用語まとめ
用語まとめ
・魔法
木(自然)・水・地(地面)・空・異世界術、人間魔法の6つの魔法が存在している
・龍種
上の魔法のうち、一つに特化して操ることができる
属性に合わせて始まりの龍種の眷属である
・始まりの龍種
最初にできた龍であるウェジラータによって創られた存在
上から順に、
空の龍であるライ
地の龍のデイ
木の龍のリシャ
水の龍のセリステ
異世界術の龍のトーグ
人間魔法の龍のアイラ
がいる
・特殊能力
始まりの龍種が使う技で、自分の魔法の応用のことが多い
ライは「魂の感知」で勇者や龍種の魂がどこにあるか感知できる 長男としてウェジラータに与えられたものだ
デイは「分身作成」で地の魔法を使って土で自分の分身を作れる
リシャは「瞬間移動」で目的地付近にある植物に瞬間移動できる
セリステは「鏡」で人の心が読める
トーグは「無制限召喚」で異世界から人以外なら、無制限にゲートを繋いで召喚することができる
アリカの特殊能力は不明
・勇者 上の魔法のうち、一つに特化して操ることができる
・始まりの勇者 ブレイブ=アーベルカただ一人
始まりの龍種や勇者が出来た経緯
一人の科学者オリジンが新たな物理法則である魔法を創り上げた
さらにその魔法全てを扱える龍ウェジラータの核として、自らが犠牲になることによって世界の環境問題を無くそうとした
しかし、その計画は失敗し、すべての人間を憎む龍種が生まれてしまった
生まれたウェジラータは自らの魂を6等分に分けることで、支配をしやすくした
そこで出来たのが始まりの龍種である
そして、計画の失敗を悟ったオリジンの弟子である
ブレイブ=アーベルカが自らを核に、勇者を創り上げた
そしてその勇者が中心となって創られた国が、
マイク、ベース、アリカのいるアーベルカ王国である
・勇者、龍種の本能
龍種が人間を憎む感情は、本人の意思に関係なく起こるいわば本能である
それに引きつけられるように、勇者にも龍種を理由なく憎む本能が存在する
・憩いの場
ブレイブがいつかその本能がなくなるのを願い、ことの詳細を示した日記を隠した場所で
アーベルカ王国のお城の庭と王国の町の裏通りから、魔法によって通じている
マイク、ベース、アリカしか知らないので、秘密基地的に三人で活用している
崖の隙間にある、狭めの小さな土地に野原が広がり、一本の木が生えていて、町を見渡すことができる
・龍種、勇者の魂
龍種や勇者は生まれた時から特殊な魂を持っており、自分の属性とは違う魔法を使ったり、魔法の力を上げると消費される
肉体の死とは別に魂がなくなると死ぬが、反対に始まりの龍種は一定の魂が残っていれば肉体が死のうが、前世の記憶を持った状態で転生することができる
また、魂を譲ることも可能だ
・アリカ
アーベルカ王国の元敵対国であるシラクスの王女であり、
後に前世は、始まりの龍種アイラだったことが分かる
また、前世に水の龍のセリステの眷属であるアイスビーンという龍種であったこともある
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「何書いてんだ?ベース」
憩いの場の木に腰掛けながら、マイクが横目で聞いた。
「今までに分かったことをまとめておこうと思って」
ベースが答える。
「ほえ〜すごいね!」
そう言っているアリカは、野原の上で魔法の練習をしている。
気になったのか、マイクがベースのノートを覗き込んで読んだ。
「てか、俺、だいたいわかってないんだけどさ、」
そう前置きしてマイクが言う。
「始まりの龍種がいるのは分かるんだが、え、つまり始まりの勇者は転生すんのか? あと、異世界術ってなんなんだ?」
マイクがそういうと、ベースの目が点になっている。
え?のようなマイクを置いてベースが答えた。
「マイクなのにいい質問するね〜
始まりの勇者のブレイブさんが今も転生して生きている可能性はあるかも
異世界術の細かいのはこれから僕が調べるよ」
「え?調べられるの!?」
