57話 同盟
「それにしても一体学園で何があったのですか父上?
魔術王国と剣王国が私達と同盟を強化したいと申し出るなんて。
あれほどこちらを敵視していたのに」
正装に着替え、シャティルに付き従って神殿の廊下をあるきながら第一王子リュートが尋ねた。
今各国の王族は三国の中央にある 神官都市『シリウス』の神殿で会議を行う事になっている。
今日は秘密裏に三か国の王族が集まり同盟を結ぶことになっているからだ。
今までの同盟を結んでいないわけでもなかったが、それよりも強固な平和条約と同盟をと剣王国と魔術王国側に不利な条件をつけてまで望んで懇願してきたためだ。
「うん。何でも我らの可愛いお姫様が学園で頑張ってくれているらしくてね」
「セレスがですか?平民のふりをしたいなど変わったお願いをすると思っていましたが……。
考えあっての事だったのですね」
「そうだね。前から少し不思議な子だったから、何があっても驚かないつもりだったけれど、親の想像を超える成長には驚かされるよ」
と、嬉しそうに笑うシャティル。廊下の前には大きな扉があり、参加国の兵士がずらりと並んでいる。
すでに会議室には魔術王国と剣王国の国王たちが待っているはずだ。
――が。
どこぉん!!
兵士たちとシャティルの中間地点あたりに巨大な魔法が直撃する。
「なッ!???」
シャティルがとっさに隣にいたリュートを庇い、
「子どもなど守ってる余裕があるのですかね?聖王様?」
背後突如現れた魔族がにやりとシャティルに牙を向けるのだった。
誤字脱字報告ありがとうございました!
「えばらない」が、関東の方言だってはじめてしった今日この頃!
ありがとうございます!
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