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ベースの行方は

ということで、ベースはアリカに案内されて、ゲートへ向かった。

「本当に申し訳なかったわ。でも、決して、あなたが疑われていた時、私も連行されていたのよ。あなたの無実を否定することができなかったの」

(無実?この世界の僕は冤罪で捕まっているのか?)

「そして、、、本当なの?あなたが牢獄で三人の死刑囚を殺したという話は、、」

(マジか)

「い、いや、それも冤罪だ」

(理由とか聞かれると面倒だしな)

「ついたわよ。ここがゲートを管理しているところ」

「ありがとう」

「え!ありがとうって!?あなたが嬉しいなら、私も嬉しいわ!!!」

(この世界の僕はめっちゃ好かれてるな、、、)

そうして、仮面を被った、管理の人に話をすることにした。

髪色から見るに僕たちの世界であった男とは別人のようだ。

アリカもついてくると言ってきて、疑われるのも大変なので、連れて行くことにした。

どうせ、ゲートが開いたら、自分だけ飛び込めばいいのだ。

「うっ」

なんだ?急にーーー

体の底から黒い気持ちが湧いてくる。

嫌な感じだ。

「ゲートの使用は原則禁止となっておりまして、、」

(え?いや、仮面の男があんなに異世界に詳しいのに!?)

「どうしてもの場合はどうだ?」

「え、それは、、、」

そんな軽い口論をしていると、

「何の騒ぎだ」

そこにいたのは、金髪に仮面の男。間違いなくベースがあった男がいた。

「なっ!ベース!?なぜここに、、!」

(こっちの世界の僕に言ってるのか?それとも、僕が異世界から飛ばされたって見抜いた?)

「とりあえず、二人だけで話がしたい。こっちに来てくれ」

アリカが心配そうに見ていたが、別室に連行されてしまった。

「あなたは誰なんですか?しかも異世界のことにすごく詳しい、、!僕は異世界に帰りたくて!」

男は驚いた顔をして答えた。

「お前、異世界のベースだったのか。ああ、あの時の。

実は色々あってな、、、」

そう言って男は仮面を外す。

そこにあったのは、赤い目に綺麗な金髪。

マイクだった。

「あなたは、異世界のマイク、、、?」

「ああ。ゲートなら、今から開こう」

「ありーーうっ!」

言いかけるとまた同じように何か変な感じで感情が溢れた。

「はぁ、はぁ、これは、、、?」

「っ!!君はどれくらいこの世界にいたんだ?」

「おそらく半日は、、、」

「それはまずい!共感覚が始まってしまう!」

「共感覚?」

「君たちは自分たちの世界からこっちに来た存在だ。

そして、同じ魂は一つの世界に存在できない。この時点で、この異世界術は、根本的にこの世界のあり方を破壊するものだと分かるだろう。だから、禁止にしているわけだが。話を戻すが、重複する二つの魂は矛盾を補うため一つになろうとする。

すると、別の二人の魂が混ざり始め、来た存在の感情がもといた存在の感情によってくる。普通は一時間もすれば共感覚が始まるのに運が良かった。今すぐ自分の世界に戻るんだ!」

「これが、、、」

入った時からおかしかったのはそういうことか。

それと、闇落ちマイクの方の異世界のアリカたちがすぐ帰ったのもこれがあったからなのだろう。

湧き上がってくるのは、怒り、憎しみといったところか。

もしも、僕がマイクに会っていなかったら、僕もこうなっていたのかもしれない。いや、今までの状況を考えるに異世界同士、性格も違うようだし、それはないか?

「あれ?」

ふと、感情が湧いてくるのが止まった。

感情は水面のように静かになり、もとの自分になっている。

「共感覚が、なくなりました」

「え?」

「マイク様!ベースが牢獄からいなくなったと連絡がありました!」

「ベースが別の異世界へ行ったということか!?」

(まずいな。もし、この騒動にアリカとマイクが関わっているなら、僕と間違えてこの異世界の僕を見つけたのかもしれない。

話を聞くに、異世界の僕は人を殺しているかもしれない。

今すぐ、その人を探さなければ!)


**********************


「やばっ!めっちゃ早くついた!」

アリカ、マイク、あとブールスは闇落ちマイクの世界のアーベルカ王国にきている。

どうやらこの世界ではマイクによってすべての国がアーベルカ王国の支配下であり、とくに勇者のいるネイビー王国は第二拠点のような存在で二つの間の交通網が恐ろしく整備されているようだ。

「馬でひたすら走って数時間で着くなんて、、!すごいわね!」

「当然です」

馬車からマイクも出てきた。

顔から

うおおおおお!!速ええええ!!

と思っているのだろうが、それを言ったらブールスにバレる気しかしないので、ひたすら黙っている。

「じゃあ行こーーーーーうわっ!?」

「うおっ!?」

アリカとマイクに起こったのは共感覚である。

(何この感情!?なんか背中がぞわぞわして、、、)

(これはなんだ!?なんか、すげー、、悲しい?)