「うん、前に僕は勇者として覚醒したわけじゃん?それなら、
マイクみたいになんかの魔法が使えるかなって思って、昨日ここで試したんよね。で、これ見て欲しい」
ベースはそのあと
「ゲート」
と呟き、無から人一人がギリギリ通れそうなゲートを作った。
「うわあ〜!すげえ!!」
「これが!異世界への扉ってことなのね!ってことはーー」
アリカの言葉の続きをベースが答える。
「うん。僕は異世界術の勇者みたいだ」
マイクが地の魔法が使える勇者のように、ベースも異世界術が使える勇者だったわけだ。
ちなみにだが、アリカの中二病は徐々に治りつつあった。
初めから愛に飢えたアリカが中二病になったのだから、
まあ、すでにベースやマイクという仲間を持ったためだ。
最も、アリカのナルシストや調子の乗り具合は治ることはないだろうが。
「昨日分かったことをまとめると、まず、僕たちの世界から移動できる異世界は2つだけだ。その2つの異世界は僕たちと同じ性質の人がいるが、その状況に違いがある
他の2つから見ても互いに観測できるのは、こっちだけだ」
「「うーんと? わからんー.....」」
「とりあえず、もうすぐ学校が始まるから、放課後またここ集合してくれ」
ということで、一旦学校へ行くことになった。
ベースの提案で、今までアリカはシラクスの高等教育を受けていたのだから、貴族学校に行ってもいいのではないかとなり、アリカがシラクス国との戦争を解決したという貢献から、アリカは貴族学校に通うことが許された。
リカコたちにはきちんとお別れをして、たまに家に行ったりするそうだ。
「はーい、今日はみんなに転校生の紹介があるよー!
入ってー!アリカさーん」
そう先生に呼ばれ、アリカは教室に入る。
貴族学校は設備の綺麗なお城の中にあり、貴族の数は少ないのでひとクラスしかない。しかも十数人程度だ。
「我が...じゃなくて、私の名はアリカでーす!よろしくお願いします!」
と言い放った。
リカコたちの学校に入学したときは
我が名はアリカ。今宵からこの地へやって来た。よろしく頼む
などと少々頭のおかしいことをほざいていたが、今ではその記憶はいわゆる黒歴史化し、思い出すだけでアリカは発狂しそうになる。自業自得だな。
当の本人はというと、
(いやでも私、これモテるよな!?今年はほとんど女子いないし、転校生とかモテの塊やん!?てか、まず私のこの可愛さよ!美女すぎてみんな目が焼かれないか心配なレベル!!!)
前言撤回。こいつまだ中二病残ってんな。
まあ、という感じで貴族学校に入学したのだった。
ちなみに席はフレインという男の隣だった。
「こんちくわ!入学してきたアリカだにょ〜ん!」
「こ、こここ、こんにちは...!」
(陽キャ!?怖〜...拙者は二次元の女子にしか興味ないでござる!!)
こっちも癖強の人だったわけだから、なんだかんだでうまくやっていけそうだ。
肝心の授業はというと、アリカにとっては一般常識の礼儀作法が多かった。
(え〜簡単じゃーん やはり私のこと天才的な頭脳に教えられることなどないということか!?はっはっは!!!)
やばいこいつが調子に乗り始めた。
ってことで休み時間。
アリカは教室でいろんな人に挨拶している。
マイクとベースは教室の外の窓枠に腰掛け、話している。
「そろそろお見合いの時期だが、マイクはどこの貴族を妻にするつもりなんだ?」
ベースがそう話題を振った。
「え??お見合いかぁー 俺には別に誰が好きとかないんだよなぁー できればやりたくないけど、これも王のつとめか
そういうベースは決まったのか?」
「え?」
「やっぱ名門のどっかにするん?」
「僕は....嫌だ」
「????」
「嫌だ僕は.....他のやつとは恋愛したくない」
「他の、やつ?」
「っーーー」
目を伏せるベースを見てマイクは何かを察した。
マイクはバカだが察しが悪いわけではないのだ。
「もしかして、ベース.....」
「なんだよっ!」
そう答えたベースの頬はほんのり赤色に染まっていた。