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31話 他視点

 セレスちゃんは不思議な子。

 隣で嬉しそうにサンドイッチを食べるセレスちゃんを見て思う。

 セレスちゃんはすごく強いのに、全然えばらない。

 いろいろ凄い事が出来るのに周りの事をよく考えていて、その力を隠してる。


 クライム君とジャン君の言う通り、セレスちゃんはきっと世界全体をよく見ていろいろ考えていて、私にはわからないような凄い事を何か背負っている。


 きっと聖王国の偉い人。


 それなのに――私と一緒なのを凄く喜んでくれる。

 お弁当の卵焼きを一生懸命褒めてくれて、私の作ったお弁当を本当に嬉しそうに食べてくれる。


 今日だってそう。


 サンドイッチを一緒につくるセレスちゃんは本当に嬉しそうで、見ている私まで嬉しくなっちゃう。クライム君たちはお弁当もモンスターを呼び出すための計算だって言っていたけれど、セレスちゃんは私と作ったお弁当を無駄にするような子じゃない。

 だって優しいもの。お弁当は本当に楽しみにしてたんだと思うんだ。


 私の卵焼きを大好きと言ってくれたセレスちゃんは、どこかすがるようで。

 たぶんだけど……セレスちゃんは普通のお友達が欲しいのだと思う。


 セレスちゃんは凄いから、その分いろいろ犠牲にしてきてる。

 平民の私にはわからないきっとすごい事を。


 だから、普通の子に憧れて、みんなでお弁当を食べるなんて普通の事であんなに嬉しそうなのかなって思うんだ。


「みんなで食べるお弁当は美味しいね」


 私がそう言えば、こくりと頷いてセレスちゃんの目元がちょっとだけ嬉しそうに緩む。

 本当にちょっとだけだからよく見てないと見逃しちゃう。


 よかった。やっぱりお弁当食べたかったんだ。


 どうか、一緒に居られる間だけでも、セレスちゃんの普通のお友達でいられますように。

 

 私はそう祈りながらセレスちゃんが具材を挟んでくれたサンドイッチを食べた。

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