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1.自販機を開けて出てきた奴

「う~、終わった~。さ、帰るか」


 ここ1週間程取り組んでいた業務が終わり、俺は1人残っていたオフィスで呟いた。


 オフィスの入っているビルから出る前に、ふとビル地下の自販機で売っているイチゴオレが飲みたくなり、階段で地下に降りた。

 最近の俺のお気に入りのドリンクなのだが、何故かコンビニとかでも見かけないメーカーの製品なので、飲みたくなったら地下の自販機で買うしかないのだ。


 このビル地下は日中だけ食堂や売店が開いているのだが、夕方には全て閉めてしまう。

 他に会社のオフィスなども入っていないので、夜は廊下の照明が消されており、無人のスペースを自販機の灯りと避難指示の非常灯だけが光っているというちょっと不気味な状態となっていた。

 こちらに側面を見せている自販機まで歩いて近づいていき、自販機前まであと5メートル程に迫ったときにそれは起こった。


 自販機の扉がゆっくりと開きだしたのだ。


 ……いやいやいやちょっと待て!何このホラーな光景!?


 間違いなく俺以外の人間はいなかったので、商品補充の人が陰に隠れてるなんてことは絶対に無い。

 自販機の扉の蝶番側が俺の方を向いているので、開いた自販機の中がどうなっているのか見えないのが余計に怖い!


 パニックを起こして茫然としていると、開いた自販機扉の陰から会社の後輩である班目谷(まだらめや)が出てきてこちらを向いた。

 俺と目が合って班目谷も驚いた顔をしている。


「あ~、先輩、お疲れ様っす。今からお帰りっすか?」

 

「え?ああ、まあな」


「じゃ、俺も帰りますんで、お先に失礼しまっす」


「おう、お疲れ……ってなるわけねえだろが!説明しろやあああ!」


 ◇◆◇


 その後、自販機の中に戻って逃げようとする班目谷を引きずり出し、班目谷が会社に戻ってきた目的である忘れ物のスマホを本人の机から無事回収したところで、地下の自販機前に2人で戻ってきた。


「お前、逃げてたらスマホ回収できなかったんじゃね?」


「まさか先輩が居るとは思わなかったんでパニくってとにかく逃げようと……この時間なら誰もこんなとこいないと思ったのに……」


 ジャージ姿の班目谷が溜息をつく。風呂上りに充電しようとしてスマホを忘れたことに気付いて慌てて着てきたらしい。それにしても焦り過ぎだろ。スニーカー左右で違ってんじゃねえか。


「……で、どういうことなんだ、これは」


 自販機の扉を開けて中を覗くと、中は短い廊下に繋がっていた。廊下は突き当りを左に曲がれるように見える。

 天井にポツンと薄暗い照明が付いてる以外は設備や装飾らしきものはない。


「あ、ここは俺の住んでるアパート近くの建物の中っす」


「それがどうしてこの自販機に繋がってるんだ?ん?っていうかお前のアパートの近くならここから結構距離あるだろ?」


 わざわざ専用通路を繋げたのか?それも自販機に?


「俺も偶然見つけたんで詳しいことは全く分かんないんですけど」


 そう言って班目谷はこの通路を知った日のことを話し始めた。

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