決戦
ってことで決戦の日がやってきた。
「こっちよ。私たちは一時間後に一斉に反乱をするわ」
異世界のアリカに案内されてどこか見たことのあるような城の中に入る。
「この城のどこかにはマイクがあるはずよ。一時間後に戦いを始めてちょうだい」
「おけ!」
そう言って異世界のアリカはまた他の人に指示を出しに出て行った。
「とりあえず、マイクを探そーぜ!」
「手分けはしない方がいいから、とりあえず、まとまって行こう」
「一時間も時間があるから慎重に行きたいわね」
異世界のアリカにもらった服を着て従者のような格好に変装する。
そして三人は探し始めた。
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「マ、マ、マイク様、、、!!多くの者が反逆を企て、内部からこちらを支持する者が減っています、、!」
ブールスが声を荒らげながらマイクに伝えた。
反逆をする側はマイク派の者の寝首を掻き取り、睡眠薬で眠らせたり、拘束したり、又はさらに仲間に入れるなどして戦力としてならないようになっていた。
「はっ、ははは、、!!」
「マイク様、、、?」
「見つけたぞ。この城の中にいる、、!!」
「何を言ってーーー、、」
「アイラ、、!!早く会いに行くさ」
そう言ってマイクはドアにバンッと開けて走り始めた。
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「今なんかすごい悪寒がしたような、、、」
「?どした?」
「いやなんでもーーー」
そう言いかけると、目の前から男がやってきた。
その赤い瞳と金髪をみてそれが異世界のマイクだと分かる。
「アイラ!!」
「え? 私たち知り合いですかね、、?」
「は?、、、お前、、、記憶を無くしたのか、、、!?」
「ちょっと意味わかんねーけど、とりまこの人が戦う相手だよな!?」
「うん。アリカ、この人についてよく知ってるの?」
「いや、知らない、、、、と思う、、」
「はっ、しらを切るか。その気配をしておいて、、、!?」
「いや、なんかすみません、、、」
「は?死ね。お前はもうアイラじゃないようだな、、、!!
記憶を、あの記憶を無くしたお前など、、、もう」
シュキン
マイクの剣がアリカを掠める。アリカが避けていなかったら、今頃頭から血を吹き出して倒れている。
「あっぶな!」
「アリカ下がれ!お前が俺たちの要だ」
アリカはベースの方まで下がり、マイクがマイクと向き合う。
「はっ、俺に守られるか。なあ、アイラ、、、!お前が俺をその気にさせたのによぉ!」
(この会話的に、異世界のマイクが探してたのはアイラ、つまり、アリカの前世の一人なのか?俺をその気にさせた、、、って?とりあえず、作戦通りに進めよう)
と、ベースは思考する。
「マイク!今だ!」
「うおおおおおおお!!」
マイクは異世界のマイクに向かって走り、剣を突き刺した
かのように見えたが、敵は地の魔法で盾を作り、攻撃を防いでいる。
そして、体制を崩したマイクに水の魔法を打ち込もうとしていた。
パチャ
アリカの使っていた高威力の魔法と違い、その攻撃はただマイクの顔を濡らす程度だった。
「え?」
(僕たちと魔法を使えるようになってからさほど変わらないとしたら、この威力を見るに、基本的なものしか使えない見たいだ。だとしたら、こっちにぶがある!)
しかし、、、
「ははっ! サンダーストライク!!」
ドッカーン
「うがっ!」
雷魔法は威力が高い代わりに命中度が低く、体力を消費しやすい。空の魔法は雷以外、天候を左右するもので常人には扱えきれないほどだ。逆に水魔法は当たりやすく簡単だが、攻撃力は低い。
しかし、その二つを合わせ、水を導火線のようにしてその先に雷を落とせば、命中率100%の雷攻撃ができるのだ。
それをモロに食らったマイクは一瞬で気絶し、後ろに倒れそうになる。
「ヒール」
そこをすぐさまアリカが治療し、
「サンキュー、アリカ」
マイクは再び剣を構える。
「使う魔法もそれか」
「あんたには使ってやらないからね!」
(さっきの攻撃、二つの魔法を組み合わせる、、、あれを知っている気がするわね、、)
「マイク!おそらく雷魔法は体力を使うから連発できない!今畳み掛けろ!」
ベースのその指示を聞いて、マイクはもう一度走って、切りかかる。
「まずはお前らの脳を潰す」
そう言って異世界のマイクはベースに向かって走る。
「くそっ、待て!!」
それをマイクも追いかけた。
「サウンドアース!」
異世界のマイクは地の魔法を使ってくる。
しかし、地の魔法は攻撃系ではなく、橋を作ったり、城を作ったり、時間をかけて何かを作るときに使うものだ。
(このスピードなら、このまま突っ走って乗り切れる!)