「どうされたのですか?」

「な、何でもないわ!とりあえず、その、ゲートから出てきた人が行くところへ連れて行ってちょうだい!」

「分かりました。無論、ゲートから出てきた人は牢獄行きです」

「そこに行こう」

マイクはできるだけ低めの怖そうな感じでそう言った。

「では、私は仕事がありますので、、、マイク様は牢獄によく行かれますので、道はご存じですよね?では私はここで失礼します」

そう言ってブールスは去って行ってしまった。

「え、また分かんないんだけど!?」

「やばくね!?俺地図も分かんねぇぞ!?てかやっと喋れたー

マジハラハラするわー」

「あ、あれじゃない?」

そうして、二人は静かそうな店に入って行ったーー


「でもなあー、なんで互いにマイクを殺さねって誘わなかったんだ?」

「あなた本当にバカなのね。あの様子を見れば異世界では私たちとマイクが友達なのは見て取れるでしょう?あなたに余計なことを言われないよう、喋んなって言っといたのは得策だったわ」

「あのー、ここは牢獄ですかね?」

マイクが話に割って入る。

「ま、まま、マイク様!?どうしてこちらに、、!?」

「あのー!!」

「私!?」

「ベースが異世界に連れ去られちまって、探しにきたんだ」

「異世界の私とマイクなのね、、、」

「あと、今の話、、、」

「ごめんなさい。正直に言えば、私たち、異世界といえどあなたたちとってマイクは敵となっていると踏んでいたの。

そして、この研究施設であなたたちの世界へ行こうと作戦を立てていたわ。

私は異世界術を使えるから、その頃、ちょうどあなたたちが開けたゲートを察知して、ゲートに入ったって感じ。

だけど、全然みんなの性格や状況が違うようで、共感覚のこともあり、色々と詳しいことも言えないまま帰ってしまったわ」

「そういうことだったのな!俺としては少し複雑だが、とりあえず牢獄へ行かせてくれ!そこにベースがいると思うんだ!」

異世界のアリカの言うことは全く理解していないだろうが、マイクはそう言って話を進める。

そうして、アリカに案内され、牢獄へむかった。

「ちょっと待って、じゃあ、あなたたちは半日ぐらい前からこの世界にいるの?」

「え?そうだけど、、、」

「、、、、、」

「なんだ?」

「どうして共感覚が始まらないのかしら???」

「なにそれ?」

「異世界の自分と感情が混ざるのよ」

「あ、さっき、なった気がする!」

「え???」

「別に何ともなかったよな?ちょっと変な感情が出ただけで」

「そんなことが、、、、」

「それよりも、ベースに言われた内容の確認をしたいの!」

「確かに!」

「あなたは、ただの人?」

「え?いや、私は勇者よ。どうして分かったの?」

「いや、今のは聞いただけ!異世界に魔法や勇者、龍種の観念があるか気になって!私は始まりの龍種だから!」

「始まりの龍種の存在はきいたことあるわ。龍種も存在すると言うことぐらいしか、、、魔法はよく知っているわよ」

「なるほどね!!

あれ?なんで、私、初まりの龍種なのに異世界に行けたんだ?」

「うえ!マジで確かに!!」

「どういうこと?」

アリカは始まりの龍種について詳しく、異世界のアリカに教えた。

「あっ!分かった!ライの場合、一度も転生したことがない純粋な魂だけど、私のやつは、龍種の魂に()()()してるからね!」

「上書き、、、?」

そんなこんなで牢獄に着いた。

顔がバレないようにアリカとマイクは仮面をもらって行くことにした。やはり、顔を隠すと言ったら仮面が王道のようだ。

「あれ?いない!?」

「マジ!?ここまできたのに!?」

(あれ?ここ、見覚えがーーー)

『あれは、事故だったのよ、』

『ごめん、、ありがとうな』

何これ?

ウェジラータに記憶を思い出せるようにされてから、よく分からない記憶を思い出すようになっていた。

「ここにいないってもしかして、ベースさんはこっちじゃない方の世界に行ったんじゃない? 私たちもゲートから人が来たとは全く聞いてなかったし、こっちに来たとはどうも考えられないのよね」

「マジかよ!?」

「どこか、もう一つの異世界に繋がるゲートってない?」

「あっ!あるわ!このまま牢獄の中に研究施設もあるから、そこに行きましょう」

そして、アリカとマイクはやっとベースがいる方の世界へ行ったのだった。

ゲートに入ると、そこは牢獄。

どうやら、もう一つの異世界でもここは牢獄のようだ。

「あっいたわ!!」

「おーい!ベース!」

そこにいたのは、、、もう一つの異世界のベースだったのだ。

だが、頭のいいベースがいない今、アリカとマイクはそれに気付かない。

「ベース!やっと見つけた!こっちの世界だったのね!とりあえず、色々情報があるから、憩いの場で会議しましょう!」

(誰だ?こいつらは。雰囲気が俺の知ってる奴らとは違う?

こっちの世界とは、、、、とりあえずこの機を利用しない手はないな)

「あ、ああ。分かった」

「ベース、私たちの世界へのゲートを開いて!」

(まずいな、魔法は使えない)

「え?ベースさんはちょっと前にゲートを開いたから、あと数日はゲートを開けないわ」

「そうだ」

「じゃあ、アリカさん、私たちの世界に繋がるゲート、開けられる、、?」

「分かったわ」

そうしてベースがいる異世界の、ベースはアリカ、マイクとともにアリカたちの世界へ戻ることになった。

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