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52話 プレゼント交換会

「どうしたのセレスちゃん?」


 こんにちは。何やらサラディウスに向かって来る魔族の気配を感じたので、念じて滅しておきました。

 無駄に最強幼女のセレス・キャラデュース(10歳)です。

 いま、アリーシャとリーチェ達と雑貨屋さんでプレゼントを物色中です。

 どれも可愛くて目移りしてしまいます。

 ついつい可愛い系に手を伸ばしがちですが、プレゼントが男子に行くことも考えると露骨に可愛い系にするわけにもいかないというジレンマです。


「どれにしようか迷ってます」


 むむむとペンとノートを見ていれば「確かに男の子にも行くかもしれないから難しいね」と、アリーシャ。


「二人とも筆記用具にするの?」


 リーチェが聞いてきます。


「そう。筆記用具。一番実用的」


 と、私が答えればリーチェが「みんな同じじゃつまらないから私はあっちで選んでくるー!」と、ハンカチの方にいきました。


「そうだね。じゃあ私も違うの選んでくるね」


 と、アリーシャも別の所に行ってしまいます。


 そうですね。私も楽しみしております。

 私は光の角度で見え方が変わる綺麗なペンと普通のノートを選びました。

 

 喜んでもらえると嬉しいです。



■□■


「というわけでハーフェスタのプレゼント交換ですよー」


 セディスがエプロン姿で言いました。


 こんにちは。授業が終わり、皆で私のホテルの部屋でハーフェスタのお祭りをやっています。

 毎年家族としかやった事がなかったので初めてのフレンドとのハーフェスタです。

 皆で神に感謝の祈りを捧げ、歌を歌いお菓子を食べて最後にプレゼント交換が習わしとなっております。

 みんなで食べるお菓子はやっぱり美味しいです。

 お泊り会といい、最近幸せすぎて自分がリア充なのではないかと錯覚を覚えてしまいます。

 そのせいで城では大失敗をおかしましたが、過去は振り返りません。

 そう人間は常に前を見続けねばならないのです。


 そしてお菓子を食べ終わり、ひと段落ついたところで、セディスがプレゼント交換のための箱をもってきました。


「だれがだれのプレゼントに当たるか楽しみだねー」アリーシャが言えば


「セレス様の喜びそうなものを用意しました!」と、クライム君。


「ひっどーい。私たちは?」


「女子が喜びそうなものに訂正します」と、リーチェに言われてしょげるクライム君。

 

 クライム君もここらへんはやはり年相応の子どもなのかもしれません。


「僕も女子たちが喜びそうなものを買って来た」

 

 ジャンが言い、


「お前ら、俺の事は眼中にすらないだろ」


 と、リカルドが男子二人を睨めば


「当然でしょう」「プレゼントをもらって喜ぶタイプではないではないですか」

 と、男子二人に突っ込まれ、


「なんだとぉぉ!!」と、じゃれあいを始めます。


「微笑ましい光景ですね」


 と、私が3人の戦いで被害がでないように結界を張って言えば


「お嬢様の微笑ましいの基準がおかしいとおもいます」


 と、結界の中でじゃれあって攻撃しあってる3人を見てセディスが呻きました。

 まぁ皆怪我は出ない程度のじゃれあいなので放っておいて大丈夫でしょう。

 ちゃんと加減はできているので大丈夫です。

 男の子はやんちゃくらいがちょうどいいと、どこかの誰かが言っていた気がします。


「ほらー、遊んでないで、プレゼント交換だよー!」


 と、リーチェがくじをもってきます。

 皆で棒を箱から引っこ抜いて、同じ色同士交換するのがこの祭りの醍醐味です。

 

 なんでも畑から大根を引っこ抜いたのが始まりだとか始まりじゃないとか。


 まぁ由来など何でもいいのです。

 このくじを引くときのわくわく感がたまりません。


 皆で棒を一本ずつ取って、リーチェの合図を待ちます。


「それじゃあいくよー!」


「「「はーい!!」」」


 と、元気よく返事をして


「せーの!!はーふぇすたぁぁぁぁ!!」


 と、皆で棒を引っこ抜きました。

 凄いノリがパリピっぽいです。

 嬉しすぎて顔が赤くなってしまっていないか心配です。


 私の棒の先はピンク色です。

 一緒なのは……


「あ、セレスちゃんとだ」とピンクの棒を持っていたのはアリーシャでした。




「わぁ、セレスちゃんの選んでくれたペン可愛いー。七色に光る。

 大事にするね」


 と、私が選んだプレゼント見てアリーシャが嬉しそうに言ってくれます。


「私も……アリーシャの選んでくれたブックカバー大事に額縁に飾っておく」


 と、綺麗な革制のブックカバーを抱きしめました。

 初めてのフレンドからのプレゼントです。もう毎日拝み倒す勢いで大事にしなければいけません。


「え、だめだよ、そこまでする物じゃないよ。

 使ってくれると嬉しいな」とアリーシャ。


「学校指定のノートがプレゼントってリカルドらしいなぁ」


「絶対使うだろ!無駄にならない!

 お前の選んでくれたハンカチ大事に使うな!」


「うん。私も大事に使う」


 と、リーチェとリカルドがプレゼントを交換し、


「何故僕がジャンのプレゼントなのでしょうか」


「それはこっちのセリフだ」


 と、ジャンとクライム君がなぜかお互い黒いウサギのぬいぐるみをもったまま立ち尽くしています。


「何で二人ともプレゼントが黒いウサギのぬいぐるみなんですか?」


 と、セディスが聞けば


「以前街にでた時、セレス様がじっと見てました」


「黒いウサギの物があると視線が行く傾向にあります」


 と、ジャンとクライム君。


 ……そうだったのでしょうか?そういえば可愛いなとよく見る気もします。

 また二人のおかげで新しい自分が発見出来ました。

 言われてみれば私は黒いウサギが好きなようです。


「君達ややストーカーがはいってて怖い」


 と、セディス。やめてくださいセディス。

 アリーシャの言動に目を配らせている私にも地味に突き刺さります。

 フレンド愛ゆえに視線で追っているだけで、他意はありません。

 ある意味被害者なのになぜか私が一番ダメージを喰らっている現状は解せません。

 ジャンとクライム君はなぜか「それほどでも」と照れていて嬉しいようです。


 この二人はきっと鋼の精神なのでしょう。

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