そう思い、マイクは加速したが、
「マイク!避けてー!!」
アリカが叫ぶ。
「うおっ、、、!」
寸でのとこでマイクは避けた。
地面からは植物が生い茂っている。もし避けなければ、マイクの足に絡みついたツタで身動きが取れなくなっていた。
もともと、植物の魔法はそんなに万能ではなく、生きた自然の植物を利用し、成長させる魔法であるため、舗装されたところでは全く役に立たないのだ。
だが、地の魔法で小さな植物の生えた地面を近づけ、そこで植物の魔法を使えば、動きを封じる重要な一手となる。
「あっぶねぇー」
「こういう使い方をしてくるってことか。アリカ。よく気付けたね」
「だって、これーー」
思い出すあの記憶。
『一つでは弱いけど、組み合わせれば最強になる。これってどんなことにも言えるのよ』
「私が教えた魔法ーー?」
「え?」
「っーーー!!」
「何言ってんだろ。私。でもなんかちょっと思い出した?」
(確かに全ての世界を敵に回してまで見つけようとした存在って、とても大切なものなはずだ)
「アリカ、作戦がある」
マイクが再び大声で走り戦っている間、ベースはアリカに囁いた。
「前世について思い出したふりをしてほしい
それで、もう思い出したから戦う必要はないって言ってくれ」
「分かったわ」
そういうとアリカは徐に立ち上がり、マイクたちの方へ歩いた。
「あ、あー!お、思い出したわ〜!!マイクじゃーん!久しぶり!もう思い出したから大丈夫!戦う必要なんてないわ!」
場に静寂が訪れる。
マイクは驚き、異世界の方は、、、
「はっははははは!!!言うはずがないだろうアイラが!俺はあいつに言われたから戦ってるんだぜ?」
異世界のマイクが思い出すのは、
『あなたは私のために戦って死になさい』
『はい』
『もし、成功したら、そのお礼にキスをしてあげるわ』
床に座り込み、上を見上げる自分と、立ち上がり笑みを浮かべながらそう呟くアイラ。
「ふっ、」
思い出しただけでも面白く幸せだ。
「え、あの人急に笑い出した、、、怖すぎだろ!!」
マイクが叫んでいるが、アイラはバレたのかと気が気ではなかった。
そして、ベースが叫ぶ。
「教えてくれ!今あなたが探していたアリカは目の前にいる!なぜ僕たちと戦うんだ!?」
「はっ!俺は言いつけは守る従順な犬だ。アイラに言われてるんだわ。お前らを殺し、そしてアイラにーー」
言い終わる前に異世界のマイクは直立しているマイクに剣を振った。
「っぶねー!急にやめろよ!まあ言いたいことは分かんないけどとりま、戦えばいいと!」
「異世界のマイク!よく聞いて!こっちの世界のマイクを殺せばお前だって死ぬ可能性が高いんだぞ!」
「それでもいいさ。こっちはアイラに言われてるんだからな」
(この人なんなの!?言いつけを守るためなら、自分が死んでもいいって言うの?)
(この人と会っていたアイラはなんでそんなことをお願いしたんだ?と言うか、アリカとあらゆる人が被りすぎている、、、こんな出来すぎた話あり得るのか?)
戦いはまだ続きそうだった。
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時は一時間前に遡る。異世界のアリカ、ベースはマイク以外のマイク派を相手に戦っていた。
その中でも最も強い敵側の戦力がブールスだ。
ブールスとベースは剣を交え戦っている。
「じょあそろそろね」
アリカは異世界術を使ってどちらかの異世界へ飛び立っていた。




