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ウェジラータ発見

それから馬車に3日乗り続けてアリカ達はネイビー王国の近くまで来ていた。

「ライ、ウェジラータの魂を感じる?」

「近い!!!この近くにいる!!」

ライの魂の感知はウェジラータの魂をよく感知するとかはできない。

始めはウェジラータの魂が膨大すぎたからだと思われていたが、今思えば、策略がライにバレないようにウェジラータがそう作ったのだろう。

「じゃあ勇者の方は!?」

「近い!!この辺りだ!」

そうライが答えた。

「うおおお!!じゃあどうする?」

相変わらず人任せなマイク。

「手分けするという手もあるけど、ウェジラータ達に襲われる可能性があるなら、集団でいた方がいい」

「父さんはもうこっちに危害を加えることはない」

ライがそう言い切るが、みんな本当にー?みたいな反応である。

「まあ、そのウェジラータってやつ?を信じてやるか!」

人を疑うというのは気持ちの良いものではない。

マイクは一番ウェジラータと付き合いの長い、ライの言うことを信じることにした。

マイクがそう言ったこともあり、アリカ達は一人一人別々に行動し、見つかったら、ライが雷の力で作ってくれた光玉を出すと言うことになった。

別れ際、ライが言った。

「その、、、悪かった。勇者というだけでお前らを憎んだし、その結果がこれだ。俺はこんなやつなのに力を貸してくれてありがとう」

「別にいーぞーイゾー!」

「気にしなくていいよ」

「まあ、幸せならそれでオッケーです!」

マイクとアリカが謎だが、和解できたようだ。


各々分かれて、怪しそうな小屋や洞窟を見て回った。

はじめに見つけたのはアリカだった。

「ここは、、、!」

「アイラか、、、ついに見つかってしまったな」

(ウェジラータ!!本当に生きてたのね!!)

「安心するが良い。部下達は奥の方で休んでいる。

お前達がくることはバラしていない」

さすがウェジラータというところで、どうやら魂を感知してアリカ達が来ることに気付いていたようだった。

「アイラね、、、そういえば、前世の私を殺したのもあなただったわよね」

「ああ。お前の前世を殺すことで、この世界に転生させようとしたからな」

「そうだったのね

とりあえずこの光玉でライを呼ぶわ。そこで誠心誠意謝るのね!」

「まて!」

ウェジラータがそれを止めた。

「あいつに合わせる顔がないんだ。初め私の目的はこの体をオリジンの呪いから解放することだった。だけど、作った存在のはずの、、、愛さないはずだったあいつらと一緒にいるにつれて、情が出てきてしまっていた。何千年もの間の我が子達との生活が、何よりも大切だったと気づいたんだ。もちろん、アリカ君もだよ」

「え?」

そこには父親の顔をしたウェジラータがいた。

アリカにベルターという父親はいたが、彼はアリカを愛していなかった。そうか自分もウェジラータの子なのだと、そう思った。

「すまなかった。私は目的のためにしてきたことを中途半端にできなくて、君たちを裏切った。アリカが私の策略に気づかないように前世の記憶を思い出せないように作ったんだ」

今までアリカがアイラやアイスビーン、まだ思い出していない前世での記憶を思い出せなかったのは、未完成な状態で死んだからだと思っていた。しかし、それは違ったのだ。

「でも、私は記憶を思い出せないようにしたが、記憶そのものを無くしたわけではない。今すぐそれを解く。そうすれば徐々にだが、きっと前世を思い出せる」

そして、ウェジラータはアリカの頭に手を乗せた。

「これが、、、」

アリカは思い出した。

『あなたは勇者の私と彼の子よ』

そう言って笑いかける女。

『これで私が自由になれる!』

そう叫んでいるウェジラータ。

『あなた、疑っているの!?誰よりもーーしてきた人を!?』

この人は誰だろう。

たくさんの記憶を、思い出した。アリカはウェジラータを本当の父親としてーーー

あれ?ベルターって私のこと愛して、、、なかったよね?

え?ちょっと、、、あれ?

私、生まれた時、、、


私、ここ数年しか記憶がない。思い出せない。今まで気づかなかった。


「どうした?」

「い、いや、、なんでもないよー!

そうだ、同じことをライにも言ってあげて」

「いや、私はーー」

「ライは、あなたを探すために私たちに協力すると言った。

ライはあなたが大好きなのよ。その落とし前はあなたがつけて」

目をしっかりと見て、アリカがウェジラータに言った。

「ああ。分かったよ」

そうして、ライやマイク、ベースを呼んだ。

だが、、ベースがいない。


**********************


時は十数分前。

ベースがウェジラータを探していると、怪しげな木々を見つけた。何かが隠してある風だったので、近づいてみた。

すると、、、

「っ!!これは、ゲート!?やばい!」

引き返そうとするが、目の前の大きなゲートに吸い込まれ、

異世界へと飛んでしまった。


**********************


「ごめんけどライ、ベースの魂を感知して!」

「分かった。ーーーーーーーあれ?ない!」

「どういうことだ?」

「ないんだ。ベースの魂が。ベースはこの世界にはいない!」

「ってことは異世界かよ!」

「もしかして、闇堕ちマイクが察知してーー」

「やべぇ!とりま、憩いの場に戻って残ってるゲートから異世界へ飛ぼう」

「おけ!」

「えっと、俺はー、、、」

ライが聞く。

ライは生まれてから一度も転生していない。そして、

始まりの龍種の魂は世界と重複しない。

つまり、ライの魂は純粋な始まりの龍種なのである。

だから、ライは異世界には行けない。

ベースが言っていたことだ。

ライが協力してくれる内容は闇堕ちマイクがこっちに攻めてきた時のための保険である。

実は今回の旅の本当の目的はウェジラータが危険因子となり得るか調べることにあったのだ。


「気にすんな!ライは父ちゃんと仲良くやってな!

行くぞアリカ」

「おけ!ベース救出作戦開始!

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