らせてしまったようだ。
つい、また明日、デートに行くことになったときの参考にしようとしたことが軽はずみなことであったか。
野暮なことを聞いてしまった僕は何も喋れなくなる。
「はぁ、まぁいいわ、そうね」
そう、言って考えてくれる。
僕はこんな状況だからどんな表情もできず、左下あたりを見ながら固唾をのむ。
「そうねー、ジンベイザメとか、綺麗な魚を見るたびに小さい声で、うぉおーって言うところかしら」
再び涼しい風と沈黙ができる。
「…どうしたの五行君?そんな顔をうずくめて?」
彼女は悪い笑みをこぼし、過去一痛いところを僕は刺された。
めちゃめちゃ恥ずかしい弱みを握っていやがった!
「てっきり、私はボケで魚とうおーをかけているのかと思っていたわ。でも何回も擦るものだから、
口癖ということに気がついたわ。」
彼女はきっと、こっちを見て得意げに言ってるであろうが、僕はもちろん彼女を見れない。
「まるでゾンビのようだったわ、あれだったらウォーキング・デートね。
それとも、うぉーって言う・デート、かしら?」
「僕が聞いたのが悪かった!本当に悪かったって!本当に反省してます!!」
「あらそう?…ところでどこを噛まれたのかしら?」
「僕の話を聞いちゃいないな…」
僕は少しだけ昨日になって欲しいと願ってしまった。
この出来事は必ずなかったことにしたい。
軽減させていたはずの暑さは、耐えきれなくなり僕を熱くする。
日が昇ってきたせいなのか、恥ずかしさからのぼせてしまったのか。
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次の第五話をお楽しみに!来週には出すイメージ…かな