34話 リア充の真っただ中
「わぁぁぁ!!すごい!!」
こんにちは。頭をフル回転させてアリーシャの叔父さんを思い出そうと思いましたが、ない頭では無理だったらしく何も思い出せなかった、セレス・キャラデュース(10歳)です。
あれからアリーシャに案内されてラムウ王国の中心部に遊びにきました。
そこにはゲームではおなじみのミニゲームの場所。
ゲーム街になっており、リズムゲームの機械がいっぱい置いてありました。
音楽とリズムに合わせて体を動かすタイプのやつです。
私たちはヴェラルドさんが昼間は仕事があるというので、出かけるのを見送ったあと街に遊びにくりだしました。
セディスは用事があるとどこかへ去っていき、ジャンとクライム君の護衛が一緒に居ます。
「これがゲーム機ですか。僕もはじめてみます」
と、クライムがしみじみと見ていました。
目の前にどでんとあるのはリズムゲーム機です。
リズムに合わせて体を動かしポイントを出すあれです。
一応古代の遺産であり、立派な古代文明の魔道具で、なぜかラムウ王国でしか作動しません。
そのためこのゲームが出来るのはラムウ王国だけで、この機械目当てで観光客がたくさんくる観光地でもあります。
「僕はやったことあるぞ。結構難しかった記憶がある」
と、何故かちょっと得意げのジャンに
「おっしゃーじゃあ、勝負だ!勝った方が帰りのジュース奢りな!
クライムお前もな」
リカルドが男子らしい提案をしました。
「いいだろう。望むところだ」
「初めての自分はやや分が悪い気もしますが、いいでしょうやりましょう」
ジャンとクライム君が言うと
「三人とも頑張れー!!」
「頑張ってね」
応援するリーチェとアリーシャ。
こ、この光景はっ!!
リア充です。いま私はリア充の真っただ中にいるのだと思います。
その光景をはわわと憧れと羨望のまなざしで私が感動していたら
「じゃあ三人が終わったら今度は私達三人でやってみようか?」
と、アリーシャ。
「やるやるー!次は女三人で勝負しようー!」
と、リーチェまで言います。
ふっ。現代日本ですでにリズムゲーに慣れしたんでいる私には楽勝!
……となると思いましたか!?
身体を人前で動かすリズムゲーはパリピのゲームです。
人前で身体を動かす!そんな恥ずかしいゲームが陰キャの私にできるわけがありません。
日本でもあこがれと羨望のまなざしで見るだけで、プレイ出来てなかったような記憶があります。
ですが誘われたらやる!それがリア充です!フレンドです!
付き合いが悪いのはいけません。
やってみたかったけど恥ずかしくて出来なかったので、出来て凄く嬉しいとか思っていません!
はい、断じて!これは大人の付き合いというやつなのです!
見かけは子供、中身は残念大人なこの私でも、空気は読まねばいけません!
「……うん。やる」
私はこくりと頷くのでした。











